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2022年は客観的な予想を心がけます。

宝塚記念(GI)展望・1

2006-06-17 20:02:09 | 見解
 昨夜はクロアチア戦をテレビ観戦。〝絶対に負けられない戦い〟であったが、結果は何とか引き分けに持ち込んだ。以前から言われている決定力不足だが、かなり深刻な印象を受けた。次は世界王者ブラジル。「2点差以上での勝利」が絶対条件だけに現実的に考えれば絶望的といえよう。だが、思えば野球のWBCも崖っぷちからの優勝であった。最後まで信じたい。
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 金杯から始まった06年だが、早くも上半期を締めくくる宝塚記念(GI)を迎える。今年は出走登録馬13頭と少数なのは寂しい限りだが、何と言ってもディープインパクトが出走する。10月に行われる凱旋門賞への壮行レースとして負ける訳にはいかない。その他にも、前走のシンガポール国際Cを制し、地方所属馬として初の海外GI制覇の偉業を成し遂げたコスモバルク、GIで善戦を続けるリンカーン、04年の皐月賞馬ダイワメジャー、昨年のマイル王ハットトリックなど、少数精鋭のメンバーが出揃った。阪神競馬場の馬場改修工事のため、京都競馬場で行われる今回。締めくくるに相応しいレースを期待したい。

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ディープインパクト
果たして今回もどんなパフォーマンスも見せてくれるのか。前走の天皇賞1着は、フワッとした発馬で後方から。これは好発を決めて掛かった菊花賞の反省を生かしたもの。その甲斐あって、懸念された折り合いも後方2番手でピタリ。向こう正面で除々に外目へ持ち出すと、3角でスッと鞍上が軽くアクションを起こすと、瞬時に反応して馬なりのまま一気に先頭へ。後半4ハロンを11秒3→11秒0→11秒2→11秒3と、他馬では決して真似できない破格ラップで駆け抜けての圧勝。しかも、テンから淀みない流れのなかでのもの。あのマヤノトップガン持つレコードを1秒更新したのも頷ける。凄い脚が長く使えて、鞍上のアクションにも瞬時に反応する。最近では調教駆けしなくなったように実践と稽古を使い分ける頭の良さ。すべてを兼ね備えたサラブレットの理想型だ。2200㍍に替わるが、神戸新聞杯、ダービーの走りから勿論、不安材料にはならない。今回も3~4角からのロングスパートで押し切る。天皇賞の疲れは中間の調整過程を見れば皆無。不安は雨だけ。

リンカーン
前走の天皇賞は2着だったが、従来のレコードをコンマ4秒更新する健闘ぶりだった。下見から気合い乗り満点の好気配。道中は好発を決めてスッと中団馬群のなかを追走。ディープが動いた3角で除々にポディションを上げていくと、4角で外目へ持ち出して仕掛ける。一旦は勝ち馬に迫るかの脚色だったが、最後は力の違いを見せ付けられてしまった。ただ、相手が悪かっただけで内容は文句なし。折り合いに心境を見せて過去2年の雪辱を果たした。前々走の日経賞1着はラスト5ハロンから12秒8→11秒9と一気に速くなる持続ある流れ。各馬が早めに仕掛けるなか、同馬はワンテンポ置いた仕掛け。直線で早めに抜け出したBトルネードを余裕綽々で差し切った。昨年の有馬記念3着では直線で致命的な不利。それがなければディープに先着していた。昨年のこのレースはTDシチーの作る淀みない流れを4角で早めに動き、自ら勝ちに行く強気の競馬。さすがに最後甘くなって差されたが、見せ場十分だった。本来、ゆったり競馬できる2400㍍以上の距離がほしいのは確かだが、底力、実績はメンバー屈指。そして、何より鞍上(横山典騎手)と手が合う。仕掛けどころを間違えない。


コスモバルク
前走のシンガポール国際Cで念願の海外GI制覇。これは地方所属馬初という快挙だった。道中は重たい馬場に脚を取られることなく2番手追走。前半はやや行きたがったが、その後はスムーズ。直線入り口で内へモタれるも、そこから左ステッキで立て直して懸命に末脚を伸ばす。最後は後続にコンマ3秒差を付ける圧勝だった。前々走の日経賞8着は向こう正面で掛かったとはいえ止まり過ぎ。3走前の有馬記念4着は道中、好位のインと絶好の位置からの追走。課題だった折り合いも付き、スムーズな競馬。勝負どころの3~4角で積極的に仕掛けると、直線入り口で先頭へ踊り出る。最後は抵抗できないままに勝ち馬に交わされたものの、積極的な内容は評価できる。切れる脚がないだけに、早めの競馬は正解だった。メンバーを見渡す限り、ハナを奪って平均ペースの流れに持ち込める。それとも、大逃げでディープの仕掛けを難しくさてはどうか。検疫の影響で帰国が遅れただけに仕上がりもポイント。

シルクフェイマス
前走の天皇賞11着は距離適性外の3200㍍で勝ち馬が早めに絡む展開ではやむなし。前々走の大阪杯は不得手の道悪。それでも、平均ペースの流れに持ち込み、ゴール前まであわやのシーンを演出。不利な条件でも良く頑張った。3走前の京都記念4着は連続開催の最終週の荒れ馬場で、先行馬には辛かった。今季は折り合いが付いて昨年のような不発がない。ベストの2200㍍で好位から粘り強い脚を発揮する。中間に球節の骨膜炎で順調さを欠いている。最終追いに注目。

ハットトリック
前走の安田記念13着では本命を打った。ドバイ遠征明けだったが、乗り込み十分で仕上がっていた。道中は好発を決めると、中団のインで末脚を温存。終始、経済コースをうまく立ち回って手応え抜群。直線もロスを避けて僅かな進路が開いている最内を突く。だが、ヨレた逃げ馬の煽りを受けて仮策に接触する大きな不利。手応えが残っていただけに悔やまれる敗戦だった。2走前、3走前は馬場やコースが向かず本来の力を発揮できなかった。昨年のマイルCS1着では上がり33秒3の強烈な末脚で一気の差し切り勝ち。決め手の素晴らしさを見せ付けた。今回のポイントは初の2200㍍への適性。超スローでスタミナを問われなかったとはいえ、2000㍍の天皇賞・秋が、大外を回ってメンバー最速の上がり32秒6を使っている。また、エンジンの掛かりの遅いタイプだけに、勝負どころの下り坂を利用して加速できる淀の外回りは大歓迎のクチ。2200㍍でも狙ってみたい馬だ。

カンパニー
前走の安田記念11着は向こう正面で急に外へ切れ込んだザデュークの煽りを受けて躓く大きなアクシデント。落馬寸前の大きな不利だった。3~4角でも手綱を引っ張る不利があった。これではこの着順でも致し方ないところ。また、中間に細菌に感染するアクシデントで若干の攻め不足。それが長距離輸送を挟んでのプラス8㌔に現れていた。前々走の大阪杯1着は道悪、強風という悪条件。それを後方のインでギリギリまで脚をタメる。そこから勝負どころで外目へ持ち出して乱戦に終止符を打った。最後まで衰えなかった集中力は高く評価できる。この馬もポイントは2200㍍への適性。だが、スタミナ馬場の大阪杯を克服した辺り、1ハロンの距離延長は大丈夫。中間の攻め過程に注目。


ダイワメジャー
前走の安田記念4着は流れが向かなかった。本来は平均ペースの淀みない流れを早めに先頭へ立って押し切る競馬が得意。しかし、この日はハナへ立ったMボーラーが折り合いに専念したために、流れが落ち着いてしまった。それに、最内枠発走でスムーズに自ら動くことができず、直線の瞬発力勝負に。ラスト1ハロン地点までは懸命に抵抗したものの、最後は決め手の差がモロに出てしまった。今回は2200㍍になるが、皐月賞勝ちがあるし、距離が伸びてむしろ自ら動きやすい分、プラスに出る可能性も。早めに押し切る競馬で活路を見出す。

バランスオブゲーム
前走の安田記念17着は好位追走するも、後ろからのプレッシャーや他馬と接触するアクシデントがあって全く力を出し切れなかった。前々走の中山記念1着が圧巻の内容。道悪だったが、意を決してハナへ立つと、平均ペースの軽快なラップを刻む。他馬が悪戦苦闘するなか、同馬は最後まで脚色が衰えることなく、後続に5馬身差を付ける圧勝だった。パンパンの良馬場での時計勝負では辛い面があるが、梅雨期だけに、雨が降って馬場が渋れば一気に浮上する。

トウカイカムカム
前走の天皇賞5着は道中、好位のインで経済コースを通って脚をタメる。勝負どころで馬込みに包まれて位置取りが悪くなったが、直線で外目へ持ち出して伸びた。このメンバー相手に善戦できたのは大きな収穫だったろう。今回は2200㍍になるが、実績はあるし、勝負どころをスムーズに捌いてどこまで。

アイポッパー
前走の目黒記念2着は道中、中団のインで末脚を温存。終始、経済コースを立ち回る。だが、直線ではゴチャついて前が開かず。ようやく直線半ばから追い出されると、今度は外からSツイスターに寄られる不利。そこから鋭い伸び脚で猛追するも、クビ差届かなかった。緩い馬場、勝ち馬との斤量差、直線の不利を考えれば負けて強の内容といえよう。前々走の天皇賞4着でも、勝負どころでバテ馬の煽りを受けて後方まで位置取りを下げる不利。そこからの伸び脚は目立っていた。良馬場なら切れる脚を使える馬。京都2200㍍は準OP在籍時に、超スローとなった古都SでHロマンス、Sセンチュリー、Aセレソンらを差し切っている。晴れることを願う。

ナリタセンチュリー
前走の天皇賞12着は1年2ヶ月ぶりの実践。いきなりのGIの長丁場ではガソリン切れは仕方ない。叩いて果たしてどこまで変わり身を見せるのか。晴・雨兼用の鋭い決め手はGIでも通用する。Zロブロイが秋GI3連勝を飾った直前の京都大賞典で、大外から目の覚めるような末脚で差し切ったのは今でも脳裏に焼きついている。京都外回りはベスト舞台。あとは仕上がりだけ。

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