「 安保法制」の衆議院審議、最後まで誤魔化し続けるのか

2015-07-14 14:03:08 | 日記

「 安保法制」の院審議、最後まで誤魔化し続けるのか

 

  政府・与党は16日か17日の衆院本会議で採決し参院に送付する構え。野党側は採決の強行に強く反対しており与野党の攻防はヤマ場を迎えている。

  安倍首相は盛んに「私も丁寧に説明してきて理解は進んできたと思う。各議員の協力でさらに理解を得られるようにしていきたい」と述べている。この件は7月11日ブログ『あるところに、すがさん、あそさんがおりました』にも書いたが、自民党内の情報機関であるネットにおける『たとえ話』も含まれているようだが「自分よがり」としか言いようがない。

  また谷垣幹事長も、記者会見で「もう論点は出尽くしている。賛成と反対の視点が固まっていれば同じ事の繰り返しになる」と語り、採決の環境は整ったとの認識を強調。15日中に採決するかと問われ「そろそろ、そういう日程かなと思う」と答えたと報じられている。しかも、衆院での審議時間は政府・与党が想定していた80時間を上回り、110時間を超えたことを、ことさらに強調しているが、菅官房長の言葉を借りたい。「数より中身が重要」であると。

  13日の「平和安全特別委員会」における審議である。前半は公聴会があり与野党推薦の公述人が出席した。2名が法案賛成、3名が反対、あるいは違憲を表明している。そして後半の審議において久しぶりに横路孝弘議員の姿を見る。46分の持ち時間の中で、10回もの審議の中断がある。横路議員の鋭い追求と、外務・防衛大臣の不十分、不誠実な回答によるものであり「護憲の重鎮」の存在をあらためて受け止めた。

  さて、本日も審議の対象となった、日本海公海の「米艦」が攻撃された場合の日本のあり方である。この件については、当初は「避難をする邦人を乗せた米艦への攻撃」という事例から始まった。そして後半の審議では「米艦への攻撃」と拡大されていった経過がある。さらに、攻撃国の意図・規模・背景などを認定、判断する中で、攻撃の発進基地への先制攻撃もあり得るとまで集団的自衛権の行使が拡大させてきている。

  そこで安倍首相に極めて率直な質問をしてみたい。

 ◆日本近海(公海)を巡航している米艦は日本海だけではない。東アジア海域一帯である。これをすべて同一視するのか。

 ◆情報収集をしているイージス艦が日本海上でミサイルの発射をキャッチした場合、そのミサイルの到達地点は日本国内なのか、米本土なのか。米本土であれば日本は攻撃を受けていないわけだ。それでも日本は米艦の防護、そのための武力行使をするのか。

 ◆米艦が攻撃を受けるとはどのような状況を示すのか。攻撃を受けるだけの理由がある。その理由は。

 ◆仮に北朝鮮とする。挑発、脅しなどは今の北朝鮮は日常茶飯である。もしもそれが実行を伴うとしても、米軍が駐留している韓国を飛び越えることはない。韓・日・米同時攻撃であろう。

 ◆安倍首相は「東京火の海」などの言葉を用いる。東京を火の海にして、ソウル・ニューヨークが無傷などはあり得ない。全面戦争である。今の世界情勢の中であり得るのか。

  「すがさん・あそさん」の譬えで誤魔化すのではなく、「戦争のできる国にしたい」とはっきりと述べられたら良い。そのために憲法第九条を替える。その一里塚が「安保法制関連法」であるとはっきりとさせて国民に信を問うべきである。