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時間「心が元気なときは時間を忘れる」

2021-06-08 | ポジティブ心理学
時間「心が元気なときは時間を忘れる」

●時間の心理学
 時間の不思議にとわれてしまう人、研究者も含めて、いわば時間マニア、時間おたくとも言うべき人々がいます。
哲学者カント、物理学者アインシュタインも時間と空間を最重要課題としました。
あるタイプの発達障害者には、カレンダー丸暗記している人がいます。
何百万もする腕時計をして喜んでいる?人もいます。
時間に魅せられた心理学者もたくさんいますし、「時間の心理学」という本もあります。
まさに、「時間、その不可思議なもの」です。
時間の森に迷い込むのが本稿の趣旨ではありません。時間と心の元気について、少し考えてみたいのですが、それでも、時間についてのこうした背景は頭においておく必要はあります。

●時間と心の元気
 ポジティブ心理学のおもしろいテーマの一つに、フロー体験というのがあります。熱中体験、没頭体験です。時間を忘れて何かに熱中してしまう、没頭してしまうような体験。誰にも、それなりにあるはずです。
 大好きなことをしているとき
 仕事が波にのっているとき
 使命感に駆られて何かをしているとき
 いかがでしょうか。四六時中、こんな状態は無理だとは思いますが、誰にも一日に一度くらいは、こんな体験があるのではないでしょうか。
 もっとも、TVドラマに熱中して時間を忘れるというようなのはなしです。自分から積極的に何かをしていてそれと自分とが一体になっている状態での時間意識の消失です。
 自分の場合は、書き物をしているようなときと、テニスに興じているようなときに、こんな状態になることがあります。
 あれ!もうこんな時間か!となります。
 そして、そんなときは、自分でもびっくりするくらいスムーズに原稿がかけて、テニス絶好調です。
 そして、そんなときは、頭を働かせているとか、気持ちがよいとか、からだがうまく動いているとかいった意識はまったくありません。

●心を元気にするための時間との関わり方のコツ
 フロー体験ができるようになることが一番なのですが、それについては、「熱中」の項ですでに提案していますので、ここでは、時間だけに限定していくつかコツを書いてみます。
①時間から自由になる/なれる環境を設計する
 約束時間を守れないのは人間として失格、という日本の仕事文化ですから、時間から離れるのは難しいことはわかります。
今自分がみている画面の左上には時計が常時表示されているのも、画面を設計したエンジニアからすると顧客サービスの一つとの思いがあるはずです。
 でも、その時計がなにかと気になります。時計が、仕事そのものよりも仕事の管理のほうに頭を使わせることになります。熱中、没頭とはほど遠い状態で仕事をすることになります。
 フロー体験での仕事のためには、時間から自由になれることがまずは大事になります。そのための環境づくりの一つとして、時計をみないでもすむような環境を作ることが必要です。あるいは、そんな環境に身をおくような時間帯や一日があってもよいと思います。

②時間意識をルーズに
 社会生活をしている限り時間から逃れることはできませんが、それでも、心の世界でなら、時間フリー、つまり、心のままに過ごすことはある程度は可能です。たとえば、
・休日などは時間フリーに過ごす
・予定なしの日をできるだけ多くする
 そして、相手の時間のルーズさを許すのも、自分の時間意識をルーズにすることになります。
 時間を意識すればするほど人生窮屈になります。

③時間決めではなく分量決めで仕事をする
 スケジュールには時間はつきものですが、できるだけ、その時間はおおまかにしておいて、日々の仕事をするときには、今日は、ここまでやる、これが終わったら次を、というように分量スケジュールでやると、時間から少し自由になれます。時間に頭を使うエネルギーを仕事のほうに向けることができます。
④締め切りをうまく使う
 やや逆説的になりますが、締め切りを意識することも、時間から自由になって仕事に没頭できる一つの方策です。
 意識の仕方には、両極端があります。
 一つは、自分はこちらのほうですし、また、仕事への没頭という点では、あまり好ましくないほうから。
 締め切りを守ることが絶対、そのために、いついつまでに何をどこまで、という工程表を設定してそれに従って仕事をすすめるやり方です。これだと、熱中や没頭にはほどとおいことになります。常時、時間を意識しながら仕事をすることになります。手堅いので、世の中の信用を得る仕事にはかかせませんが、これだけではさびしいですね。
 時間の意識の仕方のもう一方の極端は、締め切りだけを意識してそれが迫ってききて自分が追い込まれるまでじっくり?待つというものです。
 いわゆる締め切り効果をねらうものです。ここでの没頭ぶりについては、皆さんの周りにも語り草になっているなっている人がいるのではないでしょうか。
ただ、性格的なものもありますので、無理にはすすめません。さらに、締め切りを守れない、あるいは、仕事が未完成、中途半端となってしまうリスクがありますから。
たとえば、大学での卒論などでは、こんな人がいました。
・徹夜で仕上げたものの、寝過ごして、提出時間を過ぎたしまった人
・完成のあまりのうれしさに、保存するのを忘れて全部パーになってしまった人
・印刷する時間がなく、フロッピーを提出しようとした人




 



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