まだ国民を誤魔化し続けるのか・・その2

2015-07-15 10:35:51 | 日記

まだ国民を誤魔化し続けるのか・・その2

 

  全国いたるところで「安保法制」の強行採決に反対する抗議の集会が開催されている。私の町でも、昨日(14日)の夕方、駅前で抗議の声を上げた。それでも、自・公は既定の路線を走るだろう。だが、まだ時間はある。よって粘り強く参議院の審議につなげることが大事であろう。

  さて、14日のブログに「誤魔化し続けるのか」というタイトルを用いたが、今回も「誤魔化し続けるのか・その2」としたい。

  安保法制をPRする自民党のパンフレットに、集団的自衛権で武力行使を認める際の歯止めに「新3要件」と「国会承認」をうたっている。「新三要件」が有効な歯止めにならないことはこの間の質疑で明らかになった。それは、時の為政者による判断でどうにでもなるということである。そして「国会承認」であるが、その実効性については、それを承認・不承認の判断するため、十分な情報を政府が国会に開示するかどうかにかかっている。現に安保関連法案においても、日本の存立が脅かされる事態(存立危機事態)などで自衛隊を派遣する際は、政府は国会に「事態」への「対処基本方針」を示すことになっている。しかし、中谷防衛相は、平和安全特別委員会において「事態」の認定となる根拠と事実は「特定秘密」に含まれる可能性を認めている。つまり開示ができない場合があるということだ。

  では、安全保障関連法に盛り込まれた自衛隊の海外派遣に関する「国会承認」は、戦争への歯止めとなるのか。その審議は道半ばにしてとん挫している。議論が尽くされてはいない。野党は、この間何回かそこに踏み込んだが「手の内を明かすことができない」とする政府の回答をもって審議は中断されている。

  欧米諸国では、海外派遣の政府判断に対しては議会の関与が強められている。それが政治の常識となっている。しかし、日本ではそこに特定秘密保護法が影を落とす。特定秘密保護法の名のもとに、国会の権限が骨抜きにされ「追認」に堕す懸念が現実味を帯びることは間違いない。「国会承認などの厳しい歯止めになります」などと喧伝する自民党のパンフレットは、まさにまやかしである。

  さて考えてみたい。かつて自衛隊のイラク派遣で、政府が国会に示した「基本計画」を「特定秘密保護法に当てはめる」と、派遣の地域や部隊の規模、装備(武器)などは秘密指定になることは理論上可能となる。さらに国会承認の実効性を疑問視されるもう一つの理由に、承認を判断するタイミングがある。派遣の前か、後か。事前承認であれば計画段階から妥当性が議論できる。政府が必要な情報をきちんと出さない場合には「不承認」で対抗できる場面もある。しかし、事後承認ではそれが極めて難しい。派遣後仮に国会の不承認で戻すことが可能としても、自衛隊員の帰還は事実上難しいだろう。

  そして、自衛隊の命に直接かかわる問題がある。それは「捕虜の問題」である。岸田外相は、7月1日の衆院平和安全法制特別委員会で、海外で外国軍を後方支援する自衛隊員が拘束された場合、「後方支援は武力行使に当たらない範囲で行われる。自衛隊員は紛争当事国の戦闘員ではないので、ジュネーブ条約上の『捕虜』となることはない」と述べた。となれば、拘束された隊員は「武器を持った民間人」か。自衛隊員としての「身分も命の保障」もないことになりはしないか。

  このことを見ても、今回の法案は「憲法解釈からはじまった集団的自衛権」を成文化するための「つじつま合わせ」の法案であることがますます明らかになった。

  安倍内閣は、まだ国民を誤魔化し続けるのか。