日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

宮部みゆき著「おまえさん」

2011-09-29 | 読書
コンビニで買った文庫本
本屋さんに行かなくても手に入る本
本屋さんもうかうかはしていられない。

出たてのホヤホヤ
宮部みゆき著「おまえさん」講談社文庫



「ぼんくら」 「日暮らし」と続く
町方与力(たぶん)の井筒平四郎と周辺の人達の物語

平四郎と跡継ぎの美少年の弓之助
遠目きりっとハンサムな立ち姿だが、金壷目で台無しの新之輔

一太刀で斬り殺された身元不明の探索に当たる。
生薬屋から、町医者の生業を細かく描き
商家や武家の次男三男の処遇を書き込む

いつものやさしい目つきの宮部みゆきのお話
殺人を犯した者に対する眼差しもきつくはない。
更に踏み込んで、飼い殺し同然の病人や年寄りの処遇も描く。

・・とは言いながら、捕り物本の中身も濃い
犯罪のきっかけは身の不運から来る「猜疑心」
目先の事にとらわれない天才少年弓之助の謎解きから
十手使いの奥義を究めた新之輔
丁々発止で事件解決。

新しい魅力的な登場人物
弓之助のお兄さんの淳三郎
軽くて賑やかで打たれ強い、現代っ子
次の本(あるでしょう?)ではシッカリ働きそうだ。


章立てには目を見張る
題名の「おまえさん」が延々と上巻から下巻へなだれ込み
下巻の2/3で他の4章が成り立っている。

「おまえさん」って誰?
最後の最後で出てきます。

気張らずに楽しく江戸散歩の出来るお勧めの1冊です。
コメント
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