固定資産税

固定資産税について、実務経験を基に具体的にわかりやすく説明。

マンション販売戸数レポート(1)

2011-02-23 | 固定資産税

不動産経済研究所は、2010年(平成22年)の全国主要都市のマンション販売戸数を発表しました。

この報告に拠ると、前年比6.4%増の8万4,701戸と5年ぶりの増加に転じた様です。
低金利や国の住宅購入支援策に拠って、大都市を中心にマンション販売市場が持ち直しましたが、地方では以前と減少が続き回復は限定的だった様です。
また、マンション販売自体もピーク時の1994年(平成6年)の18万8,000戸に比べて、4割強の水準にとどまっています。

    △増加した地域△
  • 首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県):22.4%増
  • 近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県):9.8%増
  • 東海・中京圏(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県):8.9%増
    ▽減少した地域▽
  • 北海道:26.0%減
  • 東北圏:23.9%減
  • 関東圏:61.1%減
  • 北陸・山陰圏:3.0%減
  • 中国圏:3.4%減
  • 四国圏:36.5%減
  • 九州圏:33.0%減

一方で、マンション一戸当たりの平均販売価格は5.8%上して4,022万円と、1991年(平成3年)以来19年ぶりに4,000万円を超えました。
因みに、1991年(平成3年)2月22日(金)の日経平均株価(225種)は、25,902.81円(-121.58円)と、現在の約2.5倍です。


    □住宅購入支援策
  1. 新築住宅、特定認定優良住宅の固定資産減額措置の延長(平成24年3月31日まで)
  2. 住宅購入に関する贈与税非課税枠の拡大(平成22年:1,500万円、平成23年:1,000円)
  3. 住宅エコポイント
  4. フラット35S当初10年間金利1%減


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固定資産税と国民健康保険

2011-02-19 | 固定資産税
国民健康保険とは、国民健康保険法に基づいて、主に地方公共団体(市町村及び特別区)が運営し、被用者の健康保険や公務員等の共済組合などに加入していない国民が加入すべき健康保険制度です。
一般的には、国保(こくほ)と呼ばれ、保険者は市町村及び特別区となっており、被保険者はそれぞれの市町村又は特別区に住所を持つ住民で、被用者の健康保険等に加入していない人などとなっています。

国民健康保険事業の費用は、保険者被保険者から国民健康保険料(税)を徴収して賄われています。
この国民健康保険料(税)は、世帯単位で計算され、年齢により次の様に構成されます。   国民健康保険料の構成
40歳未満 医療分 支援分
40歳~65歳未満 医療分 支援分 介護分(2号)
65歳~75歳未満 医療分 支援分
これらが合算され、各年度の保険料となる。

また、国民健康保険料(税)の賦課総額の按分方式には、次の3方式があり、市町村に拠って異なります。   賦課総額の按分方式
四方式 所得割額 所得×所得割率 40% 1,263保険者
資産割額 固定資産税額×資産割率 10%
被保険者均等割額 被保険者数×均等割額 35%
世帯平等割額 15%
三方式 所得割額 所得×所得割率 50% 387保険者
被保険者均等割額 被保険者数×均等割額 35%
世帯平等割額 15%
二方式 所得割額 所得×所得割率 50% 51保険者
被保険者均等割額 被保険者数×均等割額 50%
このうち、賦課総額の按分方式が四方式の場合、固定資産税額が、国民健康保険料(税)の算定の一部となっています。
したがって、固定資産税額が更正された場合、国民健康保険料(税)の更正の要因となります。
ただし、地方税法の規定に拠る時効消滅は5年ですが、国民健康保険法の規定に拠る時効消滅は2年となっています。

なお、この四方式を採用している保険者数は、平成20年度現在1,263保険者となっており、全体の74.3%を占めています(『平成20年度国民健康保険事業年報』から)。

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固定資産税・課税誤りに拠る過払い

2011-02-14 | 固定資産税
和歌山県田辺市は、家屋や住宅用地の固定資産税を多く課税する誤りが46件見つかったと発表しました。

田辺市は税額を確認し、加算金を含む1,002万円を還付するとのことです。
田辺市に拠ると、還付対象者は、田辺市の旧本宮町の43人(還付予定額は計960万円)の外、旧中辺路町、旧大塔村及び旧龍神村の計3人(同41万円)とのことです。

また、田辺市の今回の課税誤りは、2010年(平成22年)6月に、旧本宮町伏拝(ふしおがみ)地区の住民の指摘で発覚し、その後の調査で、旧同町大居地区などでも同様の課税誤りが判明した模様です。
住宅用地の課税標準額には、面積に応じて3分の1から6分の1の減額特例(住宅用地の特例)があるにも関わらず、この措置の適用を見落としたと言うことです。

こうした課税誤りの理由について、田辺市は『1993年(平成5年)から1995年(平成7年)の地籍調査時、担当職員が一人しかおらず、十分な調査ができなかった』などと釈明しています。

更に田辺市では、固定資産税額が、国民健康保険税資産割の基礎となっていることから、国民健康保険税を見直すと共に、課税誤りの可能性がある他の土地についても調査を継続するとのことです。

また、旧大塔村では、家屋の評価額の設定ミスが住民の指摘で判明していました。
家屋の劣化分を考慮する『経年減点補正率』などの適用が見落とされ、1997年度(平成9年度)以降も、1996年度(平成8年度)までの評価額がそのまま課税されていたとのことです。
これらの課税誤りに対しては、加算金を含む約32万円を還付する意向です。
田辺市は、この課税誤りについては、『事務を電算化した際の入力ミス』と釈明しています。
なお、田辺市は同様の誤りを現在85件把握しており、今後も調査を続けるとしています。


※還付加算金の利率は、地方税法の規定に拠り、年7.3%となっています。

  第十節 還付

 (還付加算金)
 第17条の4 地方団体の長は、過誤納金を第17条又は第17条の2第1項から第3項までの規定により還付し、又は充当する場合には、次の各号に掲げる過誤納金の区分に従い当該各号に掲げる日の翌日から地方団体の長が還付のため支出を決定した日又は充当をした日(同日前に充当をするに適することとなつた日があるときは、その日)までの期間の日数に応じ、その金額に年7.3パーセントの割合を乗じて計算した金額(以下『還付加算金』という。)をその還付又は充当をすべき金額に加算しなければならない。
 (以下省略)

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固定資産税・建物(家屋)の評価誤りに拠る過払い

2011-02-14 | 固定資産税
北海道釧路市は、釧路市内のホテルと3階建オフィスビルの固定資産税の評価に誤りがあり、固定資産税の過払い分のうち、計約3,200万円を還付すると発表しました。

釧路市に拠ると、1993年(平成5年)に建設されたホテルについて、ホテルの構造から『鉄骨鉄筋コンクリート造』と認定していたが、2010年(平成22年)の現地調査で評価の減価率(経年減点補正率)の大きい『鉄骨造』と判明しました。
これに拠り、時効の及ばない過去5年のうち、約3,170万円を還付すると言うことです。
釧路市資産税課は、担当者が当時採用された新しい工法を『鉄骨鉄筋』と勘違いした可能性が高いと釈明しています。

また、1981年(昭和56年)に建築されたビルについて、2階と3階部分を賃貸住宅にしていたが、土地の評価を非住宅用地として課税していました。
過去5年分の還付金と、記録が残るそれ以前の分も和解金に加え、計約96万4,000円を支払うと言うことです。

なお、この還付金については、釧路市議会では2月定例会で予算を補正するとのことです。


※地方税及び還付金は、地方税法の規定に拠り、時効消滅5年となっています。

  第二款 消滅時効

 (還付金の消滅時効)
 第18条の3 地方団体の徴収金の過誤納により生ずる地方団体に対する請求権及びこの法律の規定による還付金に係る地方団体に対する請求権(以下第20条の9において『還付金に係る債権』という。)は、その請求をすることができる日から5年を経過したときは、時効により消滅する。
  2 第18条第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。

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固定資産税及び都市計画税の課税誤り

2011-02-04 | 固定資産税

宮城県多賀城市は、長年にわたり、固定資産税及び都市計画税の課税を誤っていたことが判明したと発表しました。

まず、文化財保護法による特別史跡の指定を受けた区域内における市街化区域農地について、本来、一般の農地(農地評価・農地課税)として取り扱うべきところを、地方税法に拠る特別の課税(宅地並評価・農地に準じた課税)を行ったために、固定資産税及び都市計画税が過誤納となったとのことです。

次に、中小企業等協同組合法の規定により設立された協同組合が建築し、自らが所有し、かつ、使用する事務所(一部倉庫)について、本来、非課税であるべきところを、一般的な事務所及び倉庫として課税したために固定資産税及び都市計画税が過誤納となったとのことです。

この2件の課税誤りについて、多賀城市は、平成3年(1991年)から平成22年(2010年)までの20年分の固定資産税及び都市計画税の税額を更正し、それに基づく過誤納金に対して、加算金等を付して還付するとのことです。

更に、特別の課税(宅地並評価・農地に準じた課税)された農地については、多賀城市では、固定資産税額が、国民健康保険税資産割の基礎となっていることから、国民健康保険税も見直すと共に、過誤納となった国民健康保険税について、加算金を付して還付するとのことです。


地方税法(昭和25年7月31日・法律第226号/改正平成22年12月3日・法律第65号)

  第二節 固定資産税

  第一款 通則

 (固定資産税の非課税の範囲)
 第384条 市町村は、国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区、地方開発事業団及び合併特例区に対しては、固定資産税を課することができない。
  2 固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。ただし、固定資産を有料で借り受けた者がこれを次に掲げる固定資産として使用する場合においては、当該固定資産の所有者に課することができる。
   一 国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合及び財産区が公用又は公共の用に供する固定資産
   一の2 皇室経済法第7条に規定する皇位とともに伝わるべき由緒ある物である固定資産
   二 独立行政法人水資源機構、土地改良区、土地改良区連合及び土地開発公社が直接その本来の事業の用に供する固定資産で政令で定めるもの
 (以下省略)
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