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素直「素直な心は学びを加速する

2017-12-09 | ポジティブ心理学
素直「素直な心は学びを加速する」

●教えると反発する
 なかなかよくできるですが、あれこれと教えると、なにかと反発したり、文句を言い立てる学生がいます。教える側からすると、ストレスフルです。できれば、もうちょっと素直になってくれれば、もっと伸びることができるのになーとの思いがあります。
 素直でない/素直であることは、性格特性の一つでもありますから、根本から治すのは無理がありますが、それでも、素直であることが自分にとってメリットがあることがわかれば、学びの態度として身につけることができるのではないかと思い、ここに取り上げてみました。
こんなコメントをメンタルトレーナー高畑好秀ブログで見つけました。
「素直さはいつまでも持っていたいですよね。人は素直さを忘れてはいけないと思いますね。大人になってくると少しずつ減ってきているような気がします。これからも自分の心に素直さを持っていたいです。」

●素直な心と批判精神
 若者なら、批判精神は、その人の成熟した心づくりのためだけでなく、民主的な社会を維持するためにも、極めて大切にしなければならないものの一つです。言われたことをまるごと素直に受け止めてばかりでは、人も社会も進歩がありません。
 それでも、学びにおいて、素直さは、学びの効率を高めます。
 「なぜ、ため口はいけなのですか」「なぜ、そこでお礼をいわなくてはいけな
いのですか」「そこまでする必要があるのですか」「なぜ、そんなことまで知ら
ないといけないのですか」などなどと反発していては、どうにもなりません。
素直な学びの心が必要とされます。
 反発ばかり、批判ばかりしていると、教える側も、面倒になって、勝手にし
たら、となってしまいます。そして、はれものにさわるがごとく扱われること
になってしまいます。対人関係も悪くなってしまうかもしれません。これでは
元も子もありません。

●素直な心は子どもの心
 ここでイメージする素直さは、子どもの素直さです。
 子どもは大人言うことをおおむね素直に聞きます。しかし、時には、それを受け付けない頑固さもあります。年齢、TPOに応じて、概ね、素直7、反発3くらいを使い分けながら、成長していきます。
 ここでも、ちょうど、こんなイメージでの素直さのすすめをしてみたいのです。

● 素直な学びができるようにするコツ
① 学びはじめは徹底して素直に
新入社員研修や入学直後のオリエンテーションでは、誰しもが素直に講師の話を聞きます。聞かないとついていけないという不安がそうさせているところもありますが、ともかく新しい知識ばかりですから、なにがなんでも頭に取り込んでおかないと、後々困るからです。
何が何やらわけがわからない段階での知識の取り込みは、なかなか大変です。箪笥がないのに、たくさんの衣類を買って部屋中に散らかってしまうような状態です。でもこの段階を経ないと、知識の箪笥のどこに何をいれたらよいか、見当がつきません。
提供された知識を素直に、ともかく、取り込むことが、先決です。

②批判は、しばらくは自分の中に閉じ込めておく
 では、いつ頃から批判的学びをすればよいのでしょうか。
 一つの目安は、自分から学びたいという気持ち、あるいは、知的好奇心が発生した頃だと思います。
 この段階にくると、「もっと知りたい」「どうして?」というポジティブな頭の働きとともに、あれこれ、批判的なところにも目がいくようになります。これが健全で力強い学びになります。
 しかし、ここでも、批判的な態度や言動は、まだ慎んだほうが無難です。
批判したいことのなかに、まずは自らが学ぶべき貴重なものがあるからです。安易に批判を外にだしてしまうと、余計な気づかいをしないといけなくなります。そして、それが学びの妨害になってしまう恐れがあります。
批判をばねにさらなる学びへと突き進んでほしいところです。

③ 教えてもらえたことに感謝の心を示す
 何事であれ、教えてもらえることは助かります。助けてもらったら感謝するのが当たり前です。
 素直に学び、素直に感謝する。
 これが、自分も周りも元気にすることにつながりますし、次の学びをより芳醇なものにします。

節操「自分を抑える」

●自分を抑える
 元気はつらつとは正反対のイメージが、節操にはあります。
 元気はつらつには、心全開、外に向けての自己表現のイメージがあるのに対して、節操には、心閉鎖、内にこもるイメージがあります・
 したがって、心元気のキーワードとしては、節操はふさわしくないようにみえますが、しかし、心を自らの意思でコントロール(抑制)できているという感触は、真正の元気へとつながります。
 また、欲求の開放、表現は、日本のような豊かな社会では、よしとされます。さらに、心の健康という点でも、欲求の抑制は好ましいものとはされていません。しかし、欲求の野放図な開放、表現は、猛々しさ、けばけばしさ、殺伐さに満ちた都会的な趣があります。
だからこそ、抑えた美しさ、気品のある節操が大事になるのです。
 
●節操の心理学
 節操には、気持ちの領域でのそれと、認知面でのそれとがあります。
 気持ちの面での節操とは、欲求の抑制です。内面的には、感情的な安定ですが、外面的には、喜怒哀楽をあからさまにしない、どちらかというと強面(こわもて)ですね。
 認知面での節操とは、内面的にはぶれない信念があり、外面的には、振る舞いの一貫性と落ち着きです。
 いずれも、それがあたかも性格の安定した特性であるかのごとく周りからは見られますが、本人からすれば、かなり意図的な努力によって節操を保つというところがあります。

●心を元気にする節操の活用のコツ
①自分をコントロールできている感触を得る工夫をする
 尊敬する先輩。酒席ではビールは二杯までと決めています。健康上の理由からでないようです。そして、かたくなに守っています。私も酒については、それなりに決めていますが、成り行きで酒乱なんてこともしばしば。反省の日々です。
 どこかで、何かで、自分で自分を意識的にコントロールできるものを用意しておくのが節操ある生き方をするためには絶対に必要です。それが積み重なって、いたるところ節操ある振る舞いができることになるからです。

②すべてにわたり節操は、しかし、きつい
 とは言っても、生活すべてにわたり節操も大変です。
ストレスも溜まってしまいます。息が抜けるところが必要です。
密かにでもいいですし、周りにもあからさまに見せてもいいですから、どこかで限定的に節操なき振舞いもしたほうが、精神衛生の上ではよいと思います。
「節操は無い方がいいですよ。節操を持ってるとね、心が自由にならないからね。」(タモリ)
にも一理ありです。
また、節操過剰も周りから煙たがられることもあります。節操の発揮にも節操が必要ということですね。

③節操のみえる化をする
 自分自身の心の元気のための節操ではありますが、それを支えてくれるのは、周りです。周りからの好意的なあなたへの評価が節操を維持するのに必要です。 
 そのためには、節操を周りに見えることです。
 外見で言うなら、胸をはって、姿勢を正す、泰然自若、端正な落ちつき、動ぜず、堂々たる風情といったところでしょうか。
そして、ぶれない考え、寡黙さ、気持ちの平静さを保つことです。

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