心の風景 認知的体験

癌闘病記
認知的体験
わかりやすい表現
ヒューマンエラー、安全
ポジティブマインド
大学教育
老人心理

心的イメージ(mental imagery>」学生が解説すると

2019-10-04 | 心理学辞典

心的イメージ(mental imagery>
 日常会話でよくこころに思い描く、頭の中で思い描くなどと言われるイメージは知覚体験とよく似た体験ですが、イメージは知覚のための適当な刺激がないときに起こります。
 例として実際にイメージを体験してみましょう。2本の平行に並んだ線分を思い描いてください。その2本の線分は垂直方向に向いています。次に、2本の線分のうち左の線分の上端と右の線分の下端を線で結んでください。今、あなたの頭の中に特定のアルファベットの大文字が描かれていると思います。これが、イメージです。あなたは‘N’という視覚刺激を受け取っていないにもかかわらず、頭の中に‘N’を思い浮かべました。
 私たちはイメージを過去に実際にあった知覚体験の再現であるように感じたり、望ましいもしくは恐怖となるような未来の体験を予期するようなものと感じたりします。したがって、イメージは記憶と動機づけの両方でとても大きな、中心的な役割を果たしていると信じられてきました。また、空間視覚に関する推論や創造的な思考にも深くかかわっていると一般に信じられ、すべての思考プロセスに決定的な影響を与えると考えられています。しかしながら、特に20世紀の間にイメージに対して異義を唱えられていた時代があり、現在でもイメージという言葉の確固たる定義はない状態です。(YT)
****
私たちは、実際には対象となる視覚刺激が存在しないにもかかわらず、まるでその対象を見ているかのように思い浮かべることができます。この、実際にものを見ているときに近い心的な経験のことを、私たちはイメージと呼んでいます。
私たちは日常の中で、イメージをうまく使って生活していると言えます。たとえば、部屋の家具の配置を変えたいとき、実際に動かす前に、動かしたあとの部屋の光景をイメージすることがあげられます。このように、イメージするということは、それまでの経験で見てきたものだけでなく、それらを組み合わせたり、空間的に操作したりすることもできます。このことから、心的イメージは創造性の源泉だと言えるかもしれません。
また、イメージは記憶とも深くかかわっていると考えられています。例として、記憶の保持率とイメージに関するある実験によると、私たちが単語を記憶するときに、めがねやテレビなど実際に対象を見たことがある単語に比べて、努力や気合といった、形がなく、目で見ることのできない単語のほうが忘れやすいという結果が得られました。
以上のようなことから、イメージは、空間的な思考や創造的な思考、記憶能力など、私たちの思考プロセスに大きな影響を与えていると考えられています。(JY)
****
 心的イメージはきわめて主観的であるためにその存在を他者に伝えたり、科学的に取り扱うことは困難で、行動主義心理学ではほとんど問題として取り上げられることはありませんでしたが、認知心理学の台頭に伴い問題視されるようになってきました。この心的イメージ、イメージとは何でしょうか。視覚的イメージとは物理的な対象が存在しないにもかかわらず、生じる擬似視覚的な体験のことです。ここでいう擬似視覚的体験はものを見ているときに近いような体験のことです。認知心理学で主に扱うのは記憶イメージや想像イメージであり、それらを称して心的イメージといいます。
 私たちはイメージを使っていろいろな利益を得ています。その例が、言語材料の記憶の際にイメージ化しておくと、イメージ化してないときに比べて、成績がよくなるということなどです。(NS)
  

最新の画像もっと見る

コメントを投稿