細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

再会   重松清

2010-11-20 15:55:12 | 読書メモ さ行
《内容》
頑張っていない人なんて、誰もいない。でも、どうにもならないことはある――。子供の頃、勇気はみんなから称えられ、努力は必ず報われた。だけど、大人になった今は? 初恋の少女、好きだったマンガの登場人物、いつも笑わせてくれた酔っ払いのおじさん……なつかしい人との再会は、あの頃の自分と出会うこと。こんなはずじゃなかった日々を必死で生きる人たちだけが手にする、ささやかな希望を描く感動作。
             (紹介文より)

☆☆☆☆☆
―――後悔や、心残りや、言いそびれたままになってしまったことは、たくさんある。どれでもそういうのがなにもないというのも、おじさんらしくないかな、という気もする。割り算の答えの「余り」のように、どうにも収めようのないものが胸にいくつも残ってしまう。それが生きるということだ、と割り切ろうとするそばから、苦い半端なものが胸に溜まる。

―――子どもの頃は、たくさんの約束をしていた。守れた約束よりも守れなかった約束のほうが多かった。

―――僕はいまでも、ほんとうは、あの頃の自分が嫌いではないのだ。なつかしくて、いとおしくて、痛々しさに目をそらしながら、ずっと好きでいたいのだ。

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