何歳に見える・・・魔力は恐ろしい
テレビのコマーシャルである。
正確な統計はわからないが、視覚的な受け止めからすれば、コマーシャル上位3は「減量食品・化粧品・そして医薬品」ではないか思う。
限定特別セールと称して「いますぐお電話を」とのワンフレーズが流れる。この一言が効く。
よくよく考えてみよう。一粒の小玉に、00が00個凝縮しているなどがあり得るのだろうか。どのような加工をするのかと疑問を持って良いはずなのだが、効果を現す映像とワンフレーズが、その疑問のすべてを吹き飛ばしてしまうのかも知れない。
そこで思い出す一つの事例がある。
プロ野球「楽天の日本一」セールである。
楽天が運営するインターネット仮想商店街「楽天市場」で、その記念セールが11月3日夜から7日未明まで行われた。優勝パレードも含め、仙台市内は21万人の観衆で賑わったと報じている。
星野監督の背番号は77。それにちなんで「77パーセント引き」の目玉商品が並んだ。ところが一部店舗の「異常価格」に気づいたネット利用者がツイッターなどで騒ぎ出した。
それが翌日の新聞の記事となった。
たとえばシュークリームである。10個の通常価格が1万2000円と表示し、セール価格2600円で販売。別の店では米アップル製のアイフォーンSの通常価格と表示して、あたかも割引販売であるかの印象を与えたという。わかっただけでも20店舗、1.000点の商品と報じられていた。
楽しい、そして目出度い優勝祝いに水をさしたことになった。さぞや仙台市民も怒ったであろう。
店舗に3万円のコートと8.000円のコートが並んで展示されている。そして3万円のコートに値引き価格15.000円の値札がついている。客は「これは安い」となる。最初から15.000円の値札がついていたら客の心はさして動かない。品物を吟味するのが先になる。
魔力に惑わされない。
心理が、行動を左右するのは投資も同じである。そして一国の主である首相が「買い」を宣言する。
今や、円安・株高の情報が乱れ飛ぶ。マスコミも「にこにこ顔」の映像を流す。しかも、普通の主婦や年金者をターゲットに。群集心理の動員である。
かつての6月12日のブログに「働いてとった金で生活を」。9月28日に「美味しいものが、美味しいものであり続けたためしがない」と書いた。
今年は、株式場も波乱含みになるだろう。「上がった時の株が、さらに上がる保証はない」。むしろ下がるとみるのが常識である。証券会社と一部のプロの売買利益確保の「餌食」になるだけである。
魔力は恐ろしい。