僅か1日の超スピード決裁、一万発銃弾。何を意味する

2014-01-11 11:37:05 | 日記

  僅か1日の超スピード決裁、一万発銃弾。何を意味する

 

南スーダンに派遣されている韓国軍に、実弾1万発が現地自衛隊から提供されたことが報道された。

これをめぐり、韓国政府の見解。また国連の説明。そして日本政府の説明のすべてが、合致せず、曖昧であったことは誰もが感じたことであろう。

私のブログ12月26日に、「安倍首相の靖国参拝・あってはならないが銃の筒先が自衛隊に向けられたら・・・・」でも述べたことであるが、この1万発が「この国の姿を変えることにならないか」ということであった。幸いにして、韓国軍によって使われることなく返却されたという、今朝のニュースを聞きほっとしているところである。

さて、話は前に戻る。

提供された事実の説明は曖昧である。わからない。しかし、現地自衛隊の武器庫から、実弾が引き出され、渡されたことは事実である。しかも、「日本の国是でもある「武器輸出三原則」に違反するものか、否かの論議はすべて省略された。緊急事態であり、例外中の例外であるという見解は当たらない。

かつて、小泉政権時の自衛隊イラク派遣にあたっては、現地における自衛隊の武器使用について、やかましい論議がされている。たとえば、「PKO派遣の他国隊が、攻撃を受けた場合、近くにいる自衛隊はこれを支援するために反撃の武力参加をしてよいか。また、直接相手からの武力攻撃をされた場合、武器を使用してよいか」などなどの論議であった。

つまり「専守防衛」の原則の上にたった真剣な論議である。

「自衛隊」とはいえ武装集団である。その日本が国連の加盟国として、PKO派遣を是認するとするなら、なおのことこの論議は、国政の、そして国民の貴重な財産として、今なお大事にしなければならないものであろう。

しかし、今回の1万発の実弾の提供は、括弧つきのものであれ、政府は要請を受けてから提供まで、僅か1日足らずのものであったこと、言い換えれば、その反応の速さと、実現に向けた過程は、今までにはなかったものとして重視しなければならない。

23日は祝日であった。現地韓国軍を支援するためと称して、安倍首相は休みを返上、菅官房長官、岸田外相、小野寺防衛相。いわゆる12月4日に新設された「国家安全保障会議」(日本版NSC)の初会合において決定されたと報じられている。

銃弾と言えども武器である。武器輸出の原則にも、そしてPKO協力法にも触れるものである。

閣僚会議はもちろん、休会中国会審議があって当然のものではなかろうか。

そして、どうしても触れなければならないものに、現地自衛隊上層部に、「安倍内閣であれば、当然OKのサイン」が出るだろうという、政治の流れの変化を意識したものがあるとすれば、そのことが恐ろしい。軍部の「一人歩き」の危うさを感じるのは私だけであろうか。

「国家安全保障会議の設立」は、特定秘密保護法の匹敵する重要法案と指摘していた。だがすんなりと通ってしまった。その結果を、今回の「実弾提供」に早くも出たと見るのだが、どうだろう。