アメリカはベネズエラにも経済戦争を仕掛けている。
その最大のターゲットは国営石油会社のPDVSA。
同社がアメリカに保有していた資産70億ドルは凍結され、石油の販売も妨害されている。
イランでイスラム革命があったときにも資産が凍結された。
アメリカにある資産は絵に描いた餅、幻影にすぎないと思った方が良いだろう。
日本がアメリカに対して持っている債権も同じことだ。
苦境にあるPDVSAをロシアのエネルギー会社ロスネフトが支援してきたが、
ベネズエラのロシアに対する負債を軽減するため、私有化せずにPDVSAの経営権をロスネフトへ渡す合法的な手段を検討しているようだ。
アメリカがベネズエラの体制転覆を計画するようになった理由は1999年にウーゴ・チャベスが大統領に就任したことにある。
チャベスは自国をアメリカから独立させた。
そこで、2002年にジョージ・W・ブッシュ政権はクーデターを試みたが、その中心人物はイラン・コントラ事件に登場するエリオット・エイブラムズ、
キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたオットー・ライヒ、
そして国連大使だったジョン・ネグロポンテの3人。
ネグロポンテは1981年から85年にかけてホンジュラス駐在大使を務めていたが、そのときにニカラグアの革命政権に対するCIAの秘密工作に協力、死の部隊にも関係している。
このクーデター計画を事前に知らされていたチャベス政権は潰されずにすんだ。
情報を伝えたのはOPECの事務局長を務めていたアリ・ロドリゲスだ。
また、ウィキリークスが公表したアメリカの外交文書によると、
2006年にもベネズエラではクーデターが計画されている。
「民主的機関」、つまりアメリカの支配システムに操られている機関を強化し、チャベスの政治的な拠点に潜入、チャベス派を分裂させ、それによってアメリカの重要なビジネスを保護してチャベスを国際的に孤立させるとされている。
チャベスは2013年3月に癌のため、58歳の若さで死亡。
その際にアメリカは体制転覆を目論むが、それも失敗した。チャベスを引き継いだニコラス・マドゥロもアメリカの支配層から嫌われている。
アメリカがマドゥロを倒す手先に選んだ人物がフアン・グアイドで、アメリカ政府は「暫定大統領」というタグをつけた。
この人物を支援しているひとりがマルコ・ルビオ上院議員。
この議員は自身のツイッターにムアンマル・アル・カダフィの元気な時の姿と惨殺される寸前の様子を撮影した写真を並べて載せていた。
マドゥロ政権の転覆に失敗したアメリカ政府は経済戦争、一種の兵糧攻めを続けてきたが、
ロシアや中国が立ちはだかっている。
登場人物を見てもわかるように、中東、ウクライナ、香港、ベネズエラなどにおける混乱はアメリカの世界制覇プランが原因だ。
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