気軽に茶道をしてます。

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”本当の仕事とは”宮大工の教え

2015-10-30 10:37:11 | 散策
薬師寺東塔の解体修理は平成21年からはじまりましたが、
こんなにも、痛んでいたのです。

現在の芯柱は覆屋内の南側にそのまま移動されています。

平成31年春に、修理完了予定ですが、
宮大工さんなしでは、この修理再生は完了できません。

今回、宮大工、石井ひろしさんから直接、お話を伺いました。
約2メートルの台湾ヒノキ、樹齢千年の前にして、
どのようにしてまるくするかご存知ですか?との問い
8角形⇒16角形⇒32角形⇒64・・・
最後にやり鉋で、手仕事ですから鉋跡が残るのですよ。
宮大工仕事の一例として、ほぞの穴の大きさを挙げられ、
木工大工では継ぎ手よりやや小さくして、押し込みますが、
時間がたつと、湿度等により割れが生じます。
寺社建築では、3ミリ程度大きくしてあり、
木はお互いが自然に膨張してピッタリになり、
割れもせず、道理で何百年も絶えれるわけで、
良く考えられております。納得!

なお石井宮大工さんは、
法隆寺で有名な最後の宮大工、
西岡常一棟梁最後の弟子で、
わからないことを聞くと、常に言われたのは
”法隆寺のどこそこを観なさい”という言葉のみで、
次にお聞きしても、”法隆寺の・・・”
週に2回ほども通われていたそうです。
宮大工の世界も=見て覚えよ、盗みなさい=式の御指導
生前いただいた最後の言葉は
本当の仕事をしなさい
亡くなられて20年たちますが、
今でも”本当の仕事とは”を問いながら
仕事をされておられるそうで、
茶道にも通じるところがありますね。

次世代の宮大工さんが仕事をされておられます。

  
故西岡棟梁最後のお仕事は薬師寺玄奘三蔵院で
玄奘三蔵院の額「不東」が掲げられております。
「志を遂げるまで唐には帰らない」という自らの誓い。
そして西岡家の床の間にも「不東」と書かれた軸が、
・・・・・・
今も掛けられているそうです。