一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2014年・年末麺紀行3

2015-12-11 01:23:58 | 旅行記・その他の地域
トイレだ!! 千本だんごのトイレに入った時、トイレットペーパーホルダーの上に置きっ放しにしてきたんだ!!
私は店主に断りを入れ、千本だんごに走る。しかし長年の運動不足で、脚はパンパンに張り、息が苦しい。とはいえ徒歩圏内だったのは不幸中の幸いだ。もし列車に乗っていたら、それこそ面倒なことになっていた。もっとも、それはスマホが見つかったらの話だが…。
トイレに入ると、スマホはなかった。私は軽く絶望して、店舗に入る。スマホを…というやいなや、店のお姉さんが「あっ!!」」と言って、ビニール袋に入ったスマホをくれた。
ああ、ありがたい!! きっと、お客さんが届けてくれたのだろう。むかしネプチューンの番組で、スマホを紛失した時の恐ろしさをやっていたことがあったが、とんでもない。日本人は本当に親切だ。日本に生まれてよかった、を実感した瞬間だった。
蕎麦屋に戻る。板そばがきた。縁のあるまな板のような上に蕎麦が乗っている。2人前分から注文可、なので2人前はあるのだが、3人前はありそうだ。
麺つゆに蕎麦をつけてズルズルッ…。コクがあって、美味い! シャレた蕎麦屋に入ると、ザルの上に蕎麦がちょこちょこっとしか乗っておらず、二口三口すするとなくなってしまうことがあるが、ここは違う。食べても食べても減らない。ちょっとした贅沢である、これは。
終盤になって、さすがに満腹になった。大石田に来た時は、最低でも2軒はハシゴしたいと考えていたのだが、とんでもない。時間的制約もあるが、ここ1軒で十分になった。
大いに満足して、大石田駅に戻る。列車が到着して、小学校低学年と思しき女の子が降りた。改札の向こうには年配の夫婦が手を振っていた。女の子はたぶん、一人で列車に乗ったのだ。そしてじいじとばあばが孫の到着を待っていたのだろう。
が、改札を抜けたところで、駅員に止められた。女の子の切符に不備があったようだ。
一瞬不穏な空気が流れたが、何事もなかったようで、3人は晴れて再会できた。とりあえずはめでたしめでたしである。
さて、私が次に向かうは酒田である。12時31分の奥羽本線に乗る。
12時53分、新庄着。ここ新庄は山形新幹線の終着駅で、今も新幹線が出待ちをしている。しかし新幹線は高嶺の花で、私には無縁の乗り物だ。せいぜい写真を撮って、虚しさを紛らわせるしかない。
駅構内には歌舞伎を模した山車が所狭しと飾られていた。市内を観光したいところだが、時間がない。

ここから陸羽西線に乗り換える。定刻を6分遅れの13時17分、新庄発。終点余目には9分遅れの14時11分に着いた。
さらに羽越本線に乗り換える。14時05分発だったが、この列車も9分遅れ、無事に乗ることができた。
酒田には7分遅れの14時27分に着いた。日本の鉄道ダイヤは世界一正確だけれど、日本海側は風も強く、しかも雪も降っている。このくらいの遅れは許容範囲である。
さて、ここ酒田には悲しい歴史がある。1976年10月29日午後5時40分ごろ、市内の映画館のボイラー室から出火があった。観客は全員逃げたが、酒田市は当日強風が吹いており、炎は瞬く間に隣接の民家やビルに移った。建物は木造ばかりで火のまわりは速く、その勢いは増すばかり。しかも火の粉や飛び火で消火もままならず、辺り一帯は文字通り火の海と化した。結局翌朝5時の鎮火までに、22万5千平方メートルを焼き尽くした。これが世にいう「酒田大火」である。私は以前、酒田市の資料館で航空写真を見たが、古い民家と新築の民家がハッキリ分かれていて、あまりの被害の大きさに言葉を失ったものだった。
私は酒田を何度か訪れているが、そのたびに鎮魂の思いに浸るのである。
酒田からは船で1時間15分の距離に飛島という小島があるのだが、いまだに行く機会がない。ということは、今後も行かないのだろう。本当に行きたければ、何を置いても行くはずだから。
駅内で観光パンフレットをもらう。評判のラーメン屋を紹介してもらったが、駅の裏手なのでパス。行き当たりばったりで、これはと思う店に入ることにした。
まずは駅前の郵便局で貯金をする。「酒田駅前郵便局」、1,230円。日付と同じ額を貯金しているので、今日が1年で最も大きい貯金額となる。
しばらく歩くと、等身大の「ヴィーナス誕生」の石像があった。これ、市内ではけっこう目立つモニュメントで、どこかの店の所有物なのだが、いつも気になる。一応、彼女とも再会を果たしたわけだ。
また歩くと、八雲神社というところに着いた。すっかり初詣の装いで、私の前には、晴れ着を着た小さな子供連れの家族がいた。私も20代や30代の時は、こんな光景を夢見たものだが、ついに叶わなかった。私はたぶん幸せなのだろうけれど、他人から見たら気の毒に映っているんだろうと思う。
八雲神社でも御朱印をいただく。旅行貯金は1日1回のみと決めているが、御朱印はその限りではない。
ラーメン屋もいいが、ここ酒田は「山居倉庫」も有名だ。簡単にいうと米の貯蔵庫で、酒田のポスターではよくここが登場する。
そこに向かうべく、ぶらぶらする。最短距離でなくとも、だいたいの方角が合っていればよい。
大きな道路に出た。しばらく歩くと、巨大な獅子舞があった。顔だけ鎮座していて、それが人の背の高さくらいある。これも酒田では有名なのだろう。

…それはいいが、また腹がおかしくなってきた。今度はくだり気味である。
しかし近くに公衆便所などありはしない。どこかの店に入るにも、これといったところがない。
ええ? いや、ホントにマズイ…。踏ん張ったら漏れちゃうし、どうしようもない。
私は絶体絶命のピンチに立たされた。
(13日につづく)
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