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セーヌ川浄化作戦 14億ユーロ セーヌ川再生 泳げるセーヌ川 巨大地下水槽 大腸菌 トライアスロン オープンウォータースイミング パリオリンピック Paris2024

2024年07月19日 17時03分36秒 | パリ五輪2024


出典 Paris2024




 出典 L’Express
イダルゴパリ市長 セーヌ川を泳いで水質改善アピール
 セーヌ川開会式のが1週間ほどに迫った7月17日、アンネ・イダルゴ市長はエスタンゲ大会組織委員会長とセーヌ川に入って泳ぎ、水質懸念の払拭を図った。
 セーヌ川は水質の悪化などから1923年から遊泳が禁止されてたが、五輪を誘致するにあたって、イダルゴ市長は「セーヌ川で泳ぐ」を掲げ、14億ユーロ(約2500億円)を投じて大規模なセーヌ川浄化作戦を展開した。巨大地下貯水槽を建設したり浄水施設を整備して水質改善に取り組みんできた。Paris2024ではトライアスロン(スイム)とマラソンスイミングを開催する。イダルゴ市長クロールで息継ぎをしながら、セーヌ川を50メートルほど泳いた。

 パリのイダルゴ市長は、大会前に自らセーヌ川で遊泳すると公言していた。先週の水質検査では初めて細菌の濃度が基準値を下回ったが、降雨があれば依然として水質悪化の懸念は大きい。
 一方マクロン氏自身も川で泳ぐと表明したが、今のところ日程は発表していない。


セーヌ川 出典 Le monde

セーヌ川の水質検査  出典 Reuters
Paris2024 セーヌ川の水質改善 大腸菌レベルが4日連続で許容範囲内に低下
 セーヌ川の水質が改善したとの検査結果が、パリオリンピックの開幕を3週間後に控えた7月4日木曜日に示された。この日はセーヌ川で屋外水泳競技会が開催される予定だ。
パリ市長室が発表した結果によると、パリ中心部のオリンピック水泳場では、フランスの首都の暖かく晴れた天候を受けて、大腸菌レベルが4日連続で許容範囲内に低下した。
 市長室は声明で「この前向きな発展は、太陽の光と暖かさが戻ってきたこと、そしてセーヌ川の水質を改善する戦略の一環として行われた取り組みの効果の結果である」と述べた。期間は6月24日から7月2日まで。
 出発点となるパリ中心部のアレクサンドル3世橋の場所では、前週、大腸菌(糞便の存在を示す細菌)のレベルがスポーツ連盟が毎日定めている上限値を上回っていた。水泳用に。
一時、大腸菌レベルは100ミリリットルあたり1,000コロニー形成単位(cfu/ml)の上限の10倍に達し、過去2か月にわたる大雨によりオリンピック競技への懸念が生じた。セーヌ川は、7月30日から31日と8月5日のトライアスロンの水泳区間と、8月8日から9日のオープンウォータースイミングに使用される。
 しかし、先週の腸球菌の測定値(水質の 2 番目の重要な測定値)は著しく改善され、アレクサンドル 3 世橋では毎日許容範囲内に収まった。

出典 France24



パリプラージュ(Paris Plages)パラソルやビーチチェアが並ぶセーヌ川沿い 出典 Sportir Paris
Paris2024 セーヌ川浄化作戦 「泳げるセーヌ川」を取り戻す
 セーヌ川はいつの時代もパリ市民にとって特別な意味を持つ心のより所である。
パリの夏は、恒例イベント「パリプラージュ(Paris Plages)」で彩られる。プラージュとは、フランス語でビーチの意味で、期間中はセーヌ川沿いにパラソルやビーチチェアが並べられ、人工ビーチで多くの市民が日光浴を楽しむ。以前は大量の砂を運びこみセーヌ川岸に本物そっくりのビーチが作られたが、環境面への配慮などを理由として、近年は芝生や木製デッキの設置にとどめているが、セーヌ川岸では、この時期にさまざま夏のイベントも開催される。
 パリプラージュのもう一つの目玉は、パリ市内を流れる運河の中に設けられるプール。運河(ヴィレット貯水池)の一部を区切ってプールが作られ、無料で市民に開放される。定期的な水質チェックが行われるが基準は満たされているようだ。

パリプラージュ(Paris Plages) 出典 Sportir Paris

パリプラージュ(Paris Plages) 出典 Sportir Paris

ヴィレット貯水池に設けられたスイミング・プール 出典 tricolorparis

 パリ市は、Paris2024までに、セーヌ川での遊泳を可能にしようとする野心的な取り組みに挑んだ。
 1900年にパリで初の五輪が開催された時は、水泳競技の会場はセーヌ川だった。当時は市民もこの川で泳いでいたが、2回目の開催となった1924年パリ五輪の前年、水質汚染のために遊泳が禁止されてしまった。
その後、1990年に当時のパリ市長であったジャック・シラク氏(後のフランス大統領)が「セーヌ川の水質が改善されていることを示すため、自分はセーヌ川で泳ぐ」と公言したものの、残念ながら実現しなかった。しかし、約30年の時を経て、アンヌ・イダルゴパリ市長が「パリで泳ぐ(Nager á Paris)」というプロジェクトを打ち出した。このプロジェクトに基づき、2024年大会誘致にあたって、トライアスロンやオープンウォータースイミングをセーヌ川で実施すると宣言した。環境政策に取り組むパリ市にとってのParis2024の重要なレガシーとして位置付けている。
 パリ市と中心に関係機関は、2016年にセーヌ川委員会(le Comité Seine)を設立し、水質改善プロジェクトに取り組み始めた。
 セーヌ川浄化作戦に投じられる資金は約14億ユーロ(約2240億円)、そのうち、半分は国が負担する。

Paris2024のテストイベントを兼ねた世界トライアスロン大会(2023年) 出典 Inseide the Games


Pont Alexandre III  トライアスロン(スイミング)、オープンウォータースイミング競技の会場   出典  Paris2024

巨大地下貯水槽の建設など14億ユーロ(約2400億円)を投入
 パリ南東部にあるオステルリッツ駅近くに、9000万ユーロ(約144億円)を投じて巨大地下貯水槽、「オーステリッツ貯水槽」を建設した。円柱状のコンクリート施設で、直径約50メートル、深さ約30メートル、競技用プール20杯分の水をためられる。大雨の際に、下水処理場の処理能力を上回った場合には、未処理のままで生活汚染水は雨水とともにセーヌ川に放出されるが、この施設に一時的に排水を流し込んで未処理の汚染水のセーヌ川への流入を抑える。2基の浄化装置も整備した。
 またセーヌ川の汚染の大きな原因となっている路上の汚水やごみを雨水管に流していた地区の配管網も改善した。
 セーヌ川に停泊するペニッシュ(平底船)の生活排水の垂れ流しを禁止して、市の下水道を使うよう義務付けた。ペニッシュの隻数は市内で約300隻、近郊を含めると約1300隻にのぼる。
 投じられた資金の合計は約14億ユーロ(約2400億円)にも上り、うち半分を国が負担する。

巨大地下貯水槽、「オーステリッツ貯水槽」(Basin of Austerlit) 出典 rfi


浄化作戦展開前のゴミの浮かぶセーヌ川 出典 Reuters


セーヌ・アヴァル(Seine-Aval)下水処理場  出典 Seine Aval
セーヌ川浄化作戦の主役 セーヌ・アヴァル(Seine-Aval)下水処理場
 パリ郊外のセーヌ川沿いにあるセーヌ・アヴァル(Seine-Aval)下水処理場は、ヨーロッパ初、シカゴに次いで世界で 2 番目の巨大な下水処理施設である。 600 ヘクタール以上に敷地に建設された施設の処理能力は1日、1,500,000立方メートル、パリ都市圏の廃水の 60% を処理し、セーヌ川に水を戻す。1940年に操業を始め、2011 年には欧州枠組み指令の都市廃水指令 (DERU) を満たすために3 つの新しい設備 (追加の脱窒装置、汚泥処理排水汚染除去装置、汚泥濃縮装置) を建設し、下水処理施設としての近代化を果たした。
廃水処理の質を向上させ、によって課せられた良好な生態学的ステータスの目標を達成するために、最新の浄化装置と汚泥回収を備える。
Paris2024に向けてのセーヌ川浄化作戦では、数億ユーロを投じて処理能力のアップや浄化性能の改善を実施した。


お台場海浜公園 トライアスロン(スイミング) Tokyo2020 出典 IOC
Tokyo2020 お台場海浜公園 「トイレのような臭い」
 Tokyo2020ではお台場海浜公園がトライアスロンやオープンウォータースイミング競技の会場となったが、2019年に実施されたテスト大会に参加した選手から「トイレのような臭いがする」と酷評された。
 東京五輪組織委員会や国際オリンピック委員会(IOC)は、レインボーブリッジや都心のビル群が背景に広がる「都会的なコース」として高く評価して会場として選んだが、問題は東京湾の大腸菌汚染された海水である。東京都はポリエステル製のスクリーンで競技コースを囲み、大腸菌に汚染された水の流入を防ぐという応急対策を講じたが、大雨で大腸菌汚染が基準値を上回る、Tokyo2020のテスト大会を兼ねたパラトライアスロンのワールドカップ(W杯)では、水質が悪化したとしてスイムを中止してランとバイクのデュアスロンに変更することを余儀なくされた。実施した水質検査で大腸菌の数値が国際トライアスロン連合(ITU)が定める上限の2倍を超えという。
 東京23区の多くの地域は、台所やトイレの生活排水を、雨水と共通の下水管で集める「合流式」。大雨の時などは雨水が集中して処理しきれず、未処理のまま東京湾に直接放出される。東京湾は大腸菌の海なのである。
 東京都水道局によれば、23区部の合流式下水道を分流式下水道に改築する場合の概算事業費は総額で約10兆3000億円程度と想定しているとしている。抜本的な解決をするには分流式にすることが必要なだが膨大な経費がかかることがネックとなる。
 同じ問題を繰り返す東京とパリ、「選手ファースト」で競技会場を選ぶのではなく、「見栄え」と開催都市のPRを優先させるあからさまな姿勢が浮かび上がる。

お台場海浜公園 今も特別なイベント開催時以外は遊泳禁止 筆者撮影
水質汚染深刻 お台場海浜公園 「トイレの臭いがする」 トライアスロン・マラソン水泳 Media Close-up Report

下水道処理は「合流式」が通常 「分流式」は限定的
 日本では東京都や大阪市・名古屋市などの都市や、世界ではロンドンパリ、ニューヨークなどの多くの大都市が、雨水と汚水を合流させて処理する「合流式下水道」を採用している。これに対して雨水と汚水を分離して処理する「分離式下水道」を採用している地域は極めて限定的になっている。
「分離式下水道」の建設は、雨水の汚水の2つの配水管網を整備するコストが膨大で、豪雨の際のオーバーフローによる洪水防止との兼ね合いで、各都市は合流式を採用して下水道整備を進めてきた経緯がある。
 「合流式」を「分流式」に切り替えるためには、2017年度の都議会の質疑で、東京都は東京都23区だけでも約10兆3千億円もの財源が必要になることを明らかにしている。現在は20兆円近くに上る可能性がある。

出典 東京都下水道局


水処理のしくみ
 日本で行われている下水処理場(水再生センター)では、沈砂池、第一沈殿池、反応槽(生物処理槽)、第二沈殿池、塩素接触槽の順に、プールのような水槽下水を流す過程で行われる。このプロセスは海外でも基本的に同様である。
・水再生センターに流入した下水は、まず、沈砂池で大きなゴミを取り除き、土砂類を沈殿させる。
• 次に、第一沈殿池で下水をゆっくり流し、下水に含まれる沈みやすい汚れを沈殿させる。
• 反応槽(生物処理槽)では、下水と微生物の入った汚泥(活性汚泥)を、空気を送り込みながら6~8時間ほどかき混ぜる。下水中の汚れを微生物が分解し、細かい汚れは微生物に付着して沈みやすいかたまりにする。
• 第二沈殿池では、反応槽(生物処理槽)でできた汚泥(活性汚泥)のかたまりを3~4時間かけて沈殿させ、上澄み(処理水)と汚泥とに分離させる。
• 最後に塩素接触槽で、処理水を塩素消毒して大腸菌等を消毒してから、川や海に放流する。

出典 東京都下水道局


「合流式」の欠点 大雨の際は未処理の大量の汚水が放流される
 「合流式下水道」は、大雨が降ると大量の雨水が下水管や下水処理場に流れ込み、その能力をあっという間に上回り、街中は汚水の「洪水」に見舞われる。このため大雨の際は、配水管の各所にある「雨水吐け口」や「ポンプ所」から河川や海などに汚水の混じった雨水を未処理で排水したり、下水処理場では固形物沈殿処理して消毒剤(塩素)を混ぜるだけで、通称「簡易処理水」として放出したりする。「簡易処理水」は本来の下水処理のプロセスを大幅に省略しているので、とても「下水処理済」とはいえない。
 隅田川沿いには下水処理場(水再生センター)が多く立地していて、墨田川には大雨になると大量の未処理の汚水が流れ込む。東京湾の汚染の大きな原因となっている。

未処理の排水を流す目安
東京都下水道局では、晴天時の排水量を1Qとして、多少の雨が降った際の1Q~2Q(=1Qの倍)の間は、下水処理場(水再生センター)で完全に処理して、河川や海に排出する。
大雨が降って、2Qと超えた場合は、沈殿処理や消毒処理を行う「簡易処理水」として河川等に放流する(2Q~3Q)
豪雨となって3Q(1Qの3倍)を越えた場合は洪水を防ぐために未処理の汚水混じりの雨水を「雨水吐け口」や「ポンプ所」から排出する。
 下水処理場(水再生センター)などの貯水槽からの放流回数は、年13回、貯水管の「はけ口」からの放流化指数は14回程度としている。 
 冬期間は大雨がほとんどないので、梅雨の期間から夏から秋の台風シーズンかけては月に数回の未処理汚染水の排水が行われると思われる。

大雨時に雨水を貯める貯蔵施設を増強
 「合流式」を「分流式」変えるには膨大な時間と経費がかかるので一朝一夕には不可能だが、大雨が降った場合に、雨水を一時的に貯める貯水槽や下水処理場(水再生センター)貯蔵施設を整備すれば、下水処理能力のオーバーフローは避けることができる。東京都では貯蔵施設の能力を115万立方メートルの平成28年度)から、平成35年度まで170万立方メートルに増強する計画である。また高速ろ過装置を 東京五輪2020までに6か所の水再生センターに導入した。
 しかし、大雨の度に大量の未処理の汚染水が流れ込む東京湾、その海がきれいになる日は遠い。


出典 パリ観光サイト
セーヌ川の水質改善は前進 しかし市民から懐疑的な声
 こうした対策で、セーヌ川の水質改善は大きく進展した。今年6月初めの検査では欧州の基準を満たす「優れた結果」が出た。五輪の競技会場となる場所で2022年夏に実施した検査の結果では91%が基準に適合したという。組織委員会は事実上の安全宣言を出した。
 一方、フランスの環境NGO「サーフライダー財団(Surfrider Foundation)」は今年4月、セーヌ川のアレクサンドル3世橋で、昨年9月から今年3月にかけて採取した水のサンプル14件のうち、13件で大腸菌と腸球菌の量が、国際競技連盟の定める最大許容量レベルを超えていると公表した。大腸菌の測定値は、許容レ別の3倍以上に達した。「劣悪な」水質となった原因は、5月は豪雨に見舞われた上に、「雨から下水道の故障や接続不良のボートや動物の排泄物など」複数あると述べ、「汚染された川で競技することは選手にとってリスクになる」と指摘した。
 市民の遊泳場は、25年以降、パリ市と近郊のイルドフランス地域圏で、計23カ所(市内3カ所、郊外20カ所)が設置される計画だ。遊泳場のプールは川の中に設置され、目印のブイが設けられ、桟橋や着替えスペース、シャワー、荷物置き場を整備するとしている。ただし悪天候や局所的な水質変化もあり得るため、夏の間、毎日必ず泳げると保証することはほぼ不可能だ。
 「泳げるセーヌ川」作戦には、市民から懐疑的な声も上っている。「濁った水の色を見ると当面は泳ぐ気になれない」と話す女性や、「捨てられた冷蔵庫やソファが流れてくるような川で泳ぐ意味がどこにあるのか」、「まだ変な物が浮いている。上流をしっかりきれいにしなければ」と手厳しい意見が相次ぐ。
 また上流地域には下水設備が未整備で、生活排水をそのままセーヌ川やその支流に垂れ流している住宅などが2万戸以上あるが、対策は進んでいない。
一方、イダルゴ市長は、セーヌ川の浄化は気候変動に備えた適応策の一環でもあると説明。セーヌには生物多様性を確保する回廊(コリドー)の役割や、夏に涼をとる場所としての役割があると語り、川にすむ魚は浄化前の2種類から、最近は35に増えていると指摘した。


出典 IOC
「セーヌ川の浄化は五輪の最も重要なレガシー」 マクロン大統領
 市民のくすぶる懐疑論を打ち消すため、イダルゴ市長は再三にわたって自らが大会前にセーヌ川で泳いでみせると公言。マクロン大統領も「私も泳ぐ」と約束した。
 マクロン大統領は、セーヌ川の浄化は五輪の最も重要なレガシーになるとして、セーヌ川と支流のマルヌ川を遊泳可能にすることは「2024年に向けての目標だ」と強調した。もし成功すれば、パリの夏の風物詩だったセーヌ川での遊泳の伝統が復活することになる。
 2023年の8月、Paris2024のテストイベント、オープンウォータースイミングワールドカップとワールドトライアスロンパラカップの水泳競技は、大雨で水質が悪化して中止、テストイベントを兼ねた世界トライアスロン大会は8月後半に延期された。
 パリ五輪組織委員会は、本番の大会のスキームとして、水質が改善されない場合の「プランB」を発表、プランBとは、「競技を数日延期するが、会場は変更しない」という代替案である。
 約1か月後に開幕が迫った6月21日に、パリ市は、セーヌ川のトライアスロンやマラソンスイミングの会場付近で実施した水質調査で、大腸菌の検出値が許容上限の5倍に達した地点もあったと発表。国際大会では水100ミリリットルあたりの大腸菌コロニー形成単位(CFU)が1000を超えてはならないとされるが、6月3日以降の2週間、競技会場で許容上限を下回ったのは9日だけで、16日には2000CFUを越え、市西部では5000CFUに達した。
 パリ市は、最近数カ月間の降雨で水位が上がったのが主原因だと説明した。未処理の下水があふれ、川に流れ込んだとみている。市は天候が回復すれば、紫外線による殺菌効果が期待できると望みをかけている。
 依然として天候に左右されるリスクを抱えている。
 Paris2024ではセーヌ川で泳ぐアスリートの姿が本当に見られるのか、更にセーヌ川で泳ぐパリ市民の姿が新たな夏の風物詩となるのか注目される。

EU「水枠組指令」
【英】Directive 2000/60/EC of the European Parliament and of the Council of 23 October 2000 Establishing a
 EUは表流水,地下水,沿岸水 (海岸から 1 海里まで)などの水系の汚染について,原因や地域別に汚染防止の多数の法律を作って,水質改善を図ってきてきた。さらなる改善を図るために,地域や原因別に対策を講ずるだけでなく,集水域単位に全ての水系や汚染原因に対して包括的な取組を行うことが必要だとして,2000年10月に「水枠組指令」(「共同体の水政策の行動に関する枠組を定める指令」(Directive 2000/60/EC)を採択・施行した
 EU 加盟国が 2015 年までにすべての水域や地下水を含む) の質的および量的状態を良好にすることを義務付ける EU 指令。EU水域の水質を持続可能に利用でき、生態学的に健全な状況にすることを目的にしている。
 この指令は、従来の限界値アプローチ(基準値の設定)を規定するのではなく、共通目標を達成するための「手順を規定する」することで、「枠組み指令」としているのが特徴である。
 河川単位で浄化及び管理の取り組みを導入し、国境を越える河川も同様である点に特徴がある。本指令が掲げる期限付きの目標は、すべての水域を2015年までに良好な水質状態にするとしている。
 この目標を達成するため、2000年には水質規制対象物質のリストが欧州委員会から公表されており、このリストが採択された後に水質基準、排出規制策が策定される。
 この他、適正な水道料金の設定、産業活動のみならず農業や都市地域からの排水の汚染管理、水質管理活動へのNGOや地域の人々の参加要請といった規定もある。
 しかし、2015年までにすべてのEU水域で「良好な状態」という指令の目標は達成されず、対象となる EU 水域の 47%が目標を達成していない。

 

出典 土木技術資料




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国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)



2024年7月1日
Copyright (C) 2024 IMSSR

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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute(IMSSR)
President
E-mail
imssr@a09.itscom.net
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