ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

沖縄・鹿児島 その1

2012-02-08 17:34:23 | 日記
1月31日(火)~2月2日(木)まで民主党神戸市会議員団の視察で沖縄と鹿児島に行ってきました。

まず沖縄県庁で、経済特区などについてお伺いしました。

 沖縄県は、これまで地理的状況から物流コストや通信料が高かったりしたため、製造業など産業が育ちにくい環境にありましたが、東アジアの中心に位置する地理的状況を活かし、情報通信産業を21世紀にむけた中核産業と位置付け集積・振興を図る取り組みが行われています。

 その振興策のひとつとして、沖縄県には①情報通信産業特別地区、②金融業務特別地区、③特別自由貿易地域の3種類の経済特区が認められています。
 それぞれ税制上の優遇措置が認められていますが、「情報通信産業特別地区」は対象事業が限られており対象事業所は0で、「金融業務特別地区」は対象地域が名護市しか認められていないことから現在対象事業所は0となっており、使い勝手の悪い制度となっているとのこと。
 情報通信産業には別途「情報通信産業振興地域」という制度で税制上の優遇措置が認められている他、沖縄に進出する企業への支援策としてハローワークの地域雇用開発助成金や、県などによる人材育成支援事業、沖縄振興開発金融公庫の融資制度があります。
 また、沖縄IT津梁パークなどのインキュベート的な支援施設が整備されています。
 沖縄IT津梁パーク内の民間IT施設の整備には、県がオーダーメイド的に建物を建築し、入居企業に15年間使用料6,000円/坪で賃貸するというスキームがとられています。
 さらには、新たな通信環境としてGIXという直接アジアに通信できるインフラを整備しています。

 「特別自由貿易地域」は、うるま市にあって、分譲用地・賃貸用地・一般製造業向け賃貸工場・素形材産業向け賃貸工場などがあり、税制上の優遇措置の他、企業立地サポートセンターによる支援や地域内で製造した製品を輸出する場合の物流コストの助成などが受けられます。
 なお、那覇市に自由貿易地域があり、こちらは国税の所得控除の優遇措置が受けられません。
 また、それぞれの優遇税制の適用期間は平成24年3月31日までであり、4月1日以降の新たな優遇税制については今国会で審議される予定とのことでした。
 今後の課題として、本土より物流コストがかかることから製造業の立地は進んでおらず、リスク分散や電力の安定供給をアピールして誘致していきたい、また、3,000名/年の工業系学卒者がいるが、工業系の就職先がまだ十分確保できていない現状があり人材がいることもアピールしていきたいとのことでした。

 神戸市は、兵庫県などとともに「関西イノベーション国際戦略総合特区」が認めらましたが、沖縄の特区のように使い勝手の悪い制度になっては意味がありません。
 他の共同提案した自治体と連携して、地域特性を活かすことができ、現状のニーズに即した特区となるよう取り組んでいくべきだと思います。
 また、先端医療や港湾といったソフトやインフラの整備をアピールするだけでなく、神戸市にも神戸大学や神戸学院大学など多くの高等教育機関があることから、もっと人材面のアピールを含めて企業誘致を進めていくべきではないでしょうか。