もっともっと高齢者は怒るべきです・検診の経験して
本日出かけて行ったのは本市最大の病床を持つ総合病院である。私は、年一回の定期健康診断は受けることにしている。ところが年齢を重ねるほどに、いわゆる「要検査」というマークが増えていく。これも加齢とともに現れる症状であると受容しなければならないのだが。そこで精密検査のために出かけたのであった。
私の知人の一人である。60年から70年代にかけての労働運動の活動家であった。晩年はその温厚な人柄が慕われ、高齢者コーラスの指揮などをやっておられた。その彼に病魔が襲ったのである。「肺ガン、すでに転移、手遅れ」という診断がついた。そしてあっという間に逝ってしまった。その彼は、退職後の、いわゆる「定期健康診断」を受けてこなかった。自分の健康に自信があったのか。それとも健康診断そのものがわずらわしかったのか。あるいは自らの処世を重んじたのか、それはわからない。
そこで私だが、冒頭の病院の予約日に行って驚いた。「居るは居るは高齢者の男性ばかり」、20メートルはあるだろう廊下の長椅子にぎっしりである。
ところで、インターネットを開いて見ると次のような解説が出てくる。
前立腺肥大症(BPH)とは
〇膀胱の下にある前立腺が肥大して、尿道を圧迫し、排尿障害を起こす病気です。
〇「前立腺」とは、男性のみに存在する生殖器の事で、膀胱の真下にあり、尿道を取り囲むかたちで 存在しています。通常は、クルミほどの大きさです。
〇日本の55歳以上の男性の2割、5人に1人に前立腺肥大の症状があることがわかっています。
〇よく、「クルミぐらい大きさ」と例えられます。ところが、前立腺が肥大すると、クルミ程度の大きさのも のが、卵やみかんの大きさになります。
〇60歳を過ぎると、半数以上の人が夜間頻尿と排尿障害を訴え、65歳前後で治療を開始する人がもっとも多くなります。そして80歳までには80%の人が、前立腺肥大症になると見られています。
さて、どれだけの治療が必要なのかは個人差もあり、また医師の判断もあるだろう。しかし、確実に加齢とともに現れる症状であることは間違いない。
高齢社会を語るとき、必ず「医療費・介護費」の高騰を問題にする。そしてその削減に手をつける。それが医療費、介護費の自己負担増である。「クルミ大が鶏の卵程度」になることが加齢の必然であり、そして検査・治療を必要とする。それに対し「年寄りには金がかかる」という言葉を「政治」が発するということは、政治が「長寿」を否定することにあたるだろう。
長椅子に座る高齢者の姿を見て、「あなた達は今の政治にもっともっと怒るべきです」と叫びたい想いの一日であった。
そして言いたい。「政治家の皆さん・官僚の皆さん、貴方たちは年を取らないのですか。正月を迎えないのですか」、「不老長寿の薬」でも飲んでいるのですかと。
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