気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

桂籠をお床に

2015-10-01 20:37:18 | しつらえ
“籠花入”は風炉の時期の花入れとして、定番ですが、
名品や古作は、季節を問わず使われます。

薄、萩、吾亦紅、水引、紫式部を、竹組籠花入れ
『桂籠(かつらかご)』にて活けてみました。
ススキに吹く風の如く、さわやかな趣が醸しております。
 
『桂籠』の特徴として、
全体的に丸みを帯びており、
丸い底には四つの角のような足が立ち、
胴が一段と大きく張っております。
口も窄んだ形で、蛇腹に縁巻されており、
胴の上半分は少し隙間をあけて編まれ、
下半分を詰めて編むことにより、
上下の網目模様が逆になっております。

本歌、銘:桂川(茶道大辞典より)
本歌の『桂籠』が、名品と言われる訳として
利休居士が、京都の桂川のほとりで漁夫の腰のビクを
気に入り、譲ってもらわれ、持ち帰ると、
早速花入れ仕立て、活けられたそうです。
その後、子の少庵から孫の宗旦に渡り、
次に宗旦に師事した山田宗徧に伝えられ、
銘「桂川」として箱書きや添え書きをされております。
また吉良上野介邸での赤穂義士討ち入り当日の茶会に、
茶室に『桂籠』が用いられており、
義士の方が、『桂籠』を首の代わりに白絹につつみ、
槍の先につけたと言われ、疵も残っているそうです。

この討ち入りの当日の茶会は冬、これだけでも
『桂川』は名品とされていたことが良くわかりますが、
赤穂義士の件により“名品桂籠”の名を不動のものに。
現在は、神戸の香雪美術館で出会えます。