一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2022年・将棋ペンクラブ関東交流会(前編)

2022-07-07 21:29:34 | 将棋ペンクラブ
きのうの「ちむどんどん」で、出演者が「上から目線で……」と語っていたが、このドラマは現在、1978年前後の設定ではなかったか。その時代にそのセリフはねえだろう。

   ◇

やや前の話になるが、5月22日(日)は、御徒町将棋センターにで、「将棋ペンクラブ関東交流会」があった。実に3年振りの開催である。
このご時世なので参加者は50人限定。事前予約制で私も申し込んだが、会員優先とのことだったので、「当選」する自信はあった。果たして当選し、当日を楽しみにした。
当日は12時開場、12時30分開始なので余裕だが、当日はA氏にお茶を誘われていたので、早めに家を出る。
最寄り駅のホームでは、京浜東北線の車両を、カメラマンが写真に収めていた。
この日は京浜東北線の線路工事があり、休止。路線は山手線の鉄路を間借りしていたのだ。カメラマンはそれが珍しく、撮影に遠征してきたというわけだ。
御徒町に着き、A氏と久し振りに会う。彼は新規ビジネスの話を用意していて、私も誘われた。
だが、いまは協力できる態勢にないと、婉曲に断らせていただいた。しかし今後はどうなるか分からず、様子見である。
御徒町将棋センターに入場すると、妙齢のノースリーブの女性から、ペットボトルのお茶をいただいた。彼女は将棋ペンクラブのスタッフ――幹事のようで、Akuさんより若い。つまり、将棋ペンクラブのマドンナのような雰囲気がある。彼女がどういう経緯で当会に入会したのか――。それを詮索する気はないが、世の中には不思議なことが多い。
ちなみにペットボトルのラベルは将棋仕様で、「藤井聡太」の名が躍っていた(伊藤園の「お~いお茶」ではない)。
今年の指導対局者は、及川拓馬七段、加藤結李愛女流初段、堀彩乃女流1級の3名である。
今回の参加費は2,000円だが、指導対局は別に1,000円かかる。以前は無料だったが、それゆえか指導対局のみに専念する会員もいた。そのバランスを取るために、指導料を取るのは妥当だと思う。
私は一局申し込んだので、3,000円を支払う。それでも安いと思う。
部屋の奥には、著書や色紙の数々が置かれていた。きょうは将棋会がメインだが、その賞品だ。
参加者には知った顔が覆いが、女性の数も多い。これは3年前以前からの傾向で、オッサンだらけだった以前の会とは、隔世の感がある。
地方からの参加者は少ないが、大阪から林氏が参加していた。ありがたいことだと思う。
しばらく待って、対局がついた。1局目は青年で、初見だ。振ってもらって私の先手。▲7六歩△3四歩に、迷って▲2六歩とした。
青年は角道を止め四間飛車に振り、穴熊に潜る。私は▲3六歩と急戦の意思を示したが、これはどうだったか。持久戦にし、じっくり戦うべきだったかもしれない。
私の▲2四歩に、青年は△7二飛。さすがに2筋の突き捨ては入れてくれなかった。もっと前に▲2四歩を入れるべきだった。
しかし「△7二飛」はいかにも指し馴れている感じで、マズい展開にした。
以下は青年に徐々に差を付けられ、△7三香がピッタリの香打ちである。最後は歩頭の銀打ちに投了(投了図)。

しかしいま思うと、同じ負けでも▲7八同歩△同歩成▲6五歩までは指すべきだった。
昨年の社団戦でも穴熊相手に早く投了をしてしまったが、この諦めの早さが私の悪いところである。
「▲2四歩をもっと早く入れるべきだった」
感想戦で私がボヤくと、青年は「そうですねえ」と穏やかに返す。
こうして他者を不快にさせない手合いが、いちばん手ごわい。この青年は強いと思った。
しばらく待って、指導対局がついた。私は堀女流1級に当たった。
堀女流1級はLPSA所属で、将棋ペンクラブの神保町将棋会の常勤講師でもある。私のみならず、将棋ペンクラブが応援している女流棋士のひとりだ。
私は軽口を飛ばして席についた。

初手からの指し手。▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀△6二銀▲2六歩△4二銀▲4八銀△3二金▲7八金△4四歩▲5六歩△4三銀▲2五歩△3三角▲6九玉△7四歩▲5八金△7三桂(第1図)

▲7六歩△8四歩に▲6八銀。麹町サロンin DISでの指導対辱で、相矢倉で緩めてもらったことがあるので、二匹目のドジョウを狙った。
しかし堀女流1級は14手目に△4三銀。むろん雁木で、それだとちょっと私も調子が狂う。
とりあえず▲2五歩△3三角を決め、▲6九玉と寄る。堀女流1級は右桂を跳ね、速攻の構えだ。

第1図以下の指し手。▲6六銀△6四歩▲7九角△6三銀▲7五歩△6五歩▲4六角△7二金▲7四歩△同銀▲7七銀△6三金▲2四歩△同歩▲同角△同角▲同飛△2三歩▲2八飛(第2図)

私の左では女性が四枚落ちで、銀多伝で挑んでいた。四枚落ちには四枚落ちの定跡があるが、▲4六歩~▲4五歩で上手の金銀を抑えるのは効果があるし、何より銀多伝という戦法自体が優秀である。
私は▲6六銀と出た。3月の大野教室のU戦でも指した手だが、△6四歩も△8五歩も指していない形では、こう出たくなるところである。
△6五歩には構わず▲4六角。上手のやむない△7二金に、当初は▲6五同銀の予定だった。
これに△同桂なら▲8二角成△同金▲7一飛でどうか。
しかし▲6五同銀の瞬間△4五歩があり、どうしてもうまくいかない。私は▲7四歩から▲7七銀と引き揚げたが、これでは作戦失敗である。

第2図以下の指し手。△5二玉▲1六歩△8五歩▲9六歩△9四歩▲1五歩△7五銀▲5七銀△7六歩▲8八銀△8六歩▲同歩△同銀▲8七歩△7五銀▲3六歩(第3図)

堀女流1級は△5二玉と形を整える。完全に今風の将棋だ。
私は指す手が分からなくなり、端歩を突くくらいしか思いつかない。△7五銀に▲7六歩は7筋交換の意味がないので、▲5七銀とする。
しかし△7六歩▲8八銀と凹まされ、8筋の歩を換えられた。△8六同銀▲8七歩に△7七歩成▲同桂は△7五銀のあと△7六歩が受からないので、△7七歩成には▲8六歩△7八と▲同玉で辛抱するつもりだった。
本譜はおだやかに△7五銀。私の▲3六歩に、次の手は。

(つづく)
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