ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

沖縄・鹿児島 その2

2012-02-10 14:51:47 | 日記
翌2月1日は、まず宮古島市役所で「環境モデル都市」としての取り組みについてお伺いしました。

 宮古島市では、①食料やエネルギー資源を島外に依存しており地産地消による資源循環が必要、②ライフスタイルの変化や産業経済活動の活発化に伴い自然環境への負荷が増大してきていることから、生活資源となる水を始め観光資源でもある自然環境の保全が必要、③地域産業の振興による雇用の確保が必要、という考えから持続可能な成長を基本理念に、「環境モデル都市」として取り組みを進めています。

 具体的な取り組み事例として、①基幹作物であるサトウキビの製糖残渣を原料にバイオエタノール燃料を製造し、バイオエタノール製造時の残渣液を液肥や飼料にすることで島内のサトウキビの循環させる「宮古島バイオエタノールプロジェクト」、②離島の独立系統に太陽光発電設備等を大量導入した場合の影響を把握・分析し、必要となる系統安定化対策に関する知見を得る「離島マイクログリッド実証実験」、③宮古島の気候風土から生まれた伝統的な住まいづくりに自然エネルギー利用技術を組み合わせた住宅を整備し、環境共生型住宅の技術情報を発信するとともに、地域に応じた省エネ型住宅の普及を図る「エコハウス整備事業」、④点在する新エネルギー施設を4つのエリアに分けて、周遊しながら新エネルギーを体感する「宮古島市次世代エネルギーパーク構想」、などがあります。
 今後、①島内運輸部門のCO2フリー化(バイオエタノール・電気自動車の普及)、②農業システムのゼロカーボン化(灌漑施設への太陽光エネルギーの活用など)、③エコツアーなどの観光メニューの充実強化、④天然ガスや海洋エネルギーなど未利用資源の有効活用(潮力発電など)といったことに取り組んでいきたいとのことでした。

次に、市街地型エコハウスを見学しました。
 夏に湿気が多くその対策が必要とのことから、木製カウンターや日よけ効果や暴風対策になる「花ブロック」があったり、床レベルの換気を促し湿っぽさを解消する「地窓」があったりといった工夫がなされており、室内は涼しくさらっとしている印象でした。
 また、炭酸カルシウム入りブロックが日にあたってもあまり温度が上昇せず涼しいということで天井などに試験的に使用されているとのことでした。

その後、2009年11月にいろいろなエコの取り組みがなされている「エコストア」として開業したイオンタウン宮古南ショッピングセンターを見学しました。
 屋外では、太陽光発電システム、風力・太陽光発電照明、壁面緑化の導入、電気自動車用充電器の設置などが、屋内では、オーバーヘッドキャノピー照明(これまでより蛍光灯の本数を減らした冷ケース)、磁器質タイル(ワックスがけ不要)などの使用、店内採光窓の設置などがなされていました。

 宮古島市の取り組みも、地域の特性や地域での廃棄物などを活かした取り組みといえると思います。
 エコハウスは、沖縄の気候に合わせた建物ですから、本州には直接的には取り入れにくいと思います。宮古島市の担当者もむしろ東南アジアなどに展開ができないか、というお話でした。
 しかし、考え方は面白いと思いますし、炭酸カルシウム入りブロックは本州でも取り入れることができるかもしれません。
 炭酸カルシウムは、宮古島で地下水を飲料水化する際にできるらしいのですが、大変重たく運搬に費用がかかることになるようですが・・・。
 エコストアの取り組みは、本州でも取り入れることができるものが多いと思いますので、非常に参考になるのではないでしょうか。

市街地型エコハウス(写真右側が花ブロック)


市街地型エコハウスの前で


市街地型エコハウスの中で


エコストアで難しい顔をしながら店長の話を聞く


風力・太陽光発電照明


壁面緑化


電気自動車用充電器


店内採光窓