一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

3月25日の大野金曜教室(中編)

2022-07-01 21:28:03 | 新・大野教室
4局目は大野八一雄七段に角落ちで教えていただく。
「久しぶりだね」
「どーも」
「この前、指していくと思ったのに。帰っちゃうんだもん」
たしか2月だったか、支部会費を払うため、教室を訪れたのだ。そのときは指していくつもりだったが、気が変わって帰ってしまった。ま、私の将棋熱は、この程度である。

初手からの指し手。△5四歩▲7六歩△6二銀▲5六歩△5三銀▲2六歩△4二玉▲2五歩△3二玉▲4八銀△8四歩▲6八銀△4二金▲3六歩△8五歩▲7七銀△3四歩(第1図)

きょうはじっくりした将棋を指したかったので、矢倉を志向した。△3二玉に、以前なら▲2四歩だが、この歩交換は権利なので、いますぐには動かない。▲4八銀とした。
ただ、△4二金に▲3六歩はどうだったか。矢倉には必須の手ではあるが、▲7七銀を急ぐべきだったかもしれない。

第1図以下の指し手。▲7九角△5二金右▲3五歩△同歩▲同角△4四歩▲6八角△4三金右▲7八金△2二銀▲2四歩△同歩▲同飛△4五歩▲2八飛△2三歩(第2図)

▲7九角が違和を感じるところである。▲3六歩を突いたから、居角で戦う手もあったかもしれない。
私は3筋の歩を角で、2筋の歩を飛で交換し、まずまず。ただ、大野七段には2筋の歩交換を逆用され、△3三桂~△2一飛とされたことがあるので、それには留意しなければならない。

第2図以下の指し手。▲3七銀△4四銀▲3六銀△3三銀上▲5八金△5五歩▲同歩△同銀▲4五銀△5六歩(第3図)

私は3筋の歩交換を継承し、▲3七銀から▲3六銀と立つ。
▲5八金では▲6九玉も有力だが、5筋を厚くしたくなった。
大野七段は5筋の歩を交換したが、私は▲4五銀と1歩を得する。これで悪いわけがないと信じたが、大野七段に黙って△5六歩と垂らされると、後の△6五桂や△4五桂が気になって、急に自信がなくなってしまった。

第3図以下の指し手。▲6六歩△5二飛▲6七金右△4四銀上▲同銀△同金▲7五歩(第4図)

私は▲6六歩とした。次に▲6七金右とし、5六歩も取る算段である。
ぐずぐずできない大野七段は△4四銀上をぶつけてきた。こんな銀は交換する一手だが、△4四同金のあと上手には、△7四歩から桂の活用がある。そこで▲7五歩と突いたが、一手パスの感は否めない。
さっきまでは角落ちのアドバンテージがあったのに、いつの間にか指しづらくなっている。この将棋も負けそうな気がしてきた。

第4図以下の指し手。△5七銀▲7九角△4六歩▲同歩△同銀成▲5八歩△3六歩▲3八歩△3三桂(第5図)

露骨な△5七銀が痛い。私は▲7九角と引くしかないが、このあたりではもう諦めムードである。
△4六歩▲同歩には△同銀上がイヤだったが、大野七段は少考で△同銀成。私は▲5八歩と受けるしかないが、△3六歩▲3八歩を利かされ、ついに△3三桂。こっちの桂が出動してきた。

第5図以下の指し手。▲4七歩△同成銀▲4八歩△4六成銀(投了図)
まで、63手で大野七段の勝ち。

ぐずぐずできない私は、何か反撃しなければならない。そこで考えたのは、2筋の歩を打ち捨て▲4六角と切り、△同銀に▲2四飛と金取りに飛び出る手である。上手が金を逃げたら▲2三銀や▲2一銀で迫るという手だ。
だがすぐにそれを決行すると、▲2四飛の瞬間、△1五角の王手飛車がある。
そこで私は▲4七歩~▲4八歩とその筋を消した。だがそのあと、▲2四歩△同歩▲4六角△同銀▲2四飛には、△3五銀(参考A図)で簡単に受かってしまうのだ。

むろんいまから軌道修正はできるが、▲4七歩で1歩損をした上、3筋~5筋に歩が立たない。とてもここから勝てるとは思えず、投げてしまった。

局後、私は大野七段に誤算を述べた。すると最後の△3五銀で、「△3五角と打ちますね」とのことだった。
第5図では▲4七歩と打たず、黙って▲4八銀が正着だったらしい。次に▲4七歩と打って仕切り直しだが、まだまだこれからの将棋だったという。
それよりも問題だったのは第3図での▲6六歩だったらしい。「ここは▲6六銀でしょう」と大野七段。以下△5二飛なら、▲5五銀△同飛▲4六銀△5二飛▲5五歩(参考B図)とする。次に▲5六銀とすれば下手勝勢だ。

感想戦では出なかったが、第3図で▲5七歩はあったと思う。A△同歩成は▲同金だし、B△4四歩は手順に▲5六銀でいい。
下手は▲4五銀と歩得したのが大きく、△5六歩にも恐れる必要はなかったのだ。

もう帰ろう、と思ったところへ、U君が来た。U君と会うのも久し振りで、私は気が進まなかったのだが、一局指すことになった。
振駒で私の先手になり、▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩。これは雁木の狙いかと思いきや、相矢倉になった。そうだ、U君は矢倉党だったのだ。
しかも、U君はガッチリ矢倉を好む。そこで私は▲6六銀(第1図)と出動した。

しかし、▲5五歩△同歩▲同銀△5四歩に、ヒョイと▲4六銀とこっち側に引いたのが悪手。こっちは右銀の定位置で、これでは右銀の立場がない。
よって私は▲5七銀と引き、新たな活躍の場を作った。

第2図以下の指し手。△7四銀▲3七桂△3五歩▲2六飛△6五銀▲同銀△同歩▲4五歩△8六歩▲同歩△同角▲4四歩△同金▲2四歩△同歩▲4五銀(第3図)

私が▲4六歩と突いたところ。後手は4筋を厚くするかと思ったが、U君は△7四銀と、筋悪く出た。
▲2六飛に、U君は△6五銀とガッチャン。私も銀交換に応じ、▲4五歩。ここでは先手十分だと思ったのだが、そうでもなかったのだろうか。
△8六歩▲同歩△同角に▲4四歩△同金はいいとして、次の▲4五銀は威勢が良すぎた。私はAIソフトを持っていないが、これは恐らく悪手だろう。
対してU君の次の手は。

(つづく)
コメント
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