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東京新聞杯(GⅢ)回顧

2008-02-04 00:20:58 | 回顧
【馬場】野芝約4~6cm、洋芝約8~12cm。Dコースの開幕週。


12.4 - 11.0 - 11.6 - 11.5 - 11.2 - 11.5 - 11.7 - 11.9=1:32.8

【展開】ローレルがハナ。3ハロン目からスンナリの流れ。4角手前で掛かったアポロがハナへ立ってペースが上がるも、基本的には直線の決め手勝負。

〝最強の一勝馬〟ローレルゲレイロが府中マイルで堂々の逃げ切りV。中間の坂路では半マイル50秒台を連発。6㌔増の馬体も成長分で、デキは最高潮だった。7番枠からスッとハナを奪うと、2ハロン目で外から来られて若干速くなったものの、3角からしっかりと息を入れ、ペースを落とす。4角手前から掛かったアポロノサトリが競りかけてハナを奪われるも、鞍上の藤田は慌てることなくジッと2番手に控える。内、外の間隔があったので、それほどプレッシャーにはならなかった。直線を向き、絶好の手応えで先頭に踊り出ると、追い出されてからも極端に脚が鈍ることなく、ラスト1Fを11秒9と踏ん張る。最後はギリギリ凌いだ。開幕週のパンパン馬場で、スムーズな展開。恵まれたのは確かだが、1分32秒8の勝ち時計は優秀だ。CP着用とハナへ立つことで集中力がグンと増している。攻めで見せる絶品の動きからも、もともとの潜在能力は相当。それに精神面がついてきた形だ。

 リキッドノーツは発馬直後に意識的に下げて後方に控える形。押して進まないカンパニーとは対照的。3角手前では先頭から8馬身くらいのところ。前走とは違い、外々を通らされることなく、ロスなく脚を温存することに成功。直線を向き極力ロスのない誘導で大外へ出すと、ピッチの利いた回転の速いフットワークでグンと加速。坂を上りきったところで左手前に替え、もうひと押し。開幕週で先行馬有利の流れ。後方の大外からよく追い上げている。上がり3F33秒4の脚は際立っていた。中途半端に前へ行くより極端な競馬が合うようだ。今までの詰めの甘さが嘘のよう。

 タマモサポートは久々だが、年明けから坂路で入念に乗り込まれ、仕上がっていた。1番枠からスッと馬なりで先行。ハミにモタれることなく、リラックスした追走姿。終始、絶好の手応えで経済コースを立ち回る。4角から直線にかけて痺れる絶好の手応えで2番手集団から抜け出す。スパートを開始させた時点で勝ち馬とは2馬身ほど。手応えからすると差し切れる雰囲気だったが、いざ追い出されてからの反応は案外で、ジリジリとしか脚を使えず。ゴール前でギリギリまで迫ったが届かず。鞍上によれば「坂が全然ダメ」と。平坦向きのようだ。開幕週で経済コースを立ち回れた恩恵は多大だが、4角の脚力は本物。力む癖があるので距離短縮はプラスに左右した。スピードの持続性を生かせるタイプ。

 1番人気に推されたカンパニー。仕上がりは良好だった。だが、レースでは発馬直後から手綱を押しても全く進まず。後方に置かれる。ようやく流れの緩んだ3角で馬群に取り付くと、そこから4角まではインに潜り込み、極力ロスを回避。直線で右手綱を引いて大外へ誘導する。だが、そこから外のハイアーゲームにビッシリと競られる厳しい形。なかなか抜け出せないものの、一完歩毎にジワジワ伸びる。残り1ハロン地点では、内から突進される不利。それでも、長く脚を使って際どいところまで迫った。58㌔を背負い、形は作った。年齢から来るズブさでテンに行けなくなっている。マイルの時計勝負では限界がある。今なら2000㍍ないと厳しいし、直線も長いほうがいい。狭いところを割る一瞬の脚力は影を潜めた。次走予定の中山記念も取りこぼす可能性は十分。

 ハイアーゲームは2500㍍を使われた直後だったが、発馬直後から抑え切れない感じ。テンは少し掛かり気味で先団を伺う形。折り合いを大事にした鞍上は手綱をグッと抑えて3角で後方までポディションを落とす。その甲斐あって4角では手応え十分。直線で大外へ持ち出すと、カンパニーと馬体を接触させて激しい攻防。外から2着馬にも来られ苦しい形。それでも、長く脚を使って追い込めたのは評価できる。開幕週の時計勝負でよく脚を使っている。流れに合わせることなくメリハリを大事にした鞍上の好判断。

 ジョリーダンスは本当に惜しかった。道中は10番枠から中団馬群に取り付き、3角あたりでは行きたがっていたが、前に馬を置いて壁を作ることに成功。折り合って脚をタメられた。4角から直線にかけての手応えも十分で、馬群に突っ込む。だが、前横ともにビッシリと壁になって抜け出すスペースがない。残り1ハロンを切ったところで寄れたエイシンとコイウタの間にできた僅かな隙間に突っ込む。残り80㍍あたりで右ステッキが入るとグンと加速。一気にごぼう抜きした。完全に脚を余した格好だ。行きたがる面があり、テンに脚をタメられるかがポイント。1400㍍がベスト。

 エイシンデピュティ8番枠からジョッキーが重心を低くして先行。マイル2戦目ということでスンナリ行けた好位の外めに取り付く。ズブいタイプで、4角で早くも手綱が動き始め、直線を向いてもスッとは反応できない。前脚を突き上げる独特のフットワークで渋太く伸びる。右→左→右→左と直線で何度も手前を替えていたように、余裕はない。しかも、残り1ハロン地点で内の馬が寄れたのを過敏に反応して外に膨れる悪癖を出す。ゴール前は決め手の差が出て一気に差された。元々マイルは短いが、1分32秒台の高速決着では限界があった。

 サイレントプライドは大外枠発走からテンは中団に取り付く。かなり内の馬とは間隔があったが、3角で仕掛けて好位の外めに入る。流れに合わせて動く形になったし、終始、外を回らされる展開だった。残り1ハロン地点では内から突進される不利が。決め手がないだけに流れが落ち着いたのも響いた。ベストは中山1800㍍だろう。

 カネトシツヨシオーは直線で内へモタれる感じでジョッキーが満足に追えていなかった。右回りで見直しが必要だ。

 本命視したリザーブカードは、11番枠から抑え切れない感じの行きっぷりで中団馬群からの追走。手応え十分で期待を抱かせた。だが、直線で前にズブいエイシンデピュティがおり、その外側の進路を狙うもサイレントプライドにビッシリ競られて抜け出せない。残り2ハロン地点で一度手綱を引っ張りシーンがあったし、残り1ハロン地点では寄れたエイシンに突進される致命的な不利が。一旦後方に下がりながらも、最後まで集中した走りをしていた。次走でも狙い。