一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

木村晋介会長、喜寿の祝い(2)

2022-11-22 00:09:16 | 将棋ペンクラブ

第2図以下の指し手。△9五香▲5一飛△5八飛▲6八金引△5九飛成▲1三銀△同玉▲1一飛成△1二銀▲1五歩(第3図)

主役の木村晋介会長はすでに到着し、みなに混じって将棋を指している。続く来場者には湯川幹事が「お葬式の記帳のようだけど……」とお約束のジョークを飛ばしている。
「これは鳩居堂で買ったもんなんだよ。あとで木村さんに渡して記念にしてもらおうと思ってね」
と湯川幹事。この辺の配慮が細かく、好ましい。
山本氏の△9五香は当然。私の▲5一飛は、次の▲1三銀を狙っている。実際それが実現し、▲1一飛成から▲1五歩と迫った形は「端玉には端歩」で、これは勝ったと思った。
ところが……。

第3図以下の指し手。△2五桂▲1四歩△2四玉▲1二竜△7三桂▲1三歩成△2九竜▲3六歩△9六桂▲9七玉△8九竜▲7三馬△9九竜(投了図)
まで、山本氏の勝ち。

山本氏の△2五桂が妙に耐久力のある手で、明快な寄せがないのに驚いた。私は▲1四歩から▲1二竜で銀を取り返したが、詰めろになっていない。
△2九竜に▲3六歩と逃げ道を塞ぎ、これが▲5五馬を見た詰めろと思いきや、△7三の桂で馬が引けないことに驚いた。ということは、△9六桂から△8九竜で負けである。
▲7三馬に△同銀とはさすがに取ってくれない。山本氏は△8八桂成と△9九竜で迷っていたが、どちらでもよく、△9九竜で投げた。
山本氏は社団戦で無駄な粘りをしてそれが若干シラケるが、本局の結果を見れば、それも立派な手段といえた。
私は冷静を装いつつも、感想戦では愚痴りまくる。珍しく中盤戦まで戻り、やった。第2図からの▲1三銀が狙いの手だったが、決めきれなかったわけだから、先に▲1五歩がよかったかもしれない。
投了前の▲7三馬では、▲2三と△同金▲1四金!(参考図)をAbe氏は読んでいたという。

参考図以下△同金は▲2二竜~▲3三銀で詰み。だからAbe氏は「さすが大沢さん、ここで詰ますのか」と感心していたという。
Abe氏はなかなか鋭いが実際は私に秘策はなく、とんだ尻抜けだった。しかも▲1四金には△3三玉で逃れており、これでも後手勝ちなのには呆れた。
まあいずれにしても、アホな将棋を指したものだ。

このあと木村会長から、本日の将棋会を「第1回木村杯」とし、成績優秀者には木村会長から金一封が出るとの報告があった。
それはありがたいことだが、もっと早くに言ってほしかった。それなら私も、絶対に負けない指し方に徹したのだが……。
とはいえ、本来は私たちが木村会長を祝う立場なのに、これではあべこべである。木村会長の懐の広さが分かる配慮だった。
2局目はItou氏と対戦。社団戦などでよく見かける方だが、話をしたことはない。
私の先手で、私の居飛車にItou氏の原始中飛車。これは正確に指せば先手が指せるはずだが、指し進めていくと意外に難しい。△1四歩が突いてあるので、△1三角と戦力を増強されたら相当難しかったのだが、Itou氏がそれを見送ったので、私がややよくなった。
以下、徐々に差が開いて私の勝ち。
近くでは、木村会長VSKid氏が熱戦を展開していた。

図はKid氏が▲7一銀と詰ましに行った局面。実戦は以下△9二玉▲9三金△同玉▲8二銀打△9二玉▲8一銀不成△同銀▲6三馬△8二金▲8一馬まで、Kid氏が勝った。
勝ちはいいが回り道の寄せ方で、手順中▲8一銀不成では▲9一銀成△9三玉▲8二銀不成が習いある寄せ。以下△同玉に▲9二金だ。
また▲8一銀不成に本譜は△同銀だったが、△9三玉には平凡に▲8五桂△9四玉▲8六桂で勝ち。この詰みは意外に見えにくい。
きょうも来場している金子タカシ氏の著書「寄せの手筋200」で、これらの詰み形は記憶してしまうのがよい。
ここで昼食に出る。近くの公園では「神田カレーグランプリ」なるものをやっていて、昼飯にはうってつけだった。
Kid氏と行くと、公園に着く前に、早くもカレーの香りが漂っていた。あたりは多くの客でごった返しており、かなり知られた人気イベントに思われた。
入口でパンフレットをもらうと今年で10回目のようで、地元のカレー店を中心に20店舗が出店していた。カレーを注文すると投票用紙が1枚もらえ、それを投票し優勝者を決めるという形だった。
カレーはどの店でも大差ないと思うが、人気のある店は行列ができていた。私とKid氏はすいている店のチキンカレーを頼む。しかしこのライスの量が少ない!
これは多くのカレーを食することができるとも言えるが、ふつうに出費が多くなり、私は不満である。
「でもチキンは大きいですよ」
とKid氏。彼は見方がポジティブだと思う。
私たちは2店分食べ、食後にアイスチャイを飲んだ。これが250円で、合計1,450円の出費となった。
書き遅れたが、本日の喜寿の会は、参加費が1,500円である。おカネの価値はなんなのだろうと考えてしまった。
会場に戻って、3局目はAbe氏と戦う。Abe氏ともこれが初対局の気がする。
私の後手番で、相居飛車のすえ私が勝った。
時刻は午後2時近くになり、次が最後の将棋になる。最終戦の相手は、副将格の山野氏だ。
私の先手で対局開始。山野氏の四間飛車に、私は急戦で挑む。山野氏は美濃囲いに組まず、二枚金の形。昨今は振り飛車の新しい指し方がいろいろ発表されているが、山野氏も研究しているようだ。
第1図は△3七同角成を▲同銀と取ったところ。ここで気になる手があったのだが……。

(25日につづく)
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