一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

田中沙紀さんに告ぐ

2020-08-27 00:39:45 | 目を考える
25日は第33期竜王戦挑戦者決定戦第2局・羽生善治九段VS丸山忠久九段戦が行われたが、私の注目はそちらではない。第32期女流王位戦予選1回戦・宮宗紫野女流二段VS田中沙紀女流3級戦だった。いままで何度か書いたから煩雑を避けるが、要するに田中女流3級はこの女流王位戦予選で2勝しないと「女流3級」を剥奪され、(本人が望めば)研修会戻りとなってしまうのだ。
そしてこの将棋、田中女流3級が負けた。本局は携帯中継があったが、私は契約していないからネットで情報を拾った。すると田中女流3級は不可解なノータイム指しを続け、惨敗したらしい。
いままで「女流3級」は例外なく女流2級に昇級し、正女流棋士になった。それをクリアできなかったのは田中女流3級が初。そして女流3級が廃止された現在、最後の例にもなってしまった。
将棋界は藤井聡太二冠ら華やかな戦いばかりに目が行き、マスコミもそちらしか扱わない。しかし天邪鬼の私のように、下位グループで頑張っている(女流)棋士に注目している将棋ファンもいるのだ。その意味で、本局の田中女流3級の指し回しは寂しかった。もっとしっかり指してもらいたかった。

まあよい、問題は今後である。まず絶対の条件として、1994年11月18日生まれ・現在25歳の田中さんが、研修会に戻ってやり直すかどうかだ。
日本将棋連盟HPの「研修会」で、田中さんの場合を照らしてみると、「一般研修生の入会」は「20歳以下の少年少女」だが、「女流棋士希望研修生の入会」は「25歳以下の女性」に緩和されている。田中さんはギリギリ研修会に戻れるわけだ。
女流2級になるには、B2への昇級が条件となるが、2年前C1に昇級して女流3級を申請した田中さんは、そのままC1へ戻れるのだろうか。そして何歳までにB2に昇級すればいいのだろうか。
2018年4月1日に施行された「女流棋士規定(変更分)」には「女流2級資格取得時点で満27歳未満の女性」とあるから、田中さんは2021年11月17日までにB2に昇級し、女流棋士申請をすればよいということになる。つまり、残る命は1年2ヶ月あまりだ。こうなると、研修会がC1スタートか、C2スタートかは、天と地の差だ。
ただ、研修会員も恐ろしく強い。私は大野教室で何度か戦っているから分かるが、C1だと「強いアマ四段」は優にある。少なくとも私は、全然勝てない。C1への昇級は6連勝や9勝3敗など、B2への昇級は8連勝や12勝4敗などだが、これは容易ではない。
田中さんはどうするのだろう。毎月月謝を払って、あと1年2ヶ月、研修会を頑張るのか。
頑張るんなら、私は全力で応援する。
そして将棋の勉強は我流ではなく、本格的な将棋を体得しなければならない。前にも書いたが、石川県から上京して、大野教室で鍛えてもらうのがよい。
土日教室月4回、金曜教室2回。ここで一般棋客に交じり、一から将棋を教えてもらうのがよい。研修会は第2、第4日曜日。大野日曜教室は第1、第3だから大丈夫だ。
ああそうだ、蕨将棋教室に行くのもよい。まあ植山悦行七段は微妙だが、大野八一雄七段は、上昇志向の女性はウェルカムである。将棋に対しての情熱があれば、必ず応えてくれる。
この生活を1年2ヶ月続ければ、絶対にB2に昇級できると保証する。
田中さん、さあどうする?

こんなブログを田中さんが読んでいるとは思えぬが、読んでくれることを祈っている。
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10 コメント

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Unknown (TOM)
2020-08-27 10:12:18
悲しくも田中さんの結果をここで知りました、組み合わせ表を見た時に「これ死のグループでは?」
シノクマさんと香川さんに勝て!ってあまりにも酷。連盟から発表とか有るんですかね?
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Unknown (AO)
2020-08-27 15:03:21
女流3級制度の中途半端感が好きだったので
なくなってしまって残念ですよね。
LPSAが拾ってくれたりしないのでしょうか
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Unknown (松浦)
2020-08-27 21:36:02
すごい文才ですね。感動しました。田中さんに会いたくなってしまいます。
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田中さん (一公)
2020-08-28 01:01:28
>TOMさん
田中さんが宮宗先生に何とか勝つことができたとしても、香川先生に勝つのは難しかったでしょうね。
連盟からの発表はまだありませんが、私もそういったものを待っています。

>AOさん
田中さんは、最後の「女流3級」でしたね。
LPSAに入って「LPSAプロ」は名乗れるかもしれませんが、昇級昇段規定は連盟のルールに則っているので、女流2級にはなれません。

>松浦さん
私の文才ですか? 私に文才はありません。いつも七転八倒して書いています。
田中さんは、なかなか異質なキャラクターです。
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Unknown (讃岐のおっさん)
2020-08-28 02:20:04
こちらで読ませていただいた範囲では対局前に既に気持ちが切れていたのでは無いでしょうか?。
そのような方がいかに大野先生に鍛えていただいても。。。
将棋から離れるも離れないも本人しだいですね。
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Unknown ( )
2020-08-28 16:41:38
宮宗戦の指し手と異様な時間配分を見る限り、とても対局できる状況ではなかったことは確実。
伊奈川と水町に完全に壊されたとしか言いようがない。あと1つという状況で冷酷非道な両者に当たってしまうという運命を嘆くほか無い。
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沙紀さん (一公)
2020-08-29 02:15:22
>讃岐のおっさんさん
最終局の様子を読んだ限りではそのようですね……。
ただ私は、一度は女流棋士になったのだから、沙紀さんには最後まで、女流棋士の座に食らいついてほしいわけです。

>さん
まあ伊奈川先生も水町先生も真剣勝負の場だから、本気を出さざるを得なかったんじゃないでしょうか。
もし沙紀さんが研修会に戻ることが可能ならば、もう一度頑張ってもらいたいです。
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Unknown (讃岐のおっさん)
2020-08-29 22:40:05
名無しのゴンベさん
対戦相手はどなたでも同じですよ。
この方は八百長をやれと言っているのかな?。
あちらで米長先生が怒り狂っているでしょうね。

で、例えば瀬川先生や今泉先生のようにアマチュアで成績を残し。。。は女性にも有ればですね。
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Unknown (白い虎)
2020-09-04 09:44:11
伊藤明日香女流のある書き込みでは、実家に戻って別の道に行くようです。清麗戦が始まらなければ、タイトル数と同等の勝ち星だったのでは。タラレバですが。私は英春流の本を一冊持ってます。初手9六歩も一時期指しました。成長力と感謝不足を田中さんは書き込みしましたね。記録者不足もあったのでクリアしてもらいたかったのでは。
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残念 (一公)
2020-09-05 00:21:52
>白い虎さん
田中さんの進退については、連盟から正式な発表があれば、私も何か述べるつもりです。
鈴木アマの戦法は面白いとは思いますが、プロの世界で、それオンリーで戦っていけるとは思いません。
田中さんの指し方を矯正する人がいなかったのかと、残念に思います。
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