12月18日(木)
かれこれ20数年も前になろうか。
時間は夜の9時から11時頃と思っていただきたい。
旦那様から奥様に電話がかかってきた。
「飲み会で飲んで、自分で運転して帰れない。
だから迎えに来て欲しい」と。
奥様も昼間の仕事で疲れ、そろそろ眠ろうかという時間帯。
しかし、旦那様を放っておく訳にはいかない。
渋々ながら迎えに行くことに・・・・
自宅から旦那様の飲んでいる所までは車で2,30分。
しかも町外である。
車も人もほとんど通らない夜道を一人でずいぶん走らなければならない。
諸々の思いを胸に奥様は車を出した。
そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・
旦那様の飲んでいる場所まで行き何とか車に乗せた。
ところが・・・・・・・・・・・・・・
直行我が家に帰ると信じ切っていた奥様に向かって
「これから友達の家まで行って欲しい」と旦那様。
「道案内はするから」とも。
渋々ながらも奥様は旦那さまの言う通り車を友人宅へ向けた。
しかし、その道が狭くて畑中の道をくねくねと山手へ
上って行くんだそうな。
奥様は車も離合できないような道に神経を張りつめながら
慎重に運転していた。
すると!旦那様が「ちょっと車を止めて!」と言ったって。
旦那様の言う通り車を止めると、旦那様はやおら車を降りた。
小用でも?と思って奥様は車の中から見ていると
旦那様は道端のけっこう伸びた草を次々と引き抜き始めたそうな。
奥様には何が何だか訳が分からない。
酔っぱらいが夜中に見知らぬ集落で道端の草を引き抜くなんて。
想像するだに可笑しいが。。。。。
酔っぱらった旦那様はいたって真面目?に
次々と草を引き抜いていく。
いつまで草抜きを続けるんだろう?
それに、今、夜中だよ。
ついに奥様は我慢できなくなり車を降りて
「何してるのよっ」って問うたそうな。
すると、ご旦那様、何と答えたと思う?
「通った道が分かるように。帰る時道に迷わないように
目印に草を引き抜いておいているんだよ」って答えたんだって。
昔、何か童話にあったよね。
ままお母さんに山に捨てられた子どもが
道々、山の木の枝を手折って落としておき、その枝を辿って又家に帰ったって。。。。
「姥捨て山」の話にもあったっけ。
ある年齢になった老親は山に捨てなければならないという決まりがあって
ある息子が、年老いたお母さんを背負い山に捨てに行くんだよね。
背負われたお母さんは、自分を捨てに行く息子が帰り道迷わないようにと
道々木の枝を手折って行くんだよね。
そして、ついにお母さんを置き去りにする場所まで到着した息子に
お母さんは「折られた木の枝を頼りに道に迷わず帰るんだよ」って言うの。
息子だって、決まりだから仕方なく
お母さんを捨てに山奥まで背負っては来たけれど
本心は捨てたくなんかないんだよね。
最後まで自分のことを心配してくれるお母さんの優しさに
息子は改めて母親の愛を感じ
「決まりに背いても子の親を捨ててなるものか」と決心。
そして・・・・と話は続くんだよね。
先ほどの旦那様が、夜道の草を抜いて迷わない目印にって言うのも
奥様に対する愛情の表れ?
帰りに迷わせないために??????
旦那様の言い分を聞いた奥様、感動するどころかカチ~~~~ンと来て
「何言ってるのよ、早く車に乗って!!!」って叫んだんだって。
だって、夜中でしょ。
自分の家からずいぶんと離れた集落の
それも山に近いうらさびしい小道で・・・・・
腹立つ奥様の気持ちに誰もが同情するよね?
えっ、旦那様の行動に感服するって?
そう言う貴方は相当の飲んべえさん間違いなし!
その後のこの夫婦の行動は分からないが推して知るべし。
この夫婦の話しに出てくる旦那様と奥様、
絶対じじとばばの話じゃありませんよ。
本当ですってば、信じて下さいよぉ~~~~。
ねぇ、じじ、記憶にないよねぇ、こんな話し。
☆昼寝から目覚めたじじが、この主人公じじって疑われるよ~~って
あたふたしています。
じじの名誉のため付け加えますが、決してじじでは・・・・
「我こそ、夜中でも愛妻のため
野中の草抜きをした」!と
身と心に覚えのある方は申し出て下さい。
正解者には、徳之島の黒糖焼酎を
1年分無料でドォ~~ンと進呈して飲んでいただき
これからも夜な夜な道路の草抜きを頑張ってもらいたいと思います。
それにしても愛妻が道に迷わないように
目印に草を抜いて並べるなんて愛妻家の鏡!!表彰もんですなぁ。
奥様~~羨ましい~~~この幸せ者!