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良いデザインの法則「AISUS」

2019-08-15 | わかりやすい表現

『デザイン力の基本』ウジトモコ・著 日本実業出版社
う。

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◆良いデザインの法則「AISUS」
Accessibility(見やすさ、よみやすさ)
Impression(印象・映え)
Sincerity(信頼性・誠実さ)
Uniqueness(ユニークである、独自性)
Share(共感・共生・共創力)

土井英司メルマガより

『心理学者が教える 読ませる技術 聞かせる技術 心を動かす、わかりやすい表現のコツ』

2019-08-12 | わかりやすい表現

認知心理学から「わかりやすさ」に迫る
文章は、一にも二にもわかりやすさが大切です。私のようなライターはもちろんですが、そうでなくとも、職場では企画書、報告書、業務マニュアルといった様々な書類がやり取りされており、わかりやすい文章を書けるかどうかで仕事の質が決まると言っても過言ではないでしょう。
ですが、これほどわかりやすさが求められているのにもかかわらず、「わかる」とはどういう状態なのかと問われると、つい考え込んでしまいます。誰もが毎日何かについて「わかって」いるはずなのに、なぜか上手く説明できません。「わかる」あるいは「わからない」時、私たちの頭の中で一体何が起きているのか。本書はこの疑問からスタートし、認知心理学の観点から文章表現の“なぜ?”に迫ります。
 
わかりづらさはどこから
文章術の解説書で必ずと言って良いほど挙げられているのが、「一文を短くする」というテクニックです。しかし、文章を書くにあたって私たちが本当に知りたいのは、「どうして一文が長くなってしまうのか」ということではないでしょうか。文章を書いていると、一文にもっと情報を詰め込まなくてはいけないような気がしてきて、「~ので、…」「~ため、…」「~し、…」「~が、…」などと、つい延々と文章を繋いでいってしまう。――このような書き方を、本書では「構想優先症候群」と呼び、分かりづらい文章の特徴的傾向として説明しています。
「構想優先症候群」は、構想(書きたいこと)を早く吐き出してしまいたいという書き手の焦りによって引き起こされるのだといいます。あわてて書き連ねられた文章は無理やり直結されていて、係り受けもあいまいです。しかし、読み手は、文頭から順番に意味的な単位でまとめて処理しようとするため、体制化(意味や内容でまとまりを作ること)が不十分な文章は読み手の情報処理に負担がかかります。この読み手の負担こそが、わかりづらさの正体というわけです。
 
良き書き手となるために
文章のわかりやすさ(わかりづらさ)は、書き手と読み手の情報処理システムのギャップをどれだけ埋められるかに懸かっています。そして、そのためには、伝えたいという自分自身の動機に思いを巡らせると共に、読み手のメンタルモデル(その人なりの仮説や考え方)に対して常に最大限の配慮がなくてはなりません。これまで文章術はセンスや小手先のテクニックばかりが論じられてきました。しかし、本書では良き書き手としての振る舞いが示されており、文章表現に悩めるすべての人にとって必携の書と言えるでしょう。
 
書籍情報
『心理学者が教える 読ませる技術 聞かせる技術 心を動かす、わかりやすい表現のコツ』
著者 :海保 博之
出版社:講談社

あなたの会話力はどれくらい?」10年前の今日の記事

2019-08-08 | わかりやすい表現
自己チェックリスト「あなたの会話力はどれくらい?」

次の各項目について、
「自分に当てはまっている」と思ったら--->3
「どちらでもない」と思ったら----2
「自分には当てはまらない」と思ったら--->1

(1)人と話していると楽しい(  )
(2)聞き返されることはあまりない(  )        
(3)自分から会話をリードするほう(  )
(4)あえて聞き役になることもある(  )
(5)沈黙の間(ま)があると気になる(  )

(6)チャットやメールでは意をつくせないと思う(  )
(7)友人との会話から考え方のヒントが得られることが多い( )
(8)メールより会って話すようにしている(  )
(9)相手の気持ちや状況によって会話の仕方を変えるようにして   いる(  )
(10)相談にのってくれる友人がいる(  )

説明は相手があってのもの

2019-08-06 | わかりやすい表現
●説明は相手があってのもの

説明は相手があっての話である。相手意識を欠いた独り善がりの説明は、闇夜に放つ矢のようなものである。どれほどの趣向を凝らしてみてもむなしい。
 
相手が何を求めているのか、どんな知識を持っているのか、どんな状況に置かれているのかに思いをはせる習慣が、真の説明力を養うことになる。
 
相手が関連知識が豊富であなたの言うことに強い関心をもっているなら、説明のための工夫より、説明の内容のほうに集中すればよい。
 
しかし、相手がその逆のような人々ばかりであることが想定されるときには、説明の仕方のほうを工夫しないと悲惨な結果に終る。





コミュニケーション力をチェックするリスト

2019-08-01 | わかりやすい表現
あなたのコミュニケーション力をチェックするリストを挙げておきます。やや長いチェックリストですが、「サーティファイ日本語コミュニケーション能力認定試験」のテキスト((株)ウイネット「コミュニケーション技法」)から掲載許可をえたものです。そんなものを手がかりに、コミュニケーション・スキルを磨いてください。

コミュニケーション力チェックリスト(一部)

1. 自分からいつも明るくあいさつしている
2. 苦手な人でも、何とか笑顔で話しかけられる
3. 見知らぬ人にも気軽に声がかけられる
4. 人と会って話をするのが好きである
5. 話題を提供して相手やグループをリードするのがうまい

6. 相手の意見に反対するときは、遠慮なく言える
7. 自分の考えや意見は誰であってもきちんと伝えようとしている
8. わからないことはすすんで質問する
9. 物事に対して、前向き、肯定的に考えることができる
10. 話す前に内容を整理して、組み立ててから話をしている

11. 話の目的を、いつも頭に入れてから話すようにしている
12. あなたの話し方はわかりやすいと周りからよく言われる
13. 自分の考えを誰に対しても粘り強く説得できる
14. どうしても伝えたいことは必ず最後に念を押している
15. 相手に応じた言葉遣い、敬語、適切な表現ができる

以下、省略

締め切り

2019-07-25 | わかりやすい表現
これまでに、13冊の本を編集してきた。そのたびごとに、執筆者にいかにして原稿提出の締切り(タイムリミット)を守ってもらうかに腐心させられてきた。「催促されてから(締切りを過ぎてから)書きはじめる」と豪語している人がごろごろいるからである。  

締切りを守る守らないは、書いてもらう内容の良し悪し(できばえ)にはあまり関係ない。

執筆者を選ぶときには、まずは、あるレベル以上のできばえのものを書いてくれる人をとなる。それは、過去に書いたものや研究歴をみればだいたい見当がつく。しかし、タイムリミット感覚のある人か否かは、あらかじめ知ることは無理である。(ある出版社にはブラックリストがあるとの話も聞く。)
かくして、編集者泣かせの執筆者がどうしても紛れ込んでしまう。そして、本の完成は、最も遅い人次第となってしまう。

『読ませる技術 聞かせる技術(ブルーバックス)』書評

2019-07-24 | わかりやすい表現
あなたの話、ちゃんと伝わってる?「わかりやすい!」と思われるために必要なこと
ビジネス 2018/7/19

『読ませる技術 聞かせる技術(ブルーバックス)』(海保博之/講談社)
 何かを伝えるのって難しいなと、ライターのはしくれとしても常日頃考えてしまうものです。とりわけ今は、日常的に誰もが何かを表現し続けている時代。ブログやSNSが世間に浸透してからは、その大切さや難しさを多くの人が身近に感じていることでしょう。

 そんな現代だからこそ、手に取ってほしい1冊が心理学の専門家による『読ませる技術 聞かせる技術(ブルーバックス)』(海保博之/講談社)。認知表現学をベースにした本書は、具体例を織り交ぜながらコミュニケーションの基礎から応用までを学べる内容となっています。

◎頭の中のアイデアを整理するために役立つ“KJ法”
 文章を書くとか、イラストを描くとか表現の手法はさまざまです。誰にも共通していえるのは、初めに、頭の中でぼんやりとでも“これを伝えたい!”という思いが芽生えるということ。しかし、どうやってそれを具体的に表現すればよいかと、二の足を踏んでしまう瞬間も少なからずありますよね。

 そんなときに役立つ方法として、本書では「KJ法」と呼ばれる物事を整理するためのメソッドが紹介されています。

 何かを表現するとなったとき、きっと頭の中にはさまざまなキーワードが浮かんでいるはずです。KJ法はこのバラバラに浮かんだ情報を、1枚のシールや付せんに綴っていくようなイメージで結びつけるための手法です。

 頭の中に思い浮かんだ情報を言語化したあとは、例えば、細かな情報をテーマや時系列などに関連した情報を並べたのち、それぞれの大きなまとまりを線や矢印などでつなぎ合わせながら、一つの表現としてまとめていきます。

◎わかりやすさはなんとなく「わかりそう」と思わせられればOK
 近ごろ、わかりやすい表現や“わかりやすさ”といったキーワードも、よく目にするような気がします。しかし、万人にとってわかりやすい表現というのもけっこう難しいところ。デキる人は、とにかく「わかりやすい表現をする」という話もよく言われることですが、本書は、この課題についてもヒントを与えてくれます。

 例えば、会話ならば「~知っていますか」「~についてどう思いますか」といった具合に、相手の感触を確かめながら話を進めることができます。しかし、それよりも難しいのは、文章で何かを表現するとき。自分の情報を相手がどんな温度で受け止めてくれるかなどは、想像するとキリがなくなってしまいますよね。

 そこで、一つ取り入れたい工夫は、導入部で「アレッ、どうしたんだろう、と思わせる素材を用意する」ということ。本書によれば、「じっくり考えないとアレッと思わないような素材」はダメで、例えば、ちょっとした実験や絵、実例、クイズ形式の質問などから、相手の心をつかむのが大切だといいます。

 また、なんとなくでも相手に「わかりそうと思わせる」のも表現するための秘訣。文字だけではなくイラストや写真を交えたスライドや、相手が体を動かせるような企画を取り入れたプレゼンなどもその例で、とにかく堅苦しくなく、こちらの表現が「わかりそうだ、わかった」という感触をもたらすような表現をするのも心がけておきたいところです。

 表現という言葉には答えがなく、突き詰めると時間がどれほどあっても足りなくなるほどです。しかし、日常的に何か伝えるための選択肢が広がってきた現代人にとっては、頭を悩ませがちな課題。時代はとらえた本書は、そんな私たちに様々な“伝えるためのヒント”を与えてくれることでしょう。

文=青山悠(ダ・ヴィンチより)https://ddnavi.com/review/473620/a/

体験談効果

2019-07-12 | わかりやすい表現
彼らが駄目なのは「体験談」で効果があると思っているところ。

根拠があるかどうかで、一番根拠が弱いのが「体験談」だ。
しかし一番人々がそれで効果を実感したりする。
(左巻健男;FB投稿より)

@@

CMには、実に多彩な工夫がなされている。
その一つが体験談CMである。
ターゲット視聴者に近い素人ーー時には、タレントーーを使って
美容や健康のサプリの効果などを、多くは使用前・後で見せたり、語らせたりする。

ほとんど演技なんだろうと思うが、
リアル(真正)な素人、
つまり、本当に効果があることを実感した人が出演している場合もありそう。

それでも、逃げをはって、「*効果には個人差があります」とか「*個人の感想です」
の但し書きが入ることもある。
それが、広告の真実性をかえって高めているようなところもあるので、なかなか油断ができない。

一方では、玄人効果ねらいの広告ジャンルもある。
最近驚いたのは、味噌汁の宣伝に、一流料亭のシェフ(らしき)人が、
「これは本物よりうまい」なんていう広告も出てきた。
タレント宣伝に似ているが、タレント広告は、いくらすすめられても、それって演技ですよね、
となるので、だまし(のようで)あっても、視聴者はだまされない。

読ませる技術、聞かせる技術」目次

2019-07-08 | わかりやすい表現

プロローグ――わかりにくい表現さまざま

認知表現学の基礎

第1章 わかる技術の基礎 ~人間の情報処理システム

第2章 表現の目的 ~自分を知る・心を解放する・伝える
      1節 なんのために表現するのか
      2節 表現のさまざま

第3章 表現する前の表現の技術
      1節 構想の具体化
      2節 構想→表現の変換
      3節 表現の技術化

第4章 さまざまな「わかり方」「わからせ方」
      1節 わかるのさまざま
      2節 わかる
      3節 わからせる

認知表現学の実践

第5章 気持ちを引き込む表現の工夫 ~「わかりたい」「わかりそう」と思わせる
      1節 わかることは楽しい
      2節 わかりたいと思わせる工夫

第6章 相手の知識の世界に配慮する
      1節 人は誰でも自分なりの世界を持つ
      2節 メンタルモデルがもたらすもの
      3節 メンタルモデルに配慮したわかりやすい表現

第7章 「読みたい」「聞きたい」気持ちにさせる表現の技術
      1節 内容と方法と熱意と
      2節 表現効果を高める道具立て
      3節 表現効果を確認する

まとめ
エピローグ
索引

ある内容を人に伝えるとき、(2000万円老後資金不足問題を例に)

2019-07-06 | わかりやすい表現
ある内容を人に伝えるとき、

1)その内容をそのまま相手に伝える
理解内容の正確性は高いが、そもそも見たり読んだりしてくれないリスクがある。
例:2000万円不足問題では、なんと審議会報告書を受けとらないという珍事?が起きた。

2)要約して伝える
要約の仕方によっては、伝わらないもの、曲解がある。
例;せめて報告書目次くらいは開陳してほしかった。

3)キーになる用語や文章を伝える
文脈から切り離すことになるので、かなりの誤解が生ずる。
例;キーワード「2000万円不足」が独り歩きしてしまった。


裏表どちらでも(フリー)

2019-06-28 | わかりやすい表現
スマホの充電は、ほぼ毎日。
でも、コード接続がなかなかうまくいかなかった。
それで気が付いた。
どちらが裏か表か不明だが、どちらかでいれるのが正解らしい。
表をこちら側と決めて、色をつけてやてみた。
成功でした。

でもねー、こういうのって、裏表フリーが普通ではないかな。

ポジティブ・コミュニケーション力アップ]表現力アップ

2019-06-28 | わかりやすい表現
ポジティブ・コミュニケーション力アップ 

●不機嫌な職場
 不況の影響もあってか、日本の職場、不機嫌に満ち満ちているらしいです。「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」 (講談社現代新書):という本で知りました。
 自分の職場である教室も、不況とは関係なく、実に不機嫌な顔をした学生諸君で満ち満ちています。
 保健室はいかがでしょうか。
 日本の社会、どうしてこれほど不機嫌がまんえんしてしまったのでしょうか。
 忙しすぎる仕事、高度の集中力を要求するIT依存の仕事、厳しい能力主義と競争、リストラ不安、いや、いまやリストラ恐怖などが影響していると思います。
 しかし、不機嫌は、不機嫌な本人にとってはもとより、その周りにいる人々にとっても、なんの得にもなりません。お互いにストレスを溜め込むばかりです。
 不機嫌職場の典型とも言える保健室。
ドンキホーテになるかもしれませんが、個人的な努力で少しは周りを元気に明るくしてみませんかという話をここでしてみたいと思います。

●ポジティブ・コミュニケーションとは
 コミュニケーションの基本は、情報の伝達です。過不足なく正確に、かつわかりやすく情報を相手に伝えることです。これまでは、これに関連する力のアップについて考えてきました。
 しかし、コミュニケーションには、時にはそれらと同時に、あるいは、別途に、喜怒哀楽を伝える役割もあります。
 ポジティブ・コミュニケーションは、こちらのほうの話です。しかも、「喜」と「楽」の気持ちを伝えるコミュニケーションです。これによって、自分の気持ちを元気にするだけでなく、周りの人々の気持ちも元気するのです。
 ポジティブ・コミュニケーションがなりたつには、2つ密接に関連した要素があります。
 一つは、自分の感情がポジティブであること。
 感情は、大きく「快―不快」に分かれますが、ポジティブ感情は「快」をもたらす感情です。喜び、楽しいだけでなく、言葉で表現すれば、いくらでもあります。たとえば、
・うれしい 満足した 
・好き 心地よい 快適
・尊敬する 温かい 親しみ 協調 寛容
・希望 前向き 積極的な
・安心 安らかな リラックスした ゆったり おおらか 落ち着いた

 もう一つは、ポジティブ表現です。これは、さらに、言語的な表現と非言語的な表現とがあります。
 ポジティブな言語的表現は、上のあげたような感情表現になります。
 非言語的表現の代表的なものは、笑顔です。笑顔までいかなくても、その表情をみると、周りが元気がでるような顔ってありますね。
 余談になりますが、作家・瀬戸内寂聴さんによると、仏教用語で「顔施(がんせ)」という言葉があるそうです。顔の表情によって周りの気持ちを元気にする施しをするの意だそうです。
 ポジティブ・コミュニケーションは、感情がポジティブでそれを言葉で表現して、さらに目に見えるようにすることで、自分も回りも元気にすることです。
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                元気
        自分                 周り

ポジティブ感情 (喜 楽しい 幸せ)       
       
           ポジティブ表現               
              言語的 (ほめる あいさつ )        
              非言語的 (笑顔 拍手 )          
  
図 ポジティブコミュニケーションの構図
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●ポイティブ・コミュニケーションのコツ
 ポジティブ・コミュニケーションを効果的に行うようにするためには、どういうことに留意したらいいのでしょうか。全般的なことをまず、4つほど、あげておきます。具体的には、項目をあらためて、考えてみます。
① 自分が元気になる
これは言うまでもないことですが、一番大事なことです。頭も気持ちも元気に保っていれば、それが周りに自然に伝染するからです。元気の感染源なら、誰も文句は言いません。

② それを体全体で表現する
そして、心の元気はからだに無意識に反映されますから、あまり、これは意識することはないのですが、それでも、顔の緊張をゆるめ、姿勢を正し、顔をあげてゆったりとくらいの気持ちはあったほうがいいですね。
 一番は、笑顔です。笑顔つくりを毎朝、鏡でやってみてください。それだけで、元気になれます。項目をあらためて、考えてみます。
③ それを言葉で表現する
これは、かなり意識的な努力、そして、習慣化が必要です。
周りを元気にする3つの言葉、「挨拶言葉」「ほめ言葉」「感謝言葉」を豊かにして、TPOに応じて口に出す習慣をつけることです。これも、項あらためて考えてみます
さらに、
・ 照れくささ 特に、家族となると、これが邪魔になります。
・ ネガティブ認知優先 特に、出来上がりに高い完成度をもとめる場合は、「まだ」「もっと」のほうについ目がいってしまいがちになります。
の2つを克服ができるようにしておく必要があります。
④ 周りの元気を積極的に受け入れる
いつもいつも元気というわけにはいきません。そんなときこそ、周りの元気に自分が感染するようにしておくのです。周りから元気をもらうのです。
誰かがユーモアを発したら、即座に率先して笑う。ありがとうと感謝されたら即座にありがとうを返すのです。
自分を周りに敏感に応答できるようにしおいて、周りの元気だけでなく、怒哀をさえも共有し、それに巻き込まれてしまうくらいの気持ちがあってもよいと思います。
これは共感性を高めることにつながりなります。
 最後に、あのニーチェの言葉を引用しておきます。味わってみてください。
「今日からは、日に十回は周囲の人々を喜ばせるようにしようではないか。
そうすると、自分の魂が治療されるばかりではなく、
周囲の人々の心と状況を、確実に好転していくのだ。」
(「ニーチャの言葉」(Discover)より)

●「ほンわかあ」1日40回運動
 ポジティブ・コミュニケーションの具体的な実践の話です。
 最近、高校生相手の出前授業をすることが多いのですが、その時の出し物の一つが、「ほンわかあ」1日40回運動です。
ほめる

わらう
かんしゃする
あいさつ
を一日それぞれ10回、合計40回すると、あなたも周りも元気になります、というものです。
 やや道徳的な説教めいて危ないところがありますが、あくまで心理学の立場からの話ということで、おもしろおかしくやっています。好評です(笑い)。
 ポジティブ・コミュニケーションは、この4つを心がければ十分です。
 いずれも、ごくごく当たり前のことなのですが、それぞれ、意外に奥が深く、心理学の研究の対象にもされてきました。

●「ほ」める
 親、教師、上司にとって、ほめるのは、簡単なようで難しいところがあります。何をほめたらよいのか、どのようにほめたらよいのか、どれくらいほめたらよいのか悩まされます。
① 何をほめる
「すばらしいと思ったこと」「感心したこと」をほめることになります。これは、あまり難しいことではないと思いますが、心をほめるほうにバイアスをかけておかないと、すばらしいとか感心するチャンスが少なくなります。
 さらに、留意すべきことは、「何を、どこを」すばらしいと思ったかをはっきりさせることです。
 怪我で泣きながら保健室まできた子どもに、「保健室まで自力で来た」ことをまずはほめることです。
 ほめるところを具体化してやることで、子どもは、それが良いことであると気持ちよくわかります。一つ賢くなれます。
② どのようにほめる
ほめることをみつけたら即座に自然にほめるのが、原則だと思います。
それによって、何がほめられたかもわかりますし、記憶にも残るからです。
 さらに、ほめる言葉も大事です。
 いつもいつも、「すばらしい」「さすが」「よくできた」では、ほめられるありがたさも半減します。ほめ言葉の語彙を豊富にしておく必要があります。
さらに、これは、気持ちをポジティブなほうにバイアスをかけておくこととも深く関係しますが、ネガティブ語彙をポジティブ語彙に言いかえられることも大事です。
・「これしかない」ではなく「まだこれだけある」
・「――しないと、―――できない」ではなく、
  「――すると、―――できる」
・「ちょこまか」ではなく、「よく動く」
・「愚鈍」ではなく、「落ち着いている」
・「きたない」ではなく、「使いこんでいる」
③ どれくらいほめたらよいか
 ほめすぎると、ほめることによる効果も次第に弱まっていきます。
 そこで、「7:3の法則」です。7つほめて、3つ叱るのです。
 3つ叱ることで、ほめることの効果を際立たせるのです。
もう一つは、叱ることも子どもを育てる上では必須だからです。
 「どうしても、それはやってほしくない」「それをすると子どもに不利益に(けがや病気など)なる」ことなどは、やはり叱って教えなければなりません。ここは、ポジティブ・コミュニケーションの領域外になります。
 
●「わ」らう
 感情心理学の研究トピックの一つに、「おかしいから笑うのか」(中枢起源説)と「笑うからおかしいのか」(末梢起源説)という2つの説が長い間、対立してきました。
 常識的には、「おかしいから笑う」ほうに分がありそうですが、いろいろの知見によると、そうでもなく、現在では、「笑うからおかしい」説のほうがやや有力のようです。
 それを確認したかったというわけではありませんが、神社の出店、笑い猫ロボットを買ってきました。背中にふれると、身体を回転させて笑い転げるのです。
 この笑いをみていると、こちらも笑いたくなり、結果として元気になります。(笑い)
 悲しくとて泣いている人に、「ほらほら、笑って笑って」と慰めることがありあすが、これも、末梢起源説を実践していることになります。
 毎朝、鏡をみて笑うトレーニングをすすめるのも何かで見たことがあります。
 いずれにしても、笑顔は気持ちの元気に密接に関係しています。
 しかも、笑顔には、周りに気持ちの元気を伝染させる効果もあります。これが、笑顔をポジティブ・コミュニケーションの大事な要素の一つとして取り上げた理由です。
 瀬戸内寂聴さんによると、仏教用語に、「顔施(がんせ)」という言葉があるそうです。笑顔は、人に元気を施すの意だそうです。
 まさに、これです。
 笑顔は、中枢起源説によれば、気持ちをポジティブにもって、周りをポジティブに見る習慣をつければつくれることになります。末梢起源説なら、ともかく笑うこととなります。
 いずれにしても、それほど難しいことではありませんね。

●「か」んしゃする
 非行少年の社会復帰のために使われている内観療法では、少年たちに、感謝すべきことを徹底して内観させるのだそうです。それによって、自分は実はひとりではなかった、大切にされていたこともあったことを自覚することで、周りへの認識を改めさせて社会復帰のきっかけにしようとするのです。
 このように、感謝は、単なる社会的礼儀の域を超えて、周りへのポジティブな認識に導くきっかけ作りの役割があります。
 感謝の仕方は、魔法の言葉「ありがとう」ひと言ですみます。至極簡単ですから、誰もがごく自然にできます。
 あえて留意すべきことは、頻度です。けちらずに、「ありがとう」を一日10回を心がけることです。確実に、周りも元気になります。
●「あ」いさつ
挨拶するのは、自分があなたと同じ社会に属していますよ、そして、自分がその社会の安全な一員であることの宣言です。
「見知らぬ人に声かけを」との犯罪防止の標語を見かけたことがありますが、実際には、なかなか難しいのは、「見知らぬ人」だからです。都会で誰かれかまわず挨拶はしませんね。
ですから、意外と挨拶は面倒なところがあります。
まずは、「同じ社会」の一員かどうかの見極めがいるからです。顔見知りなら何も問題がないのですが、そうでないと、TPOと外見から判断するしかありません。これを間違うと、相手も戸惑います。
その懸念から、ついつい挨拶をおろそかにしてしまうことがあります。そんなときのためには、目礼がおすすめです。
普通の挨拶の心がけを、言葉遊びにしてみました。いかがでしょうか。
あ」かるく
い」きおいよく
さ」っと
つ」ねに
 


ジェスチャー力アップ」表現力アップ

2019-06-26 | わかりやすい表現
ジェスチャー力アップ

●ジェスチャーってどんなもの
 ジェスチャー力アップといってもパントマイムができるようにということではありません。確かに、パントマイムや俳優の演技のように、ジェスチャーもそれなりに訓練すれば、上手になりますが、実は、わたくしたちが普段使っているジェスチャーはほとんど無意識的ですので、かなり意識的な努力をしないとパワーアップしません。
 ためしに、自分が話しているところをビデオにとってもらって観察してみてください。ほとんどそんなジェスチャーをすることを意識していないはずですが、実に多彩なジェスチャーをしている自分を発見して驚くはずです。この無意識性がジェスチャーの1つの特徴になります。
 2つ目の特徴として、意識的にやっているわけではないのにもかかわらず、ジェスチャーの果たす役割が実に多彩であることです。その機能を分類すると、次の3つになります。
1)話の内容を補う 
(例)「これくらいの大きさ」と手で示す。両手を交差させてだめを表現する。
2)話のテンポの調整やメリハリづけをする
(例)手や体の動きで話の進行を調整したり、ここは大事ということを示す。
3)感情を伝える
(例)悲しい表情や明るい姿勢を見せる。
 
●ジェスチャー力アップの勘所
 ジェスチャーが無意識的なものだとしても、それをより好ましいものに変える方策がないというわけではありません。
 その1つが知識です。どういうジェスチャーが好ましいのかについての知識を豊富にすること、そして、それを折りに触れて実践してみることです。
 たとえば姿勢。言うまでもなく、猫背よりは背筋を伸ばしたほうが好ましいですね。
あるいは、表情も、目ぱっちり、口元ゆったりで表情豊かに話すほうが好ましいですね。視線も一点凝視よりも「目通り、乳通り、肩通り」の言い伝えに従う広角配置のほうが好ましいですね。
 こうしたことを知識として蓄積しながら、それを折に触れて鏡を見たりして実践してみることです。実践が積み重なることによって、自然にかつ無意識のうちに子どもに好かれるジェスチャーができるようになるはずです。

●心身一如
 おもしろい研究があります。
子どもに決定的な一言、たとえば、「してはいけない」とか「取り上げる」といった一言を発する際に、父親は表情も厳しいものになるのですが、母親は、時には微笑を浮かべながらそれを言う傾向があるらしいのです。
 母親のこの傾向は、子どもにとっては母親の真の意図が読みとれずに混乱してしまうことになりがちです。ダブル・バインド(2重拘束)と呼ばれていて、親子関係の不安定さををみる鍵となる概念にもなっています。ダブル・バインド状態に子どもを追いやるのは危険です。どっちが本音かわからないことによる不安が高まってしまうからです。
 怒るときもうれしいときも全身全霊でやることです。これが自然なジェスチャーの表出につながります。

●模倣することも有効
 尊敬する人のジェスチャーが自然に真似されることはよく知られています。尊敬する人のように振舞ってその人のようになろうとするメカニズムが働くようです。同一視と呼ばれています。
 テレビドラマの好きな人は、ひいきのタレントが演ずるジェスチャーが気になりますね。それが自然に真似されるのです。大好きな先生や親の振る舞いも同じように子どもに真似されます。
 人から真似をしてみたいと思われるようなジェスチャーを身に付けたいものです。

●文化によってジェスチャーは違う
 グローバル化がすすみ、学校にも異文化育ちの子どもが入学してきたり、あるいは、公園でそうした子どもどうしが遊んでいる光景もそれほどめずらしくなくなりました。
 30年前頃アメリカに10か月ほど滞在したことがあります。今でもはっきり覚えているのですから、よほど奇異な光景だったのだと思います。それは、プールの監視員が手のひらを上に向けて、日本の警官がやるように、私に対してこちらに来い来いとやっているのです。日本だと、普通に呼ぶ時は手のひらを下にしてやりますね。何か悪いことをしてしまったかのように驚いたことを今でも鮮明に思い出します。
 ジェスチャーにも万国共通のものと、その文化に固有のものとがあります。このことを知らないと、うっかり相手を怒らせてしまったり、誤解を与えたりしてしまう恐れがありますので要注意です。

●パーソナル・スペースにも注意
 最後にジェスチャーとは直接は関係しませんが、人と人との距離についてよく知られていることを一つ。
 空いている電車であなたの隣に突然見知らぬ人が座ってきたらどうでしょうか。あるいは、こんな実験があります。図書館で勉強している女子大生の隣に座ると、相手は、腕で頭を抱えたり相手に背を向けたりして、結局は、別の場所に移動してしまうのです。
 このように、人にも縄張りがあるようです。その縄張りに他人が入ってくると不愉快になったり移動したくなったりします。この縄張りをパーソナル・スペース(個人空間)と呼びます。
 見知らぬ大人どうしては、だいたい45センチくらいです。大人と子どもの場合、どれくらいになるのかのデータの存在は寡聞にして知りませんが、お互いを知っている場合には、もっと小さくなるはずです。
 お互いが親密になることがねらいなら、45センチ以内、説明や説得を開始する初期段階なら、45センチより少し距離をとって、というところでしょうか。
 いずれにしても、子どもとの物理的な距離のとり方もコミュニケーションを円滑に行うには大事な要素の一つであることは知っておいて損はありません。
 表として、個人的スペース以外についても、まとめておきましたので、参考にしてください(渋谷昌三「心理学の本」西東社を参考)

相手との関係 対人距離  行動の特徴(プロクセミックス)
密接距離 45cm以内 家族・恋人などとの身体的接触が容易にできる距離
個人距離 45~120cm 友人などと個人的な会話を交わすときの距離
社会距離 120~360cm 職場の同僚と一緒に仕事をするときの距離など
公衆距離 360cm以上 講演での聴衆と講演者との距離など


視線力アップ]表現力アップ

2019-06-24 | わかりやすい表現
視線力アップ

●学生のうつむきプレゼン
 演習では、学生にプレゼンをしてもらうことが多くなります。
「では、田中君、はじめてください」とやると、最初は、書いてきたものを演台に置いて、それをぼそぼそと読みあげることになります。
そこで、あれこれといちゃもんをつけます。視線に関しては、たとえば、こんなことを伝えます。
「顔をあげて視線をこちらにも向けてください」
「聴衆に語りかけるのに、そちらのほうを見ないのは、そっぽを向いて相手と話すようなものです。失礼です」
 「テレビでも、カメラのどのあたりを見て話すと、視聴者の目線と合うかが計算されているのです。それくらい視線は大事なのです」
 「視線を合わすのは、プレゼンの場の緊張感を作り出すのに必須なのです」
といったようなことを話すと、最初は、おずおずと顔をあげながら話しますが、次第に良くなっていきます。
 なお、多数の聴衆相手の視線配りの作法は、視線が合い、かつ会場全体に散らばっている熱心に聴いてくれる3、4人を見つけて、順繰りにその方々を見ながら話すことが基本となります。

●視線配りは面倒
 対面する相手に対して視線をどうするかは、結構、面倒です。
真っ向から相手の目を見ながらの対話はお互いに疲れます。対話の内容に合わせて適当に視線をはずしながらの対話になります。
日本人は、この視線の交わりにこだわりがあるようです。お互いに凝視することは、礼儀にもとるとまでは言いませんが、やや特別のようです。
  状況が敵対的な時なら、凝視は攻撃のサインになりますし、親密な時なら、好意のサインになります。これ以外では、あまりお互い凝視はしないのが日本の視線文化のようです。
 だからこそ、視線配りは、日本人には結構、面倒な作法と言えるかもしれません。
「目通り、乳通り、肩通り」という視線配りの作法が古くからあるそうです。目と乳と肩で作る四角の範囲で視線をゆったりと動かせ、ということです(「日本を知る辞典」社会思想社)。
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図 連載より転載
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 もっとも、視線にこれほどこだわるのは、日本人だけらしいのです。やや長くなりますが、こんな一節を見つけましたので引用してみます。
 他人の視線を極度に恐れる視線恐怖症が日本人特有のものであるとして、
「欧米人は会話中にこちらの目を直視することが多い。あの直視は平均的な日本人には重すぎる。−−−(日本人は)そんなにまじまじと相手の眼を直視しながら話し続けることはしない(笠原嘉「青年期」中公新書)」
 なお、対話だから面と面を向かい合って視線と格闘しながら、と考える必要はありません。日本人に視線恐怖の傾向が強いとすれば、以下のような工夫ももっと積極的に取り入れてもよいと思います。
 そのひとつは、座り方です。たとえば、机に90度の位置になるように座っての対話があります。何か共通の問題を考えたりするときには効果的です。
 さらに、お互いが共通した対象を見ながらの対話もあります。共同注意と呼ぶ場面です。子どもに絵本を読んでやるような場面がその典型です。こんな場面では、視線を、相手の目ではなく、たとえば、黒板に書いたものや本の絵などの対象に誘導するものです。これも、共通に何かを検討したり楽しむのには有効であることが知られています。

●気持ちを伝えるメッセージとしての視線
 もうひとつ面倒なのが、視線が気持ちを反映しているという事実があります。「目は口ほどにものを言う」です。
 気持ちがびくびくおろおろなら視線は定まりません。自信たっぷりなら、ゆったりとした視線配りになります。相手の心の状態を視線から推察できることなります。
 相手が子どもの場合、とりわけ、「口」では語れないことがある場合には、視線から得られる情報には貴重なものがあります。
 視線についての研究から、さらに以下のようなことが知られていますので、紹介しておきます(渋谷昌三「手にとるように心理学がわかる本」かんき出版より)。
・相手と視線を合わせる回数が多い人は、人と一緒にいたいという親和欲求が高い。
・相手を支配したいという欲求の強い人は凝視する傾向がある。
・社交的な人、気配りする人、依頼心の強い人は、相手を頻繁に凝視する傾向がある。
 なお、これはいずれも、大人についての知見ですが、子どもの視線から何かを読み取るときのヒントになるかと思い、引用してみました。

●情報を集めるための視線
 視線には、もう一つ別の大事な役割があります。それは、視線は、外から情報を収集する役割です。
 視線の動きは、受動的なところと能動的なところとがあります。目立つもの、自分の興味、関心のあるものには自然に視線が向けられます。一方、みずからの意志で見たいものに視線を向けることもできます。
 コミュニケーションの状況に限定しても、視線を向けることによって、相手からさまざまな情報を得ることができます。
 相手の視線の動きや顔の表情から感情を推しはかることができるのも、そこに視線を向けたからです。あるいは、相手のジェスチャーから、相手の強調したいことや訴えたいことを探るのも、視線による情報収集の一つになります。言葉不如意の子ども相手では、特にこうした情報収集という観点からの視線配りも必要となります。

●視線をコントロールして気持ちを平静にする
 最後に視線に関する余談を一つ。
 PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)の治療のひとつに、過去の心的体験(トラウマ)が不本意に想起されて(フラッシュバックして)気持ちが乱れた時、規則的に動かす手先に視線を集中させて気持ちを落ち着かせる手法があります。視線の動きの方に注意を誘導してトラウマから気を逸らさせる手法です。
 英語では、Eye Movement Desensitization and Reprosessing 、略してEMDRと呼ばれています。
 日常的にもこれに類したことをすることがあります。じっと一点を見つめたり、動く指先を目で追ったりして気持ちを落ち着かせるのです。
 こんなことにまで思いをはせると、視線って本当におもしろいです。