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連想―――頭を元気にするキーワード

2020-12-28 | ポジティブ心理学


連想―――頭を元気にするキーワード

「活発な連想こそ、頭の元気の源」

●連想の功罪
何かしようとすると、それを邪魔するかのように、あれこれと思いが浮かんできてしまう。できれば、一つのことに集中したい。これが連想です。
 くだらない連想は浮かんできてほしくないのですが、頭の元気という点では、頭がとにもかくにも活動しているわけですから、こうしたしょうもないようにみえる連想でも良しとしなければなりません。どういう良いことがあるかをあげておきます。
  • 連想は、見方を豊かにしてくれる
 目の前になんの変哲もない花があったとします。花の名前からその種類、その名前の由来、さらには、食べられるかどうかまで、すらすらとさまざまな言葉が出てくるはずです。それこそ豊富な関連知識(語彙)から発する連想のたまものです。
 このように、豊富な知識を使って現実世界の認識を豊かなものにするのが連想の大事な役割の一つなのです。
  • 連想は、発想を豊かにしてくれる
さらに、連想は、頭の中でのあれこれの思いの展開でも貴重な役割を果たしています。
 今ここで、連想についての話を書いています。こうして書き上げられた文章は、いかにも理路整然としていますが、ここに至るまでには、連想につぐ連想の連続です。連想が働かなければ、発想(内容)はひどく陳腐なものにとどまってしまいます。
③連想は、心を解放してくれる
 連想には制約がありません。この自由が、普段はあれこれ制約のある心を解き放ってくれます。普通ならとても連想できないことも大丈夫。連想のリラックス効果です。

●頭を元気にする連想のコツ
①頭の中の知識を増やすこと
知識なきところに連想はありません。仕込んだ知識は、連想の種になります。したがって、知識を仕込むことが、豊かな連想を生み出す源になります。
ただ、連想は、頭の中で起こる現象ですが、連想のきっかけは外にもあります。
仲間や先生とのちょっとした一言が連想を触発するかもしれません。あるいは、ちょっとした光景、本屋の店先のポップ広告、ありふれた街角の光景などなど、あなたの外にも、豊富かつ多彩な連想触発物があります。これを活用することも大事です。
②問題意識、情報のアンテナを張り巡らしておくこと
もっともそれらが連想を触発するためには、その素材となる知識がいつでも使えるような状態になっている(活性化した状態になっている)必要があります
 問題意識、情報のアンテナを頭の中に抱えていれば、それに関係する知識が絶えず活性化していて、ほんのちょっとしたきっかけで連想が起こることになります。そして、それが新しい発想にもつながります。
③連想を外に出すこと
 連想は頭の中で起こります。どんどん自律的に展開されます。
 頭の元気づけという点では、それはそれで成り行きに任せておくことも、あってよいのですが、思考の素材として使いたいときには、せっかくの連想内容がどんどん忘れられてしまいます。もったいないですね。そこで、連想したことを書き出しておくのです。
 メモでも結構です。できれば、ポストイット(付箋紙)を持ち歩いて、書き留めておくと後々整理が楽です。連想は時と場所を選びませんから。
 

改善マインド「習慣を変えることを習慣にする」

2020-12-27 | ポジティブ心理学


改善マインド「習慣を変えることを習慣にする」

●習慣を壊すことを習慣にする
 習慣とは、いつもと同じ状況で同じことをほとんど努力感なしにすることです。
 今回の「改善マインド」は、「いつもとは違ったことをすることを習慣にすること」のすすめになります。「習慣を壊すことを習慣に」ですから、なんとももったいない話になります。ややしゃれた言葉を使うなら、メタ習慣のすすめです。
なぜこういう一見やっかいな話をするかというと、習慣はいったんできてしまうと、ついつい、現状維持、マンネリになってしまい、状況が変化して、もはやその習慣が妥当でなくとも、相変わらずそのままやり続けてしまうからです。適当なスパンで見直しが必要です。いわば、頭の政権交代のすすめです。

●習慣を変えたほうがよいと判断する時 
一つは、落ち込んだ時こそ、習慣をみつめ直す好機です。
経済が好調なときは、いけいけどんどん、です。気持ちポジティブなとき、あまり深く考えないのと同じです。ところが不況になりました。これまで何の疑問を持たずにしてきたことが、どうして?と誰しもが疑問を持たざるをえません。
心の習慣の見直しも、心が不具合な状態になったときこそできることです。
もう一つは、状況が変わった時です。
 心の習慣を点検するもう一つのチャンスは、あなたを取り巻く状況が変化したときです。 
 卒業、入学、就職、転職、結婚、定年といった定型的な状況の激変が誰にもあります。それを心の習慣を見なおす機会とするのです。
 学校で勉強するときには好ましい頭の活用の習慣も、就職したらとても使い物にならない代物になってしまうことはいくらでもあります。こんなときこそ、改善マインドの発揮です。柔軟に何でも受け入れることからまずは始めてみることです。
 
●改善マインドづくりのコツ
①変える方向をみつける
 これはかなり難しい作業になります。
 大きくは、過去と未来から現在をみる時間的な展望、歴史的な観点が必要です。これによって、状況の表層的な変化の底を流れる本質的な変化を見通すことできます。
 これがないと、改善も、ただばたばたと動き回るだけのことになってしまいます。
 さらに、自分なりの人生物語づくりですね。
 過去の自分を踏まえ、現在の自分の置かれている状況をきちんと認識して、さて将来はどうするということを一貫性のあるストリーとして意識化することです。これがあれば、その方向に心の習慣が向いているかどうかの点検が自分なりにしっかりとできることになります。そして、どう改善すればよいかも見えてきます。
②ともかく変えると新しいものが出てくる
 やや話が抽象的になってしまいました。
 うるさいことを言わずに、自分の今の心の習慣になんとなく不満があったり、これでいいのかなーという気持ちがあるなら、あれこれ「ともかく変えてみる方略」もありだと思います。小さいことでも、ちょっとした創意工夫で変えてみるのです。


・座右の書を思い切って変えてみる
・期間限定で、ネガティブ思考をあえてポジティブ思考に言い換えてみる
 この「ともかく変えてみる方略」の良いところは、心のマンネリを打破できるところです。さらに、そこから①のような改善の方向が見えてくるということも期待できます。



ポジティブ認知」頭を元気にするキーワード

2020-12-24 | ポジティブ心理学

ポジティブ認知頭を元気にするキーワード

  • ポジティブ認知ってどんなもの
 ポジティブ思考(あるいは、プラス思考)という言葉はよく目にします。生き方講座やブログのメジャーなテーマになっているようです。たとえば、
・ポジティブ思考で難局を切りぬけよう
・ポジティブ思考こそ新しい世界を切り開く鍵
・ポジティブ思考でうつから脱却
 ポジティブ思考、万々歳というところです。
ここでは、「思考」よりも広範な意味の「認知」という言葉を使って、ポジテ
ィブ認知について考えてみたいと思います。
 なお、「認知」という言葉にはなじみないかもしれません。見たり覚えたり考えたり判断したりする知的な働きの総称です。
そのポジティブ認知の世界とは、たとえば、
 ・見たい/聞きたいものだけを見る/聞く(ポジティブ知覚)
 ・都合のいいように憶えている(ポジティブ記憶)
 ・元気になれるように考える(ポジティブ思考)
 ・自分に有利なように判断する(ポジティブ判断)
 いずれも、やや危ないところがありますが、間違いなく心を元気にしてくれます。

●ポジティブ認知ができるようになるコツ
 現実は、ポジティブなことばかりではありません。それをポジティブに認知するのですから、どうしても「誤った」認知もあります。現実と認知とのギャップが生じてしまいます。それが大きくなれば、事の真実が見えなくなりますし、思い込みエラーも発生してしまいます、。
 でも、「あばたもえくぼ」の世界が「真実ではない」「思い込みエラーが恐い」といってまったく排除してしまっては、厳しい現実に縛られて、きりきりした、場合によっては、うつうつとした日々を過ごすことになります。これでは、心にもからだにもよくありません。非人間的でもあります。
 では、ポジティブ認知はどのようにしたらできるようになるのでしょうか。
  • 嘘も方便
「人、行為をほめたい。でも、欠点のほうが目についてしまう。にもかかわらず、ほめるのは嘘を言うことになる。どうしよう」という誠実さ?はいったん棚上げしてしまうのです。ともかく、ポジティブなところがちょっとでもあればそれをどんどんほめてしまうのです。そうするとあなたの認知はどんどんポジティブになっていくはずです。「少しの嘘はむしろスパイ」くらいの軽さがあって良いのです。
  • 思い込みを恐れない
 ミスが事故に直結するようなところでの思い込みは厳禁ですが、対人関係場面などでは、詐欺に巻き込まれるリスクのあるところ以外では、それほど思い込みを恐れる必要はありません。大いに、ポジティブなほうにバイアスをかけて認知するように習慣づけることをおすすめします。  
  • 合理化する
 人は自分の行為、それも傍から見ればかなりまずい行為でも、その正当性を絶えず自分に言い聞かせます。これを合理化と言います。「盗人にも三分の理あり」を自分で実践するようなものです。
 これを活用するのです。まずいことでも、ポジティブな理屈を編み出すのです。仕事がうまくいかなかったとしても、その仕事、よくよく考えればやる価値があまりないかも、なんて考えてみるのです。
 これが習慣化してしまうと、かなり危ないところがありますが、一時しのぎとして、かつ限定して意識的にやるなら、それなりに有効だと思います。




元気語彙を豊かに」10年前の今日の記事

2020-12-17 | ポジティブ心理学
●元気語彙を豊かに
 心を元気するためには、頭の中にある言葉の倉庫(語彙)をそうなるようもので一杯にしておいて、状況に応じてタイミングよく使うことです。
 これを、元気語彙と読んでおきます。
 気持ちを元気にするには、ポジティブ語彙です。たとえば、
  「うれしい、楽しい、気持ちよい、豊か、元気、――――
 周りを元気にするには、ポジティブ・コミュニケーションで取り上げた語彙です。たとえば、
  「ありがとう、助かりました、立派、さすが、よくがんばったーーー 




ポジティブ・コミュニケーション「周りを元気にする

2020-12-14 | ポジティブ心理学




ポジティブ・コミュニケーション「周りを元気にする

「ほめる、笑う、感謝する」

●不機嫌な職場
 不況の影響もあってか、日本の職場、不機嫌に満ち満ちているらしいですね。「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」 (講談社現代新書)という本で知りました。
 自分の職場である教室も、不況とは関係ないにもかかわらず、実に不機嫌な顔をした学生諸君で満ち満ちています。
 日本の社会、どうしてこれほど不機嫌がまんえんしてしまったのでしょうか。
 忙しすぎる仕事、孤立した高い集中力を要求するIT依存の仕事、厳しい能力主義と競争、リストラ不安などが影響していると思います。
 しかし、不機嫌は、不機嫌な本人にとってはもとより、その周りにいる人々にとっても、なんの得にもなりません。お互いにストレスを溜め込むばかりです。
 今回は、ドンキホーテになるかもしれませんが、個人的な努力で少しは周りを元気に明るくしてみませんかという話です。
 これまで「周りを元気にするキーワード」すべてがこれに関係してきますが、とりわけ、「ほンわか」(ほめる、わらう、かんしゃする)が鍵になります。ここでは、それらに共通する話をすることになります。

●ポジティブ・コミュニケーションのコツ
 コミュニケーションの基本は、情報の伝達です。過不足なく正確に、かつわかりやすく情報を相手に伝えることです。
 しかし、コミュニケーションには、時にはそれと同時に、あるいは、別途に、喜怒哀楽を伝える役割もあります。
 ポジティブ・コミュニケーションは、こちらのほう、しかも、喜と楽の気持ちを伝えるコミュニケーションです。これによって、情報の共有だけでなく、気持ちの共有をはかります。
 ポジティブ・コミュニケーションを効果的にするためには、どういうことに留意したらいいのでしょうか。4つほど、あげておきます。
  • 自分が元気になる
これは言うまでもないことですが、一番大事なことです。頭も気持ちも元気に保っていれば、それが周りに自然に伝染するからです。元気の感染源なら、誰も文句は言いません。
  • それを体全体で表現する
そして、心の元気はからだに無意識に反映されますから、あまりこのことは意識することはないのですが、それでも、顔の緊張をゆるめ、姿勢を正し、顔をあげてゆったりと動くくらいの気持ちはあったほうがいいですね。
  • それを言葉で表現する
これは、かなり意識的な努力、そして、習慣化が必要です。
周りを元気にする3つの言葉、「ほめ言葉」「挨拶言葉」「感謝言葉」を豊かにして、TPOに応じて口に出す習慣をつけることです。
・ 照れくささ 特に、家族となると、これが邪魔になります。
  • ネガティブ認知優先 特に、出来上がりに高い完成度をもとめる場合は、「まだ」「もっと」のほうについ目がいってしまいがちになります。
照れくささは、気持ちをいったんふんぎってしまうと、周りの反応がただちに変わりますから、すぐに習慣化できます。
ネガティブ認知優先のほうは、すぐに、ポジティブ表現でフォローする習慣をつければよいのです。「でも、よくここまでがんばった」「でも、思った以上だ」などなど。
  • 周りの元気を積極的に受け入れる
いつもいつも自分が元気というわけにはいきません。そんなときこそ、周りの元気に自分が感染するようにしておくのです。周りから元気をもらうのです。ほめられたら素直に喜ぶ、誰かがユーモアを発したら即座に率先して笑うのです。


ポジティブ・コミュニケーション力アップ 

2020-12-03 | ポジティブ心理学


ポジティブ・コミュニケーション力アップ 

●不機嫌な職場
 不況の影響もあってか、日本の職場、不機嫌に満ち満ちているらしいです。「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」 (講談社現代新書):という本で知りました。
 自分の職場である教室も、不況とは関係なく、実に不機嫌な顔をした学生諸君で満ち満ちています。
 保健室はいかがでしょうか。
 日本の社会、どうしてこれほど不機嫌がまんえんしてしまったのでしょうか。
 忙しすぎる仕事、高度の集中力を要求するIT依存の仕事、厳しい能力主義と競争、リストラ不安、いや、いまやリストラ恐怖などが影響していると思います。
 しかし、不機嫌は、不機嫌な本人にとってはもとより、その周りにいる人々にとっても、なんの得にもなりません。お互いにストレスを溜め込むばかりです。
 不機嫌職場の典型とも言える保健室。
ドンキホーテになるかもしれませんが、個人的な努力で少しは周りを元気に明るくしてみませんかという話をここでしてみたいと思います。

●ポジティブ・コミュニケーションとは
 コミュニケーションの基本は、情報の伝達です。過不足なく正確に、かつわかりやすく情報を相手に伝えることです。これまでは、これに関連する力のアップについて考えてきました。
 しかし、コミュニケーションには、時にはそれらと同時に、あるいは、別途に、喜怒哀楽を伝える役割もあります。
 ポジティブ・コミュニケーションは、こちらのほうの話です。しかも、「喜」と「楽」の気持ちを伝えるコミュニケーションです。これによって、自分の気持ちを元気にするだけでなく、周りの人々の気持ちも元気するのです。
 ポジティブ・コミュニケーションがなりたつには、2つ密接に関連した要素があります。
 一つは、自分の感情がポジティブであること。
 感情は、大きく「快―不快」に分かれますが、ポジティブ感情は「快」をもたらす感情です。喜び、楽しいだけでなく、言葉で表現すれば、いくらでもあります。たとえば、
・うれしい 満足した 
・好き 心地よい 快適
・尊敬する 温かい 親しみ 協調 寛容
・希望 前向き 積極的な
・安心 安らかな リラックスした ゆったり おおらか 落ち着いた

 もう一つは、ポジティブ表現です。これは、さらに、言語的な表現と非言語的な表現とがあります。
 ポジティブな言語的表現は、上のあげたような感情表現になります。
 非言語的表現の代表的なものは、笑顔です。笑顔までいかなくても、その表情をみると、周りが元気がでるような顔ってありますね。
 余談になりますが、作家・瀬戸内寂聴さんによると、仏教用語で「顔施(がんせ)」という言葉があるそうです。顔の表情によって周りの気持ちを元気にする施しをするの意だそうです。
 ポジティブ・コミュニケーションは、感情がポジティブでそれを言葉で表現して、さらに目に見えるようにすることで、自分も回りも元気にすることです。

●ポイティブ・コミュニケーションのコツ
 ポジティブ・コミュニケーションを効果的に行うようにするためには、どういうことに留意したらいいのでしょうか。全般的なことをまず、4つほど、あげておきます。具体的には、項目をあらためて、考えてみます。
  • 自分が元気になる
これは言うまでもないことですが、一番大事なことです。頭も気持ちも元気に保っていれば、それが周りに自然に伝染するからです。元気の感染源なら、誰も文句は言いません。

  • それを体全体で表現する
そして、心の元気はからだに無意識に反映されますから、あまり、これは意識することはないのですが、それでも、顔の緊張をゆるめ、姿勢を正し、顔をあげてゆったりとくらいの気持ちはあったほうがいいですね。
 一番は、笑顔です。笑顔つくりを毎朝、鏡でやってみてください。それだけで、元気になれます。項目をあらためて、考えてみます。
  • それを言葉で表現する
これは、かなり意識的な努力、そして、習慣化が必要です。
周りを元気にする3つの言葉、「挨拶言葉」「ほめ言葉」「感謝言葉」を豊かにして、TPOに応じて口に出す習慣をつけることです。これも、項あらためて考えてみます
さらに、
・ 照れくささ 特に、家族となると、これが邪魔になります。
  • ネガティブ認知優先 特に、出来上がりに高い完成度をもとめる場合は、「まだ」「もっと」のほうについ目がいってしまいがちになります。
の2つを克服ができるようにしておく必要があります。
  • 周りの元気を積極的に受け入れる
いつもいつも元気というわけにはいきません。そんなときこそ、周りの元気に自分が感染するようにしておくのです。周りから元気をもらうのです。
誰かがユーモアを発したら、即座に率先して笑う。ありがとうと感謝されたら即座にありがとうを返すのです。
自分を周りに敏感に応答できるようにしおいて、周りの元気だけでなく、怒哀をさえも共有し、それに巻き込まれてしまうくらいの気持ちがあってもよいと思います。
これは共感性を高めることにつながりなります。
 最後に、あのニーチェの言葉を引用しておきます。味わってみてください。
「今日からは、日に十回は周囲の人々を喜ばせるようにしようではないか。
そうすると、自分の魂が治療されるばかりではなく、
周囲の人々の心と状況を、確実に好転していくのだ。」
(「ニーチャの言葉」(Discover)より)

●「ほンわかあ」1日40回運動
 ポジティブ・コミュニケーションの具体的な実践の話です。
 最近、高校生相手の出前授業をすることが多いのですが、その時の出し物の一つが、「ほンわかあ」1日40回運動です。
ほめる
わらう
かんしゃする
あいさつ
を一日それぞれ10回、合計40回すると、あなたも周りも元気になります、というものです。
 やや道徳的な説教めいて危ないところがありますが、あくまで心理学の立場からの話ということで、おもしろおかしくやっています。好評です(笑い)。
 ポジティブ・コミュニケーションは、この4つを心がければ十分です。
 いずれも、ごくごく当たり前のことなのですが、それぞれ、意外に奥が深く、心理学の研究の対象にもされてきました。

●「ほ」める
 親、教師、上司にとって、ほめるのは、簡単なようで難しいところがあります。何をほめたらよいのか、どのようにほめたらよいのか、どれくらいほめたらよいのか悩まされます。
  • 何をほめる
「すばらしいと思ったこと」「感心したこと」をほめることになります。これは、あまり難しいことではないと思いますが、心をほめるほうにバイアスをかけておかないと、すばらしいとか感心するチャンスが少なくなります。
 さらに、留意すべきことは、「何を、どこを」すばらしいと思ったかをはっきりさせることです。
 怪我で泣きながら保健室まできた子どもに、「保健室まで自力で来た」ことをまずはほめることです。
 ほめるところを具体化してやることで、子どもは、それが良いことであると気持ちよくわかります。一つ賢くなれます。
  • どのようにほめる
ほめることをみつけたら即座に自然にほめるのが、原則だと思います。
それによって、何がほめられたかもわかりますし、記憶にも残るからです。
 さらに、ほめる言葉も大事です。
 いつもいつも、「すばらしい」「さすが」「よくできた」では、ほめられるありがたさも半減します。ほめ言葉の語彙を豊富にしておく必要があります。
さらに、これは、気持ちをポジティブなほうにバイアスをかけておくこととも深く関係しますが、ネガティブ語彙をポジティブ語彙に言いかえられることも大事です。
・「これしかない」ではなく「まだこれだけある」
・「――しないと、―――できない」ではなく、
  「――すると、―――できる」
・「ちょこまか」ではなく、「よく動く」
・「愚鈍」ではなく、「落ち着いている」
・「きたない」ではなく、「使いこんでいる」
  • どれくらいほめたらよいか
 ほめすぎると、ほめることによる効果も次第に弱まっていきます。
 そこで、「7:3の法則」です。7つほめて、3つ叱るのです。
 3つ叱ることで、ほめることの効果を際立たせるのです。
もう一つは、叱ることも子どもを育てる上では必須だからです。
 「どうしても、それはやってほしくない」「それをすると子どもに不利益に(けがや病気など)なる」ことなどは、やはり叱って教えなければなりません。ここは、ポジティブ・コミュニケーションの領域外になります。
 
●「わ」らう
 感情心理学の研究トピックの一つに、「おかしいから笑うのか」(中枢起源説)と「笑うからおかしいのか」(末梢起源説)という2つの説が長い間、対立してきました。
 常識的には、「おかしいから笑う」ほうに分がありそうですが、いろいろの知見によると、そうでもなく、現在では、「笑うからおかしい」説のほうがやや有力のようです。
 それを確認したかったというわけではありませんが、神社の出店、笑い猫ロボットを買ってきました。背中にふれると、身体を回転させて笑い転げるのです。
 この笑いをみていると、こちらも笑いたくなり、結果として元気になります。(笑い)
 悲しくとて泣いている人に、「ほらほら、笑って笑って」と慰めることがありあすが、これも、末梢起源説を実践していることになります。
 毎朝、鏡をみて笑うトレーニングをすすめるのも何かで見たことがあります。
 いずれにしても、笑顔は気持ちの元気に密接に関係しています。
 しかも、笑顔には、周りに気持ちの元気を伝染させる効果もあります。これが、笑顔をポジティブ・コミュニケーションの大事な要素の一つとして取り上げた理由です。
 瀬戸内寂聴さんによると、仏教用語に、「顔施(がんせ)」という言葉があるそうです。笑顔は、人に元気を施すの意だそうです。
 まさに、これです。
 笑顔は、中枢起源説によれば、気持ちをポジティブにもって、周りをポジティブに見る習慣をつければつくれることになります。末梢起源説なら、ともかく笑うこととなります。
 いずれにしても、それほど難しいことではありませんね。

●「か」んしゃする
 非行少年の社会復帰のために使われている内観療法では、少年たちに、感謝すべきことを徹底して内観させるのだそうです。それによって、自分は実はひとりではなかった、大切にされていたこともあったことを自覚することで、周りへの認識を改めさせて社会復帰のきっかけにしようとするのです。
 このように、感謝は、単なる社会的礼儀の域を超えて、周りへのポジティブな認識に導くきっかけ作りの役割があります。
 感謝の仕方は、魔法の言葉「ありがとう」ひと言ですみます。至極簡単ですから、誰もがごく自然にできます。
 あえて留意すべきことは、頻度です。けちらずに、「ありがとう」を一日10回を心がけることです。確実に、周りも元気になります。

●「あ」いさつ
挨拶するのは、自分があなたと同じ社会に属していますよ、そして、自分がその社会の安全な一員であることの宣言です。
「見知らぬ人に声かけを」との犯罪防止の標語を見かけたことがありますが、実際には、なかなか難しいのは、「見知らぬ人」だからです。都会で誰かれかまわず挨拶はしませんね。
ですから、意外と挨拶は面倒なところがあります。
まずは、「同じ社会」の一員かどうかの見極めがいるからです。顔見知りなら何も問題がないのですが、そうでないと、TPOと外見から判断するしかありません。これを間違うと、相手も戸惑います。
その懸念から、ついつい挨拶をおろそかにしてしまうことがあります。そんなときのためには、目礼がおすすめです。
普通の挨拶の心がけを、言葉遊びにしてみました。いかがでしょうか。
あかるく
いきおいよく
さっと
つねに




歌と心」10年前の今日の記事

2020-12-02 | ポジティブ心理学
歌と心「ポジティブ心理術
2010-12-02 | ポジティブ心理学


歌と心
 歌には、歌詞と曲(メロディ)とがあります。それらが気持ち密接に関係しています。
 歌詞には、気持ちが陰に陽に込められています。歌詞の意味がわかれば、どんな気持ちが込められているかはかなりはっきりとわかります。
 曲にも、気持ちが反映されていることは実感できます。ただ、こちらのほうは、曲単独ではそれほどはっきりとはわからないことがあります。
歌詞と曲とがぴったり、あるいは逆に、そぐわない、ということがありますから、歌詞と曲とは微妙にコラボレーションして気持ちに影響を与えているのだと思います。
したがって、ある歌が好き、ということは、その歌に込められた気持ちにも共感するこ
とになります。気持ち元気になりたければ、ポジティブな感情がこもった歌がよいことになりそうですが、このあたり、なかなか面倒な話があるようです。音楽心理学に詳しい松本じゅん子氏によると、「同質の原理」というのがあって、感情と一致する音楽のほうが、好まれるらしいのです。





成長するものを愛でる」10年前の今日の記事

2020-11-11 | ポジティブ心理学
成長するものを愛でる
 犬嫌い、昆虫嫌いなど生き物嫌いの人が結構、多いのではないかと思います。そんな人に、いやペットはかわいいし、心の癒し、さらに心元気になれますからぜひに、とは言えません。そんな無理は無用です。
 それでも、生き物のかわいさを身近にほしいという人は、植物はどうでしょうか。
 かわいいとまではいきませんが、成長の楽しみはあります。いつでも少し気になる存在です。
 あるいは、元気づけロボットなんかもこれからどんどん進化してくるのではないかと思います。一緒に過ごせば過ごすほどかわいくなるペットロボットですね。アイボ君の3代目あたりに期待したいところです 。



宗教

2020-11-01 | ポジティブ心理学
宗教に真実を求めるのは無理
教義は、真実よりも信念の世界
でも、それも信者からすれば真実
となると、宗教は、真善美を実現してくれるものとなる
信ずるものは救われる
信ずるものは心元気
信ずるものは善意に満ちている
信ずるものは美を求める 



おおらかさ「気持ちを元気に 

2020-10-31 | ポジティブ心理学
おおらかさ「気持ちを元気に 

「不機嫌社会でもとめられている心」

●加山雄三になりたい
「おおらかさ」を取り上げようと思ったきっかけは、加山雄三です。
日本経済新聞の「私の履歴書」が最近連載が終わりました。また、加山雄三デビュー50周年記念の数々のイベントやCDの発売もあります。
自分とほぼ同世代、70歳を超えての昔と変わらぬ活躍と元気。
空、海、太陽、幸せ、疾風怒涛、若々しさ。連想されるものすべてが元気につながります。
それをひとくくりにするキーワードとして、「おおらかさ」を思いつきました。
といっても、加山雄三論をやるつもりはありません。あくまで、「おおらかさ」ってどんなもので、気持ちの元気づくりにどう活用できるかを考えてみたいと思います。

  • おおらかさを解剖してみると
 文学的な表現は得意ではありませんので、うまく言えないのですが、「おおらかさ」のイメージは、
 広がる感じ
こだわらない感じ
なんでも包み込む感じ
自信たっぷりという感じ
といったところでしょうか。
 これが極端になると、天然ボケ。でも、それを恐れる必要はありません。
 日本の社会、今、至る所でぎすぎすしてます。ミスを恐れてびくびくしてます。気持ちも萎縮してます。
 こんなときだからこそ、おおらかさをもっと大事にしたいものです。

●おおらかさを身につけるコツ
①ルールや決まりに縛られない
 おおらかさには、ルールや決まりにはこだわらない、といより、そうしたものを超えたところに行動原理を求めます。天真爛漫、天衣無縫、子どものような振る舞いが自然にできるようになることと言ってもよいかもしれません。
 「官僚的」な行動原理の反対です。
 だからといって、周りとのあつれきや衝突、攻撃とは無縁。そんな振る舞い。難しいですが、できたらいいですね。
 でも、注意しなければならないのは、ついつい「大ざっぱ」になりがちなことです。どこかでここからはだめ、という枠を自分できちんと意識しておく必要があります。そこから外は絶対だめ、というものです。法律違反はもちろん、差別や人権侵害など、社会人としてのモラル。さらには、自分なりの生き方の上での大枠ですね。

②これだけは誇れるというものを持つ
 大きくは生き方、小さくは趣味。自分にはこれがある、何か人にほこれるものがあることは、おおらかになるためには必須です。それが自信になります。
 加山雄三の個展を拝見したことがあります。それはそれは見事な絵画でした。これがあってのあの自信なのだと納得しました。
 これがあれば、自身の弱さをさらけ出すのも平気です。そこに周りをひきつける魅力が生まれます。

③苦労から逃げない
 加山雄三のすごいところは、順風満帆の人生のようにみえながら(みせながら)、とてつもない苦労を潜り抜けての今のおおらかさがあるところです。それが人柄に厚みをつけています。浅薄なから元気ではなく、真正の元気を溢れさせているのも、その苦労と正面から格闘してきた賜物だと思います。

④ポジティブコミュニケーションをこころがける
 「ほンわかあ」ですね。
 ほめる(褒める)
 わらう(笑う)
 かんしゃする(感謝する)
 あいさつする(挨拶する)
 日常的なこころがけとして大事です。これがあなたに対するイメージを「おおらか」な方向へ変えます。そして、自分がそうなれます。
そして、ポジティブに振る舞へば、木より森をみるようにさせます。細かいことにこだわりません。人の欠点よりその人全体を受け入れることができるようになります。
 
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心のコップが上を向いている人

2020-10-21 | ポジティブ心理学
心のコップが上を向いている人」と言います。本気、真面目、真剣、積極的、素直――。コップが上を向いているから、我々もスキルやノウハウの方法を注げる。そして、結果が出るということです。 
(原田隆史)
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「コップが上を向いている人」。
たくみなたとえである。
上を向いていれば、そこになんでも注げる。そして、飲み込める。結果が出る。
上を向いているからこそ、そこに、大事なものを注いであげようとする人も出てくる。
自分のコップが上を向いていることを周りにもわからせることも大事。
そのためには、顔をあげ、周りを受け入れる無条件で受け入れる雰囲気を醸し出すこと。



楽観的なほうが、根気もあるよう」10年前の今日の記事

2020-10-19 | ポジティブ心理学
アメリカのポジティブ心理学者が、その心理テストを使って楽観度を調べて、さらに、答えのない問題にどれくらいの時間をかけるかを調べ、両者の関係をみたところ。楽観的な人ほど、長時間、問題に取り組んだそうです。
どうも楽観的なほうが、根気もあるようです。でも皮肉な見方をすると、楽観的な人は、事態をきちんと把握することができなかった可能性もありますから、一概には喜べないところもありますが。 



親友」10年前の今日の記事

2020-10-18 | ポジティブ心理学

親友が一人もいない人は、自分のようにいると思いますが、一人も友人がいない人はまずいないのではないでしょうか。
 とはいったものの、親友と友人を区別するものを挙げようとするとはたと困ります。
 親友の条件は
 ・なんでも相談できる
 ・付き合いが長い
 ・喜怒哀楽をともにできる
 「借金の保証人になってくれる」なんて基準もありそうですが、やや危ないかもしれませんね。親友でも、できれば、お金は介在しないほうが無難ですね。




  ●目標駆動型の生き方の薦め

2020-10-15 | ポジティブ心理学

 
●目標駆動型の生き方の薦め
 受験勉強のように明確な目標とプロセスによって引きずられる生き方ということで、目標駆動型の生き方と呼んでおきます。
 目標への接近度も、時間だけでなく、そのための努力の成果も目にみえれば、毎日がやる気まんまん、極めて高い動機づけ状態になります。
 しかし、こうした目標駆動型の行き方は、個人の人生の中では、それほどはありません。ありませんが、あれば、元気になれます。
 そこで、自分でそんな生き方を、時々、日常の中に組み込んでみることを薦めたいのです。
 「時々」でいいのです。いつもいつもこれでは心身が持ちません。日常生活も立ち行きません。
受験のようなここ一番の大事な目標なら人生で一度か2度。
資格取得のような小さい目標なら3~5年に一度。
毎日の生活の中に組み込んで並行してやってみるのです。このことも大事です。すべてを投げ打っては、リスクが大きすぎるからです。



 








ポジティブ思考

2020-10-08 | ポジティブ心理学
「三宅の口癖は、しょうがないでしょう、だった。
へこんだってしょうがいないでしょう、
愚痴たってしょうがないでしょう、である。
よく言えば、ポジティブ、悪く言えば物事を深く考えない性格なのだ。」
柚月裕子「最後の証人」より