朝“モコおはよう!”って戸を開けると、ぴょんぴょん飛び跳ねて足元に寄ってくる。
人間のようなわかり易い表情はないけど、きっとにこにこ笑っている、
“よ~いどん!”
いつものようにいつもの道を走る。
秋蒔きの麦がちょっとだけ伸び、青く染まった畑を左右に、真っ直ぐ伸びる300mほどの農道を最近走っているんだ。
まあ~走るというよりは歩いてはいないよって感じかな。
60を過ぎてから変に健康を気にしている自分がいるんだ。
車移動ばかりだし、運動も特にやっていないから、何かやんなくちゃって思っちゃんだ。
歩くより走ったほうが効き目があるかな~って・・
でも効き目というより、以前は出来なかった事が出来た事がいいんだなあ~
もうダメだ~
って止めちゃうのは簡単。
すぐ出来ちゃう。
あそこまで行ったらもう止めよう。
そこに着いて、まだ行けそう。
またそこに着いて、まだいける。
あれ?着いちゃった。
メロンの時もそうだった。
30度を超える暑~い80mのトンネルハウスの中で、四つんばいになりながら作業をしていく。
もう少し、もう少し、もう少し
そんな時、自然に口から出るのはザードの「負けないで」。
♪負けないで、ほらそこに♪
♪ゴールは近づいている♪
頑張らなくちゃって感じじゃないんだ。
伸びたメロンのつるをきれいにして風通しよくしてあげる。
風通しよくなったメロンは風を感じ、陽射しを感じ、またすくすくと成長する。
それを見るのが楽しいんだなあ~
職場も家庭も風通しがいいと気分がいい。
だから今まで走るのを途中で止めちゃった自分じゃない自分に、“やったね!イエ~!”っていい気分なんだ。
でも、
だからって、“毎日走んなくちゃ”なんて思っていない。
ゆっくり歩くこともいい気分だから。
薪ストーブの揺れる炎を見ながら過ごしている今もいい気分。
足元が寒いからと薪ストーブの部屋に炬燵を置いたら、
炬燵の中では風太が、ストーブの前ではおと~さんが、座布団の上ではさくらがすやすやすやすやお休みタイム。
そんなみんなを眺める私。
あ~いい気分。