日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

笹本稜平著「還るべき場所」

2012-08-07 | 読書
久しぶりの読後感です。
7月は前代未聞の読み終えた本〇の月だった。

笹本稜平著「還るべき場所」文春文庫
笹本稜平は初めて読む作家
帯の児玉清氏の「・・ぼくは涙し、号泣した」で読む気になった。

 

カバーの絵の山岳小説・・これも初めてのジャンル。
若気の無鉄砲さで、北岳を含む「農鳥三山」を縦走し
上高地から涸沢小屋から前穂高を見て
「あんな恐そうな所には行きたくない!」と思って挫折した。

前穂高を遥かに凌ぐブロードピーク(中国とパキスタンの国堺)とK2の登山物語。

自己流で山を制覇してきた男3人と山女のグループ
K2の登山途中でパートナーの山女を亡くし
4年間自己に閉じ籠っていた山男
仲間の誘いで、商業登山の手伝いをする事になった。

商業登山は旅行社のツアーと同じように希望者を公募し
企画からガイド迄、専門の旅行社が執り行う。
登山者は多大な費用負担さえすれば、
身の回り品と技術さえあれば簡単に有名な高山の登頂が出来る。

近頃高齢とも言える女性がエベレスト登頂で話題を呼んででいた。

物語の公募隊には有名会社の社長が参加し
一筋縄では行かぬ寄せ集めの隊員と
パキスタンの登山担当者やシェルパ達
好天気と悪天候にゲリラ的な登山グループの悪事

よもや遭難か?の最終場面がハラハラさせられるが、無事突破

勇気と驚異的な体力
何一つ欠点の無い会社社長に疑問を呈したくなるが
引きこもりの山男が無事社会復帰、
山へ復帰し、有り余る回復をなした物語

山好きにはこたえられない一冊だろう
児玉清氏のように号泣迄はいたらなかったが
感動の一冊ではある。

酷暑の中熱さを忘れて読みふける事、請け負います。
コメント
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