キエフ政権は ドンバス攻撃でロシアを兆発
ウクライナ東部のドンバス(ドネツク、ルガンスク、ドネプロペトロフスク)をキエフのクーデター政権が1月下旬から攻撃を激化させていると伝えられている。
停戦行為に違反しているとしてロシア政府はキエフ政権に抗議したというが、その背後には、アメリカとロシアの接近を阻止したい勢力が存在している可能性が高い。
退任直前のバラク・オバマ大統領もロシアを挑発し、米露関係を少しでも悪化させようと努力していた。
昨年12月にロシアの外交官35名を含む96名のロシア人を国外へ追放、今年1月6日にアブラムズM1A1戦車87輌を含む戦闘車両がドイツに陸揚げされ、戦闘ヘリのブラック・ホーク50機、10機のCH-47、アパッチ24機なども送り込まれた。
派兵されたアメリカ兵の人数は2200名だ。こうした挑発にロシア政府が乗らないため、キエフ政権を使ってドンバスを実際に攻撃させているのではないか、ということだ。
2015年5月26日の時点で民主党の幹部がヒラリー・クリントンを候補者にすると決めたことを示唆する電子メールが存在、6月11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加していることから、この段階でヒラリーがオバマの後継大統領に内定していたと見られている。
ところが、この流れが翌年の2月までに変化する。
ヘンリー・キッシンジャーが2月10日にロシアを訪問、ウラジミル・プーチン露大統領と会談したのだ。
この後、6月にアメリカ国務省の外交官50名以上がオバマ政権のシリア政策に不満を表明、アサド大統領を排除するために空爆を実施、つまりロシアと戦争をしろと主張している。
歴史的に金融資本と深い関係にあるCIAの幹部はヒラリーを支持、トランプ支持派が少なくないFBIと対立する構図になっていた。
ジェームズ・コミーFBI長官が7月5日、クリントンが機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があることを認めたうえで、司法省に対して彼女の不起訴を勧告したが、その決定に少なからぬFBI職員が怒ったと言われている。
この決定に怒るのは当然。ヒラリーが法規に違反したことをFBI長官は認められているのだ。しかもヒラリーは証拠となる万2000件近い電子メールを削除している。
本当に調査する意思があるなら電子情報機関のNSAへ行けば手に入る。何しろ彼らは世界規模で通信を傍受、全ての電子メールが記録されているとも言われているのだ。ヒラリーは証拠隠滅、FBI長官は職務怠慢だ。
ウクライナ情勢を考える上で忘れてならないことは、2014年2月22日のクーデターで合法的に選ばれたビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力で排除したのはネオ・ナチを中核とする勢力であり、その背後にはアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補やジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使がいたということだ。
ジョン・マケイン上院議員もクーデターを扇動するためにウクライナ入りしていた。
ヤヌコビッチはアメリカやイギリスの支配層から嫌われていたが、2010年2月の選挙で勝ってしまう。彼の支持基盤は東部と南部だった。
その政権を倒すためにアメリカ政府はNGOを使って抗議活動を演出、2013年11月にはキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)へ約2000名の反ヤヌコビッチ派が集めることに成功した。そこからクーデター劇は始まる。
その後、ネオ・ナチが前面に出て広場で棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始める。2月中旬には2500丁以上の銃をネオ・ナチは持ち込み、狙撃も始めた。
当初、西側の政府やメディアは狙撃をヤヌコビッチ政府側によるものだと宣伝したが、2月25日にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相は事実が逆だということを知り、その結果を26日にEUの外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)だったキャサリン・アシュトンへ電話で報告する。
「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。
同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。
スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」
狙撃手は反ヤヌコビッチ派の中にいるということだが、アシュトンは「議会を機能させなければならない」と応じた。つまり事実を隠せというわけだ。
このクーデター政権を拒否したのが東部や南部の人びとであり、最も早く動いたのがクリミア。
3月16日にロシアの構成主体としてロシアに加盟するかどうかを問う住民投票が実施され、圧倒的多数が賛成している。投票率は80%を超え、そのうち95%以上が加盟に賛成したのだ。
動きが少し遅れた地域は厳しい状況に陥る。
例えば、5月2日にウクライナ南部、黒海に面したオデッサでは住民がネオ・ナチのグループに虐殺され、ドンバスではいまだに平和が訪れず、ここにきてキエフ軍が攻撃を強めている。
CIAや国務省は勿論、FBIや軍の一部もトランプ大統領と敵対関係にある。
NATOはアメリカ軍における関東軍のような存在で、不安定材料だ。
ネオコン/好戦派を後ろ盾とするヒラリーが大統領選挙で敗れて核戦争勃発の可能性は小さくなったが、消えたわけではない。
そうした勢力が今後もロシアとアメリカとの関係を悪化させようと仕掛けてくるだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702020000/
トランプが大統領として初めてプーチンに電話・ISISや貿易、ウクライナなどの露米関係について会談
Putin & Trump signal new Russia-US partnership with 1st phone call on ISIS, trade & Ukraine
1月28日【RT】
ロシアのウラジミール・プーチン大統領とアメリカのドナルド・トランプ新大統領が初めて電話で会談を行い、一時間近く続いた。その中で両大統領はイスラム国の討伐や二か国間の経済的な関係を修復するなど幅広い問題において協力し合う意志が強調された。
会談後、ロシア政府が公開した声明文によれば、「ロシア・アメリカ間で建設的で公平、そして両国にとって有益な関係を安定化、展開させることに対し、積極的に共同した努力をする準備ができていること」、そして幅広い国際的な問題について「パートナーとしての協力を構築」することを明らかにしたとされている。」
一方、ホワイトハウスもこの「ポジティブな」会話は「修復の必要なアメリカとロシアの間の関係を改善する、重要な始まりでした」と述べている。
ホワイトハウスの声明文:「今日の電話の後、テロリスト問題及びその他両者に共通の問題に取り組めるよう、迅速に動いていくことをトランプ大統領およびプーチン大統領の両者が望んでいます」
ロシア政府の声明文:「(二人の)大統領は、ISISおよびシリア国内の他のテロリスト組織を撲滅するため、米露間で本物の協調関係を構築することに賛同しています」
またイスラエル・パレスチナの紛争、イランの核開発計画について議論を行った。ロシア政府は「ウクライナ危機についてもまた触れられていた」としている。
両国家間の関係の発展を「刺激する」ために経済的なつながりを回復させる必要性があると両者は言及した。
そしてプーチンとトランプの両氏は、「面談実現のための可能な日程や場所について検討」するプロセスを開始することに合意。ロシア政府によると、両大統領は「定期的な面談を維持する」ことを希望していると表明したとしている。
またトランプ大統領はプーチン大統領に対して「ロシアの方々の幸福と繁栄をお祈り」しており、アメリカの国民は「ロシアとその国民の方々に暖かい気持ちを持っている」と伝えた。
それに対しプーチンはそれはロシア側もアメリカに対して同様に感じており、歴史的にもこれまでロシアとアメリカは一度のみならず緊密な同盟国であったと強調した。
プーチン大統領:「二世紀以上に渡り、ロシアはアメリカ合衆国を支援してきました。二つの世界大戦の間は同盟国であり、現在はアメリカは(ロシアにとって)国際的テロリズムと戦う主要なパートナーです」
27日の金曜日、イギリスのテリーザ・メイ首相と共同説明会を開催したトランプ氏は、その場でロシアの大統領と「素晴らしい関係」を持つことを希望しているが、それが起こらない可能性もあることは理解していると話していた。
トランプ氏は以前、イスラム国(IS、ISIS/ISIL)と戦うためにロシア政府が関与して共同作業として行うことを歓迎する意志を表明していた。
トランプ氏(FOXニュース):「プーチン氏がどうお考えかわかりませんが、ロシアと一緒にやっていけたら素晴らしいことです。
ISISは本当に病んだ奴らですから、一緒になってあいつらをやっつけることができれば、ロシアにとっても、私たちにとっても望ましいことですから」
ロシア政府側はシリア国内でのロシアとアメリカの空軍の間で緊密な協力関係を構築することを提案してきたが、以前のオバマ政権はアメリカ側の懇願に対してロシアが適切に対応しなかったとして非難している。
ここ数年の間、シリア危機での分断や2016年11月のアメリカ大統領選挙にロシアが干渉したという容疑の件などで二か国間の関係は完全さが損なわれていた。
ウクライナ危機を理由にアメリカがロシアに対して経済制裁を行ったことは、トランプ・プーチンの会談で話されることが期待されていた問題の一つであった。しかし二人の会談を要約したロシア政府による発表の中に、この問題は言及されていなかった。
大西洋評議会の分析センターの研究員Fabrice Pothierは、ホワイトハウス内の匿名の人物からの情報だとして、トランプ政権はロシア政府に対する制限を撤回する「大統領命令の準備ができている」と26日、ツイッター上で明らかにした。
しかし翌日、トランプ氏は「その件についてはお話しするのは時期尚早」と返している。
しかし一月、ロシア政府がアメリカ政府に対して核兵器の削減など特定の問題で協力を得ることができた場合には(経済的制裁としての)制限を取り下げる可能性があるとトランプ氏は述べていた。
トランプ氏の発言(Times紙):「彼ら(オバマ政権)はロシアに制裁を設けました。私たち(トランプ政権)がロシアとよい取引ができるか見てみましょう。例えば核兵器はずっと大幅に削減されるべきだと考えていますが、それもその一部です」
トランプ氏はツイートで「ロシアと良好な関係を築くことはよいことで、悪いことではありません」とし、「愚か者」だけがそう考えないと警告を発した。
しかし先週、議会の承認がなければアメリカ大統領が経済的制限を取り下げることを不可能にする法案を、アメリカの複数の上院議員が提出している。
新政権の下のアメリカと「リセット」する見込みについて、ロシア政府は慎重な姿勢を維持している。ロシアは(両国間の関係の改善について)「考えの甘い期待」はしておらず、「幻想」は抱いていないとラブロフ外相は考えを明らかにしている。
【参考】https://www.rt.com/news/375416-putin-trump-telephone-call/
(翻訳終了)
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【コメント】
トランプ大統領については、私自身はまだ様子見程度ですが、最近の一連の報道を両サイドから見ていると、現在のところ、個人的にはがっかりする内容の方が多いです。
もちろんマスコミ系の報道は、トランプ氏の発言の一部などだけを取り上げたり、あるいは一部の情報だけを提示するなどして、事実を大きく歪曲して悪い印象を与えていることは明白ですが。
ロシアはトランプ氏に対してこれまでと同じく、「ロシアとアメリカが仲良くできるならそれに越したことはないし歓迎だが、介入もしなければ、期待もあまりしていない」という冷静な立場を維持していますね。
http://ameblo.jp/wake-up-japan/entry-12243100192.html
トランプに熱い目
〇 トランプは20世紀の世界秩序に終止符を打つだろう。
排出権取引制度が導入されれば、その国の政府関係者には、莫大な地球温暖化利権が発生する。トランプはこれをちゃぶ台返ししようとしている。
from :Twitter
〇 トランプ大統領「イスラム教徒を入国禁止にしているわけではない。オバマの足元で行われていた厄介な問題に取り組んでいるだけだ。2011年にオバマが発令した大統領令は同じ内容だ。彼はイラクからの難民に対するビザの発給を6ヶ月間禁止した。」
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