固定資産税

固定資産税について、実務経験を基に具体的にわかりやすく説明。

非課税物件への課税誤り

2013-01-17 | 固定資産税

栃木県那須塩原市は、本来非課税とすべき栃木県那須塩原市内の協同組合、医療法人及び宗教法人などの土地や家屋の7件に、固定資産税を課税していたとして、計916万2,500円の還付を行うと発表しました。

栃木県那須塩原市に拠ると、課税誤りの原因は、税務担当者が、これらの法人などを、一般法人として取り扱っていたことに拠るとしています。
なお、栃木県那須塩原市では、栃木県矢板市など栃木県内の協同組合の家屋などへの課税誤りが明るみに出たため、調査していたとのことです。

因みに、今回の主な還付先は、医療法人が運営するグループホームの土地と居宅介護支援事業所兼地域包括支援センター分で634万7,600円(2006年度(平成18年度)から)、栃木県北部砂利採取協同組合の家屋(2棟)分で131万7,600円、箒根酪農協同組合の家屋(倉庫)分で89万9,100円となっているとのことです。

また、栃木県那須塩原市塩原で、山林及び原野が1985年(昭和60年)に、日光国立公園の第1種特別地域に指定されたため、非課税(用途非課税)となるはずが、課税されていたケースもあったとのことです。


地方税法(昭和25年7月31日・法律第226号/改正平成24年8月22日・法律第69号)

  第二節 固定資産税

   第一款 通則
 (固定資産税の非課税の範囲)
第348条 市町村は、国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区及び合併特例区に対しては、固定資産税を課することができない。
 2 固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。ただし、固定資産を有料で借り受けた者がこれを次に掲げる固定資産として使用する場合においては、当該固定資産の所有者に課することができる。
 一 国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合及び財産区が公用又は公共の用に供する固定資産
 一の二 皇室経済法第七条 に規定する皇位とともに伝わるべき由緒ある物である固定資産
 二 独立行政法人水資源機構、土地改良区、土地改良区連合及び土地開発公社が直接その本来の事業の用に供する固定資産で政令で定めるもの
 二の二 削除
 二の三 削除
 二の四 削除
 二の五 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第7条第1項に規定する鉄道事業者又は軌道法(大正10年法律第76号)第4条に規定する軌道経営者が都市計画法(昭和43年法律第100号)第5条の規定により指定された都市計画区域のうち政令で定める市街地の区域又は政令で定める公共の用に供する飛行場の区域及びその周辺の区域のうち政令で定める区域において直接鉄道事業又は軌道経営の用に供するトンネルで政令で定めるもの
 二の六 公共の危害防止のために設置された鉄道事業又は軌道経営の用に供する踏切道及び踏切保安装置
 二の七 既設の鉄道(鉄道事業法第2条第6項に規定する専用鉄道を除く。)若しくは既設の軌道と道路とを立体交差させるために新たに建設された立体交差化施設で政令で定めるもの、公共の用に供する飛行場の滑走路の延長に伴い新たに建設された立体交差化施設又は道路の改築に伴い改良された既設の立体交差化施設で政令で定めるもののうち、線路設備、電路設備その他の構築物で政令で定めるもの
 二の八 鉄道事業法第7条第1項に規定する鉄道事業者又は軌道法第4条に規定する軌道経営者が都市計画法第7条第1項の規定により定められた市街化区域内において鉄道事業又は軌道経営の用に供する地下道又は跨線道路橋で、政令で定めるもの
 三 宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地(旧宗教法人令の規定による宗教法人のこれに相当する建物、工作物及び土地を含む。)
 四 墓地
 五 公共の用に供する道路、運河用地及び水道用地
 六 公共の用に供する用悪水路、ため池、堤とう及び井溝
 七 保安林に係る土地(森林の保健機能の増進に関する特別措置法第2条第2項第2号に規定する施設の用に供する土地で政令で定めるものを除く。)
 七の二 自然公園法(昭和32年法律第161号)第20条第1項に規定する国立公園又は国定公園の特別地域のうち同法第21条第1項に規定する特別保護地区その他総務省令で定める地域内の土地で総務省令で定めるもの
 八 文化財保護法(昭和25年法律第214号)規定によつて国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史蹟、史蹟、特別名勝、名勝、特別天然記念物若しくは天然記念物として指定され、若しくは旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和8年法律第43号)第2条第2項の規定により認定された家屋又はその敷地
 八の二 文化財保護法第144条第1項に規定する重要伝統的建造物群保存地区内の家屋で政令で定めるもの
 九 学校法人又は私立学校法第64条第4項の法人(以下この号において『学校法人等』という。)がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する固定資産、学校法人等がその設置する寄宿舎で学校教育法第1条の学校又は同法第124条 の専修学校に係るものにおいて直接その用に供する固定資産及び公益社団法人若しくは公益財団法人、宗教法人又は社会福祉法人がその設置する幼稚園において直接保育の用に供する固定資産並びに公益社団法人又は公益財団法人がその設置する図書館において直接その用に供する固定資産及び公益社団法人若しくは公益財団法人又は宗教法人がその設置する博物館法第2条第1項 の博物館において直接その用に供する固定資産
 九の二 医療法第31条の公的医療機関の開設者、医療法人(政令で定めるものに限る。)、公益社団法人及び公益財団法人、一般社団法人(非営利型法人(法人税法第2条第9号の二に規定する非営利型法人をいう。以下この号において同じ。)に該当するものに限る。)及び一般財団法人(非営利型法人に該当するものに限る。)、社会福祉法人、独立行政法人労働者健康福祉機構、健康保険組合及び健康保険組合連合会並びに国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会がその設置する看護師、准看護師、歯科衛生士その他政令で定める医療関係者の養成所において直接教育の用に供する固定資産
 十 社会福祉法人(日本赤十字社を含む。次号から第10号の六までにおいて同じ。)が生活保護法第38条第1項に規定する保護施設の用に供する固定資産で政令で定めるもの
 十の二 社会福祉法人その他政令で定める者が児童福祉法第7条第1項に規定する児童福祉施設の用に供する固定資産で政令で定めるもの
 十の三 社会福祉法人その他政令で定める者が老人福祉法第5条の3に規定する老人福祉施設の用に供する固定資産で政令で定めるもの
 十の四 社会福祉法人が障害者自立支援法第5条第13項に規定する障害者支援施設の用に供する固定資産
 十の五 社会福祉法人その他政令で定める者が介護保険法第115条の46第1項に規定する包括的支援事業の用に供する固定資産
 十の六 第10号から前号までに掲げる固定資産のほか、社会福祉法人その他政令で定める者が社会福祉法第2条第1項に規定する社会福祉事業の用に供する固定資産で政令で定めるもの
 十の七 更生保護法人が更生保護事業法第2条第1項に規定する更生保護事業の用に供する固定資産で政令で定めるもの
 十一 第9号の二から第10号の六までに掲げる固定資産のほか、日本赤十字社が直接その本来の事業の用に供する固定資産で政令で定めるもの
 十一の二 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法第11条第1号又は第2号に規定する業務の用に供する固定資産で政令で定めるもの
 十一の三 農業協同組合法 、消費生活協同組合法 及び水産業協同組合法 による組合及び連合会が所有し、かつ、経営する病院及び診療所において直接その用に供する固定資産で政令で定めるもの並びに農業共済組合及び農業共済組合連合会が所有し、かつ、経営する家畜診療所において直接その用に供する固定資産
 十一の四 健康保険組合及び健康保険組合連合会、国民健康保険組合及び国民健康保険団体連合会、国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会並びに地方公務員共済組合(以下この号において『康保険組合等』という。)が所有し、かつ、経営する病院及び診療所において直接その用に供する固定資産で政令で定めるもの並びに健康保険組合等が所有し、かつ、経営する政令で定める保健施設において直接その用に供する固定資産
 十一の五 医療法第42条の2第1項に規定する社会医療法人が直接同項第4号に規定する救急医療等確保事業に係る業務(同項第5号に規定する基準に適合するものに限る。)の用に供する固定資産で政令で定めるもの
- 以下省略 -

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

登記申請書を誤廃棄

2013-01-01 | 固定資産税

山形地方法務局は、山形地方法務局管内の登記所で、登記申請書類が誤って廃棄されていた問題で、登記の申請者に誤廃棄の事実が一切伝えられていなかったと発表しました。

この事態は、民事訴訟で証拠として扱われる登記書類がなければ、民事紛争時に、申請者の不利益となる可能性があるとのことです。

山形地方法務局に拠ると、2008年(平成20年)の不動産登記規則などの一部改正により、登記申請書類の保存期間は10年から30年に変更されたのに、担当職員が内容を理解していなかったとのことです。

また、山形地方法務局は、申請者に伝えていなかったことについて『元々の保存期間であった10年は保存しており、誤廃棄の程度が小さいと判断した。』との見解の様です。

また、今回の誤廃棄の問題は、2010年(平成22年)9月から10月に、山形地方法務局が実施した内部調査で判明したが、県外の法務局でも同様の誤廃棄があったとの情報を得て実施されていた模様です。
すなわち、この山形地方法務局以外の法務局でも、登記申請書類が保存期間中に誤廃棄された可能性が出て来た様です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする