気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

香雪美術館で博多文琳に

2015-10-15 16:00:40 | 美術館・博物館
”残り二週間しかないけれど、香雪美術館はどうですか”
と友達からお話が、
桂籠』でふれさせておりましたが、
機会があればと・・・
思いが通じたのか、有難くいただきました。

阪神御影の駅から10分程テクテクと住宅街を
弓弦羽神社の横に出ました。

奥には震災でお亡くなりになられたお名前も
参道 神社
住宅街に突然、石垣の塀が続く小道に突き当り、
塀の向こうには林が。          

なんとも瀟洒な、品のある小道に案内板がそっと

えっー、ここが入り口

数段の階段を登ると美術館へ誘われました。
(震災で、建物も塀の石垣も新たに、道理で)
 
『筑前黒田家が伝えた名宝~福岡市美術館のコレクション』
昨年の大河ドラマ『軍師 官兵衛』の黒田如水像と
唐物大海茶入れ「横雲」が迎えてくれました。
「横雲」は思ったより大振りですが、景色がなんとも。
本来、大名道具や中国書画もあり、盛り沢山ですが、
「塩竃松島図屏風」8曲1双が部屋の片面一面に。
部屋の暗さに負けない、海の色の鮮やかさとともに、
描かれた人の数が1900人、詳細に描かれていました。

圧倒されながら二階の茶道具に、なんといっても、
「博多文琳」ですね。りんご?(はじめの写真)
仕覆が2袋 牙蓋が5枚添っておりました。
「日本の半分となら交換しましょう」と
秀吉に返答した由、
当時の茶道具に掛ける価値観が半端ではないですね。
古瀬戸肩付茶入銘「夏山」
瀬戸後窯茶入 銘「道味」形の面白さに○ 
薩摩肩付茶入 銘「九重」薩摩焼の重々しさ
瀬戸肩付茶入 銘「辰市」ほれぼれとさせますよ。
なんと柿本人麻呂の歌から銘がとられております。
「なきなのみ たつのいちとは さわけとも
       いさまたひとを うるよしもなし」

狩野探幽の獺(カワウソ)図も是非見てください。
繊細に描かれた毛並みに反して、
背景は簡素に描かれるその差に驚きますよ!

満足感とともに、辞して中庭に、
 
秋を求めて
   
珍しい「老鴉柿」が二種類、実をつけておりました。
雌雄の木がないと、実をつけないとも言われており、
捜しましたが、なくても良いそうです?
 
このロウヤガキは、熟すと、真っ黒になり、
鴉(カラス)のようだというので
この文字が当てられたそうです。

奈良から90分も掛けて寄せていただきましたが、
それに見合う良い美術館でした。
次回は、「桂籠」を是非。