タイトルは「今や、安心して憲法改正に取り組もう」
以前にも書いたが、NHKによる「平和安保委員会」の中継放送が制限されている。よって、ネットによる中継を見ることになるが、国民の多くはこの活用はなじまない、あるいはパソコンを持っていない。
さて、この特別委員会で審議の中断が81回も繰り返されていることは余り知られてはいない。そこで委員長が速記を止める(時間を止める)ことを指示する。この間、その速記を止めた時間は述べ4時間である。まさに異常である。そこで中断に至る理由がある。与党(政府)は、同じ質問続ける野党に責任があると批判する。、しかし、中継を見る限りそれは当たらない。「事例を替えながら、同じ質問をしなければならないほど、安倍首相をはじめとする回答者は質問にまともな回答をしていない。回答をはぐらかす。その政府の姿勢にこそ問題がある。だからこそ、国民の多くが論議をされている内容がわからない、理解ができないと言っている。しかも、回答者である首相も、所管大臣もそのことを認めている。まさに不可解な国会である。
テレビ・ラジオの中継が無かった事が幸いして「ネット中継」に頼った結果、今まで見えなかったことが、見えるようになったことを報告したい。
先ず、安倍首相の中には、憲法第九条に手を付けられずに逝った祖父・岸信介の後継者を自認する姿がある。これはかなり強烈なものと受け止めて良いだろう。また「集団的自衛権の行使」の憲法解釈の強行である。「まず、はじめに集団的自衛権の行使がありき」とする論議からはじまる説明に矛盾が生まれている。それが「国の存立からはじまり、国民の生命、他に手段が無い、必要最小限・・・・」という新三要件繰り返す言動に連なる。つまり法案の柱である今般の「集団的自衛権の行使」には、安倍首相はさして重きを置いてはいないのではないかと見る。むしろその論議の過程で引用する「ホルムズ海峡の機雷封鎖による油の枯渇と経済混乱」、「北朝鮮が口にした東京火の海発言」、加えて「尖閣をめぐる中国との衝突」などの不安を国民に抱かせつつ、強引に法案を通過させる。その安倍首相の脳裏には実は「これらの不安」などは微塵もない。あるのは法案を成立させたのちの、参議院戦後を見越した憲法改正の道筋だけである。
そこで、脚本家になって書いてみた。タイトルは「今や、安心して憲法改正に取り組もう」である。
「あの時点でいろいろな不安はあったが、それを防ぐことができたのは『集団的自衛権の行使』の法制化にあった。それが『抑制力』となった。かつても野党が唱えていた、日米安保体制や自衛隊活動の強化が、そして安保法制関連法が日本を戦争に巻き込むことになっただろうか。2015年の法案審議の中での野党の主張は、まさに『政治的戦略』でしかなかったことが立証された。今や『第九条の改定』は急務であり、自国を守る『国防軍』の規定は必要である。一国のみで安全を守る時代ではない。それこそ『真の意味』の集団的自衛権の行使を宣言しなければならない。そして安心して憲法改正に手をつけよう」。ここで幕が下る。
その安倍首相は長期政権を目指しているだろうが、自民党は総裁の連続3選は認めていない。となればやはり参議院選後を見据える。だからこそ我武者羅に参議院選圧勝を目指してくるだろう。
7月6日の毎日新聞世論調査では、安倍内閣の不支持率が支持率を上回った。しかし、自民党支持率は今なお高位にある。ここをくずす運動がなければならない。再び「全国50万人集会」の実現を目指そうと訴える。