固定資産税

固定資産税について、実務経験を基に具体的にわかりやすく説明。

用語(建築許可)

2010-06-12 | 固定資産税
用語
■ 建築許可
 許可とは、原則として法令などで禁止されている行為について、特定の人に対して一定の要件の下で、その原則に反して行為を認める例外措置です
 市街化調整区域内で、開発許可を受けた以外の区域において建築物を建築したり、改築したり、用途の変更を行う場合は、都市計画法の規定による都道府県知事の建築許可が必要となります。(⇒都市計画法第43条)
 通常、市街化区域内では建築確認がなされれば建築物の建築は可能ですが、市街化調整区域内では建築確認の前に建築許可が必要です。
 市街化調整区域内で建築が許可される主なものは、次のとおりです。(⇒都市計画法第34条)
  1. 日用品店舗
  2. 線引き前の地目が宅地で、現況地目が宅地内における建築物
  3. 分家住宅
  4. 大規模既存集落の自己用住宅
  5. 市街地縁辺集落の専用住宅、併用住宅(事務所、店舗併用のみ)、共同住宅
  6. 公共事業により移転する建物
  7. 既得権による自己用建築物、など

 次に、都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内で、建築物の建築する場合は、、都市計画法の規定による都道府県知事の建築許可が必要となります。(⇒都市計画法第53条第1項)
 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内で建築が許可される基準は、次のとおりです(⇒都市計画法第54条)
  1. 階数が2以下で、かつ、地階を有しないこと。
  2. 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリート造、その他これに類する構造であること。
  3. 容易に移転し、若しくは除却することができるものであること。

 また、区画整理区域内で、建築物等を建築したり、改築又は増築を行う場合は、土地区画整理法の規定による区画整理の施行者(国土交通大臣或いは都道府県知事)の建築許可が必要となります。(⇒土地区画整理法第76条第1項)
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用語(建築確認)

2010-06-11 | 固定資産税
用語
■ 建築確認
 建築確認とは、一定規模以上又は一定用途の建築物や都市計画区域内などの建築物等を建築する場合に、その建築物又は建築計画が建築基準法などの建築基準関係規定に適合しているかを着工前に予め審査する行政行為を言います。
 建築確認が必要な建築物を建築する場合は、建築確認申請を行い、建築主事による建築確認を受け、確認済証の交付を受けなければ建築することが出来ません。
 なお、建築確認制度では、建築確認申請書に不備が無ければ必ず受理され、建築計画が建築基準法に適合している場合は必ず確認されます。(⇒建築基準法第6条第4項)
 すなわち、この建築確認は、許可などとは本質的に異なります
 次に、建築確認の概要を示します。
 ・建築確認申請確認済証取得⇒工事着工⇒中間検査⇒中間検査合格証取得⇒工事完了⇒完成検査⇒完成検査証取得
 また、建築確認申請に必要な書類等は、次のとおりです。
  • 確認申請書(建築物)
  • 配置図
  • 求積図
  • 各階平面図
  • 立面図
  • 断面図
  • 矩計図
  • 壁量計算書・耐力壁バランス検討書(仕様規定の場合)或いは構造計算書(許容応力度計算)(構造計算対応の場合)
  • 基礎伏図
  • 金物選定検討書等(仕様規定の場合)
  • 各階梁伏図(構造計算対応の場合)
  • 小屋梁伏図(構造計算対応の場合)
  • 構造金物配置(構造計算対応の場合)
 申請には、正本、副本及び消防用の3部が必要となります。
 (消防用は不要の場合もあります。)

 ※確認申請の必要な建築物(⇒建築基準法第6条第1項第1号~第4号)
名称\項目 建築物の種類 規模 工事種別
一号建築物 共同住宅、病院及び百貨店などの特殊建築物 ・用途に供する部分の床面積の合計が100㎡を超えるもの 新築・増築・改築・移転
大規模な修繕
大規模な模様替
二号建築物 木造の建築物 ・3階以上のもの
・延べ面積が500㎡を超えるもの
・高さが13mを超えるもの
・軒高が9mを超えるもの

これらの内いずれか一つ以上が該当する場合。
三号建築物 木造以外の建築物 ・2階以上のもの
・延べ面積が200㎡を超えるもの

これらの内いずれか一つ以上が該当する場合。
四号建築物 上記以外の建築物 新築・増築・改築・移転
 *新築・増築・改築・移転については、防火地域及び準防火地域外において、増築、改築又は移転しようとする場合で、その部分の床面積の合計が10㎡以内のものを除く。(⇒建築基準法第6条第2項)
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用語(既存不適格建築物)

2010-06-11 | 固定資産税
用語
■ 既存不適格建築物
 既存不適格建築物とは、建築基準法などによる規制・制限が新たに施行又は改正された時に、 改正前の法令などには適合している既にある建築物や工事中の建築物が、新しい法令などに適合しなくなった建築物を言います。
 また、都市計画事業の施行などで敷地の一部が収用され、結果的に容積率を超えることになった様な場合も含まれます。
 なお、既存不適格建築物は、改正・施行前の法令などには適合していたと言う点で、建設工事の当初から法令などに適合していなかったり、違法に増改築した『違反建築物』とは区別されます。
 したがって、既存不適格建築物を直ちに現行の法令などに適合する様に改修するなどの法的な義務等はありません。
 既存不適格建築物の主な例は、次のとおりです。
  1. 新耐震基準(1981年(昭和56年))が施行される以前の建築物
  2. 耐火構造に問題のある建築物
  3. 建ぺい率、容積率及び高さの制限などを超えた建築物
  4. 用途の制限が適合しない建築物
 マンションにおける既存不適格建築物の多くは、容積率の制限を超えている場合であり、この場合、将来マンションの建替え時に同じ規模のマンションが建てられないと言う事態が発生します。
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FAQ 建ぺい率の変更に伴う土地の評価替えについて?

2010-06-10 | 固定資産税

問 建ぺい率の制限が新たに強化されました。
 これによる土地の評価替えは出来ますか?

答 建ぺい率の制限強化による土地の評価替えは出来ないものと思われます。
  これは、評価替えにおける『地目の変換その他これらに類する特別の事情』の『特別な事情』とは、その土地自体に内在する原因(例えば分合筆の結果、土地の区画、形質に変更を生じた場合)によって、土地の価格に大幅な増減をもたらした事由を指していると理解されているからです。(⇒地方税法第349条第2項)

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FAQ 社会福祉施設が建設中の土地の固定資産税は?

2010-06-10 | 固定資産税

問 賦課期日(1月1日)において、社会福祉法人等の施設が建設中である場合の土地は、地方税法第348条第2項の第10号から第10号の6に規定される固定資産税の非課税措置を受けられますか?

答 賦課期日(1月1日)において、社会福祉法人等の施設が建設中である場合の土地についは、固定資産税の非課税措置は受けられません
 すなわち、地方税法第348条第2項第10号から第10号の6に規定される固定資産税の非課税措置受ける場合は、賦課期日(1月1日)時点において、既に社会福祉事業の用に供されている必要が有ります

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FAQ 請負契約中に完成した家屋の納税義務者は?

2010-06-09 | 固定資産税

問 賦課期日(1月1日)において、請け負った家屋は既に完成していますが、請負人から注文者へその家屋の引渡しが終わっていません。
 なお、その家屋の建築材料は、請負人が提供したものですが、注文者は、棟上げ時までに全工事代金の半額以上を支払い、その後も工事の進捗分に応じて残工事代金の支払いをして来ました。
 この様な場合、納税義務者は、誰になりますか?

答 他に、請負人に所有権が留保されていることを示す特段の事情のない限り、注文者が納税義務者となります。

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FAQ 買戻し特約付不動産への課税について?

2010-06-09 | 固定資産税

問 民法第579条による『買戻し特約付売買登記』がある不動産の買主に対して、固定資産税の課税はありますか?

答 民法第579条による『買戻し特約付売買登記』がある不動産の買主に対しても、固定資産税は課税されます。
 買戻しとは、売買契約の際の売買特例に基づいて、売主が代金及び契約費用等を買主に返還することによって売買契約を解除し、売主が目的物を取り戻す行為を言います。
 一般的には、借金をする際の担保目的として利用されることが多く、債務を弁済すれば担保物件は買い戻し得ると言う特約付きで、債務者が所有する不動産を債権者に譲渡されます。
 なお、買戻しに関する民法における主な要点は次のとおりです。

  • 不動産の果実と代金の利息は相殺したものとみなされる。(⇒民法第579条)
  • 買戻しの期間の上限は、10年に制限されている。(⇒民法第580条)
  • 買戻しの期間に定めが無い場合は、5年以内とされている。(⇒民法第580条)
  • 売買契約と同時に買戻し特約の登記をしなければ第三者に対抗出来ない(⇒民法第581条)

 ※民法第579条
  不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。

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FAQ 税務会計上、償却資産として取扱われているエレベーター等について?

2010-06-08 | 固定資産税

問 家屋の付帯設備(エレベーターやリフト等)などについては、固定資産税においては、すべて家屋に含めて評価し課税することとされています。
 そこで、税務会計上、耐用年数等により、家屋とは切り離して『機械装置』等に分類し、償却資産として取り扱われている場合は、固定資産税においても償却資産となりますか?

答 固定資産税における家屋の評価に当たっては、家屋に含めて評価するものとされる建築設備として、その家屋の所有者が所有する建築設備でその家屋に取り付けられ、その家屋と構造上一体となっているものを言います。
 したがって、この場合のエレベーター等についても、この要件をみたす限り、税務会計上の取り扱いに関わらず、家屋として固定資産税の課税客体となります。

 ※地方税法第341条第4号
  償却資産 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法 又は所得税法 の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)をいう。ただし、自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除くものとする。

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FAQ 地下道に構築された売店や飲食店等の取扱いについて?

2010-06-07 | 固定資産税

問 ある施設が駅との連絡通路(延長約60m)として地下道を構築しました。
 その連絡通路自体は、その施設が所有していますが、その連絡通路の両側には入居者の自己資金により各自店舗を作り営業しています。
 この様な場合、売店や店舗は、家屋として評価すべきか、或いは償却資産として評価すべきでしょうか?
 なお、地下道は、その施設では帳簿上構築物として、売店や店舗は、入居者は帳簿上造作として処理しています。

答 地下道自体は構築物として、売店や店舗は家屋として評価すべきものと思われます。
 なお、この様な場合、地下道と共用になっている壁や天井等は構築物として取り扱うことが適当であると思われます。

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建物図面及び各階平面図

2010-06-06 | 固定資産税
■ 建物図面
 建物図面とは、一個の建物ごとに、新築或いは増築した場合に、登記をする際に添付する図面です。(⇒不動産登記規則第81条)
 建物図面には、その建物の敷地と建物の一階の位置関係、方位、縮尺、敷地の地番及びその形状などが記載されています。
 なお、建物図面は、原則として500分の1で作成されています。
 また、建物図面は、各階平面図と共に作成され、登記所に備え付けられています。
 これらの図面は、誰でも閲覧及び交付の請求が可能です。

■ 各階平面図
 各階平面図とは、各階の別、各階ごとの形状、寸法、床面積の計算方法とその結果などが記載されています。
 各階平面図は、原則として250分の1で作成作成されています。
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建物登記簿

2010-06-05 | 固定資産税
建物登記簿とは、各建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積、所有者及びその他の権利等を記載した公の記録で、登記所に備え付られている帳簿です。
建物一個ごとに、用紙1枚(論理的)に備え付けることとされています。
建物登記簿は、表題部甲区及び乙区で構成され、区分され記載されています。
  1. 表題部は、建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積、原因及びその日付と登記の日付が記録されます。
    ① 家屋番号とは、一個の建物を特定するために登記所が付ける番号です。
    ② 種類とは、住宅、事務所、店舗、共同住宅、倉庫及び寄宿舎などの様に建物の用途を言います。
    ③ 構造とは、木造、鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造などの様にいわゆる建物の材料・構造を、並びに瓦葺、スレート葺及び亜鉛メッキ鋼板葺など屋根の材料等を言います。
    ④ 床面積とは、各階ごとの水平投影面積を言います。
  2. 甲区は、建物の所有権に関する事項が記録されます。
  3. 乙区は、所有権を制限する抵当権等の権利が記録されます。
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用語(井溝)

2010-06-02 | 固定資産税
用語
■ 井溝(せいこう)
 井溝とは、地目の一つで、雨水や湧き水などを排水する通水路を言います。
 なお、この地目とは、不動産登記規則第99条で規定されており、土地の主な用途により次の様なものがあります。
  • 宅地
  • 学校用地
  • 鉄道用地
  • 塩田
  • 鉱泉地
  • 池沼
  • 山林
  • 牧場
  • 原野
  • 墓地
  • 境内地
  • 運河用地
  • 水道用地
  • 用悪水路
  • ため池
  • 井溝
  • 保安林
  • 公衆用道路
  • 公園
  • 雑種地

■ 現況地目
 現況地目とは、実際に利用されている用途によって設定された地目を言います。
 地目は、不動産登記規則第99条により規定されており、1筆ごとに地積と合わせて登記簿に記載されます。
 この登記簿に記載されている地目を、登記地目或いは台帳地目と言います。
 なお、地方税法における地目の認定は、現況及び利用状況によって行われますので、登記地目と異なることがあります。
 これは、登記簿の地目変更は、所有者自身が変更申請が必要で、申請がない場合は現況が変わっていても登記簿の地目変更はなされないからです。
 したがって、現地調査による地目の照合等が行われる場合があります。
 しかし、農地(田及び畑)については、市街化区域内農地の場合は農地転用届出が、また市街化調整区域内農地の場合は農地転用許可申請が必要となります。
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用語(青線と赤線)

2010-06-01 | 固定資産税
用語
■ 青線
 青線とは、登記所に備えられている公図に、青色の線で表示されている地番のない水路を言います。
 これらの水路は、河川法や下水道法の適用を受けず、多くは農業用水路や普通河川です。
 また、これらの水路は、土地登記簿に地番、地積及び所有者等の記載がなく、一般的に法定外公共用物として国有財産とされています。

■ 赤線
 赤線とは、登記所に備えられている公図に、赤色の線で表示されている地番のない道路を言います。
 赤線は、土地台帳に登録されていないことから、認定外道路(法定外公共用物)として国有財産とされています。
 また、赤線は、赤道や里道(りどう)などとも呼ばれ、地目は多くは公衆用道路です。

■ 法定外公共用物
 広義には、道路法や河川法などの公物管理に関する特別法の適用や準用を受けない公共用物を言いますが、一般的には広義の法定外公共用物の中で、国土交通省所管の公共用財産を指します。
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