1969/04/09に生まれて

1969年4月9日に生まれた人間の記録簿。例えば・・・・

野球基地外!?

2008-05-31 23:15:22 | ライブの記録
「野球キチガイッ!」
ウチのチーム(KMリーグ)の保護者から言われた言葉だ。

本望ですっ!。

リョー坊をグランドに連れて行ったあと・・・・、

マスターズ甲子園予選、熊商VS熊西を観戦。
その後、高円宮杯熊本県予選、KSGチーム対HSGチームを観戦。
その後、マスター甲子園予選、濟々黌VS学園付属(旧商付)を観戦。
その後、NHK旗高校野球、熊工VS鎮西を観戦。

ボクって、マチガイなくキチガイ?
ま、そんなことはどうでもいいんだけど・・・・・、
鎮西の立岡君、たぶんプロ。
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代役は誰?

2008-05-29 21:36:06 | リトルリーガーの記録
「おとーさん、なんか、カッコよくなったんじゃぁ~」
一月ほど前にボクとリョー坊のキャッチボール姿を見て、言いたくはないけどつい言ってしまったカミさんの言葉だ。
ボクもそれなりに努力してるってそういうことなのだ。

リョー坊の練習は、チームの練習以外に、月トレと木曜のバッセンとほぼ毎日のハネ打ちであることは、みんな知っていることと思う。

月トレ(月曜の「キッズ・ソフト」での自主トレーニング)、バッセン、ハネ打ち、全てボクが手伝ってるってワケじゃぁない。なんでかっていうと、ボクは一応サラリーマンで、それなりに忙しいからだ。

ボクが月トレに連れて行けないときは、カミさんが代わりに連れて行っている。
月トレのキッズソフトには、世話役として耳が凄く遠いKKTジィさんが毎回来ているけど、ノックはしてくれない。だから、ボクが行けないとき、ノック役はカミさんだったりする。
バッセンに連れて行けないとき、連れて行くのはカミさんだったりする。
ボクがハネを投げることができないとき、カミさんと次女のホースケが代役を務めているらしい。

最近のことだけど、リョー坊はハネ打ちだけじゃなくハネ投げをするようになった。
ハネ打ち、誰がするかってぇ?
ボク、カミさん、ホースケ。
「カミさん、ホースケ、なんか最近カッコよくなったんじゃぁ」
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我那覇選手、ヨカッタネ!。

2008-05-28 18:28:09 | 雑談の記録
我那覇選手の訴えが認められてホントに良かった。

「アホキ、ザマーミロッ!」。
このことを詳しく知りたい人は、昨年の11月20日、26日、30日のボクのバカ記録を読んでね。

以下、今日の毎日新聞(毎日jp)記事より引用

サッカー:我那覇の訴え認める…ドーピング問題でCAS

練習に取り組む我那覇和樹=2007年2月16日、長谷川直亮撮影 サッカー元日本代表でJ1川崎のFW我那覇和樹(27)がJリーグから受けたドーピング禁止規定違反の処分取り消しを求めた問題で、スポーツ仲裁裁判所(CAS、本部スイス・ローザンヌ)は27日、我那覇の訴えを全面的に認める裁定を下した。

 「我那覇の行為はいかなる制裁にも値しない」と結論づけ、Jリーグに対し、我那覇が受けた6試合出場停止処分の取り消しと、我那覇側の弁護士費用などのうち2万ドル(約206万円)の支払いを求めた。今回の裁定は最終決定となる。

 我那覇は昨年4月の練習後に体調不良を訴え、チームドクター(当時)の後藤秀隆医師から生理食塩水とビタミンB1の点滴(静脈内注射)を受けた。CASは、我那覇自身の意思ではなく、医師の判断で施された「正当な医療行為」と認め、「点滴は必要なく、12~24時間何もしないで待つべきだった」とするJリーグ側の主張を退けた。

 Jリーグが判断基準の参考にしていた世界反ドーピング機関(WADA)の07年当時の規定では、静脈注射は禁止薬物の有無にかかわらず「正当な医療行為を除き禁止」と定めていた。先月30日から東京都内で行われた非公開の聴聞会では、「正当な医療行為」かどうかが争点となり、医学的な見地から両者の主張が対立していた。

 この問題で我那覇は既に6試合の出場停止を終え、川崎は1000万円の制裁金を科せられた。また後藤医師は昨年11月、チームドクターを辞任した。

 我那覇、Jリーグは28日にそれぞれ会見する予定。

 ◇CAS裁定の要旨は次の通り(CASホームページなどから)。
 ・6試合の出場停止処分を取り消す。

 ・Jリーグは申立人が負担した弁護士などの費用のうち2万ドルを支払う。

 ・我那覇は下痢、脱水症状で経口摂取が困難であり、他に有効な治療はなかった。

 ・点滴は医師の判断で行われ、我那覇にはいかなる制裁も科せられるべき事案はなく、違反があったかどうか判断する必要すらない。

 ・Jリーグの規定では、すべての違反に制裁を科す義務はなかった。

 ・Jリーグの規定は、「正当な医療行為」かどうかを決める詳細な条件が明確ではなかった。

 ▽日本サッカー協会・川淵三郎会長 我那覇の名誉が回復されたことはよかったと思う。ただ、その行為が違法だったのか、どうか。何がどう悪かったのかには触れられていない。そのため焦点がずれて違和感のある回答となった。納得しづらい内容になってしまったと思う。

 ◇我那覇「いい方向に結果が出て良かった」
 我那覇は川崎市内でチーム練習に参加した後、「いい方向に結果が出て良かった。これまでやって来て良かった。長く苦しい道のりだったが、周りの人のサポートや支援でここまで来た」とほっとした様子を見せた。

 ただ裁定の詳細はまだ聞いていない様子で、「弁護士を通して中身を聞いた上で、何らかの形でコメントしたい」と慎重に言葉を選んだ。

 川崎の武田信平社長は「(制裁金1000万円は)返還されると思う。28日のJリーグの会見を待ち、話し合いをする」と話した。我那覇の6試合出場停止処分については「(既に処分を終えているので)取り戻すことは考えられない」と困惑しながらも、クラブとして何ができるかを検討する姿勢を示した。

 また、「歯を食いしばってよく乗り越えたし、彼を支えてくれた多くの皆様に感謝しなければならないと思う。問題に決着が着いたことで、よりいっそうプレーに集中できると思う」との談話を発表した。

 一方、Jリーグは「コメントできない」と話した。【江連能弘】

 ◇スポーツ仲裁裁判所(CAS)
 1984年、スポーツ問題の解決を目的に国際オリンピック委員会(IOC)が中心となりスイスに設立。今月16日に出した裁定では、義足の南アフリカの選手に、健常者のレースへの出場を認めた。スポーツの専門家や法律家が仲裁人に指名され、今回は小寺彰東大大学院教授、00年シドニー五輪の競泳代表に漏れて訴えた千葉すず選手の時も仲裁人となったハンス・ナター(スイス)、マルコム・ホームズ(豪州)の3人が務めた。

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チョット記録

2008-05-27 08:37:18 | 雑談の記録
先週、熊本に戻ってきてからナンヤラカンヤラ忙しくって、記録するヒマがなくって、でもホントのところは記録するのがメンドくさかったって、そういうことなんだけど、一週間ぶりにこのバカブログを覗いたらちゃんと見に来てくれる人がいたりして、ホント申し訳ないっす。

だからチョットだけ、記録しておきたい。

この1週間の間に、かなり接近できた有名人は・・・・

①シガスガオじゃなかった、スガシカオ。
スガ君の第一印象はヤセッポチンだね。
第二印象は、ホントに目が悪いんだね(近視?)。伊達メガネではなかったような?。
歌声と違って、喋るときの声はフツーなんだね。

②額賀財務大臣
ツマンネ。話しナガスギ。

③偉大なるYESマン武部勤自民党前幹事長
登壇前に、下唇に一生懸命リップクリームを塗っていた姿がなんともほほ笑ましかった。
そのとき、ボクは彼の横にいたんだけど、「塗り過ぎてすべらないように」ってツッコミ入れたくてどうしようもなかった。
試練だった。
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袖投げ!?

2008-05-19 21:35:23 | リトルリーガーの記録
リョー坊が、また、考えた。


長袖シャツの右袖に右手を通さずシャトルを挿入。




       セット完了!




      せいのっ、トリャッ!







人間は腕が無くてもストライクを取ることが出来るのかもしれない。
馬鹿だね、人間は!。
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「物語」の理由

2008-05-17 21:20:17 | 雑談の記録
物語の連載を始めてから毎日80~150(IP確認)人くらいのアクセスがあって、ありがたいことだと思っている。

どんな人たちが読んでいるか、サッパリわかんないけど、トニカク、ありがとうと言いたい。
「ありがとう」
読んでくれてる殆どの人とボクの間には繋がりがないと思っているのはボクだけかもしれないけど、読んでくれてる人にもそれぞれの「物語」があることを想像すると嬉しくなる。


さて、今回、「物語」を作ったのには理由というかキッカケがある。
そのことを記録しておきたい。

GTO島での調査は日頃熊本でやっている調査とは違って、金額的にも現場的にも問題が多かったんだ。これらをクリアするためには、その困難に挑戦しつつ利益を生むことができるボーリングチームを編成する必要があったんだ。
そこで白羽の矢が立ったのが、NKN機長をはじめとした優秀?なボーリングマンを率いるTNK社長んとこのボーリングチーム。TNK社長んとこのボーリングチームは佐世保を根城にしているんだけど、北海道を除く日本全土が仕事場。中越地震のときなんか、国の要請を受けてスグに現場に急行したらしいんだけど、乗り込みがあまりに早すぎたことと、関係機関の連絡ミスで、危険過ぎるとの理由で雪山から一時退去を命ぜられたツワモノチームなんだ。
また、TNK社長は磯釣りが好きなんだけど、時化で瀬渡船が近づけなかった一晩、体を灯台にくくりつけて荒波と戦ったことがあるという経験の持ち主。
ようするにバカなんだけど・・・、

そんなTNK社長とのつきあいは5年になる。
困難な現場のときだけ世話になってるってアンバイだ。
話しはかわるけど、今回の調査が始まったばかりのとき、飲み会の席でNKN機長がボクに耳打ちした。
「あのね、TNK社長はね、hiratakuwaさんが現場を担当するから、この仕事を受けてるんだよ」
ハッキシ言ってプチ自慢なんだけど(スーパーお世辞の可能性も有り?)、トニカク、そういうことを言われて悪い気持ちはしない。

なんだか、話しが長くなってるけど、ここからが重要な部分だから最後までお付き合い願いたい。

TNK社長はもうすぐ60歳という年齢だ。
その昔リトルリーガーの保護者で、息子さんはシニア、高校、大学まで野球を続け、現在は公立中学校の先生。いずれ野球の指導者になることは間違いないだろう。息子さんは、大学時代、福六リーグのFK大学で四番打者をつとめ、同世代のプロ野球選手である馬原や新垣と対戦したことがあるらしい。

そんなTNK社長はいつも「私は野球が大ッキライ」と前置きしながら、息子さんのこと、少年野球のことをホントに嬉しそうに話してくれるんだ。
そしてボクの話しを聞いて「ハマっちゃってるねぇ~」なぁんて目を細めてくれるんだ。

そんな野球の話しを嵐の船の中でしてて、いつの間にか居眠りぶっこいてしまったんだけど、フト気が付いたら佐世保と少年野球とTNK社長をモチーフにした物語が自然と頭に浮かんできたんだ。そして、寝返りを打った瞬間に船の大きな揺れでゴロゴロ体が転がって隣の人にぶつかったんだけど、そのぶつかった人が実はTNK社長だったとそういうことなのだ。

現場作業が全て終了した昨日の夕方、先にフェリーで帰る機長助手のHDKさんに、ボクは出力した「物語」をTNK社長にって渡したんだ。

ボクは今朝、島を離れたんだけど、佐世保港では社長さんがボクを待っていてくれた。
「やっぱぁ、仕事はしとらんねぇ~」
TNK社長はスゴク嬉しそうに罵声を浴びせた。

実は「物語」と一緒に今度の大会のための広告依頼の文書を挟んでいて、ちゃっかり広告料をゲットしたとそういうことなのだ。
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とりあえずサラバGTO

2008-05-17 09:09:55 | 仕事の記録
一時間後に船に乗る。
GTO島にサヨナラだ。

約1ヶ月の調査作業だったけど、いろんなことがあったなぁ。
そうだなぁ、先ず、お礼を言わなきゃなぁ。

ボーリングチーム機長(キャプテン)のNKNさん、無理なお願いを聞いてくれるばかりか、様々なトラブルを解決してくれてありがとうございました。
そのほか、ボーリングチームのYSTさん、MYZさん、HDKさん、TRTさん、土木業者のNKMさん、NKNさん、YMDさん、物理探査チームのSKSさん、YMGさん、OTAさん、測量のMTIさんとその娘さん、所長のDYMさん、宿の支配人とその奥さんとパートのおばちゃんたち、中学校のNRM教頭先生、それと夜のお店のお姉ちゃんたちとオカマの○○ちゃん、本当にお世話になりました。

たぶん、また来ますんで、そんときも色々とお世話して下さい!。


それから最後にひとこと言っておきたい。

「カラス!、トンビ!、人が弁当食っているときに、頭の上を旋回すんなっ!ボケェっ!」
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リトルリーガー -愛する人のために- 「後編」

2008-05-16 18:11:16 | 雑談の記録
ペンシルベニア州のウィリアムスポート。合衆国の北東部に位置している。ワシントンDCから北方約260kmにあり、人口3万1千人の街でかつては林業で栄えていた。しかし、現在は年に1度開催されるリトルリーグのワールドシリーズがウィリアムスポートを特別な街にしている。住民もそれを誇りに思っている。ウィリアムスポートはリトルリーグ発祥の地なのだ。そして、このワールドシリーズはクラブチームの世界一決定戦という意味においては、「本当のワールドシリーズ」なのである。

ウィリアムスポートには市街を北と南に二分するWest Branch Susquhanna川が東に向かって流れている。
ワールドシリーズが行われるラマダ・スタジアムは、このSusquhanna川の南側の河川浸食によって形成された丘陵地に位置している。その丘陵地を巧みに利用してラマダ・スタジアムは1959年に建設され、両翼69mのリトルリーグ専用のグランドと観覧スタンドがあり丘陵部を含めれば40000人が収容できる。


8月下旬の午後。ウィリアムスポートは快晴。気温は25℃を超えようとしていた。
スタジアム周辺には続々と人々が集まっている。ワールドシリーズの決勝戦を楽しもうとする老若男女だ。
外野席のさらに外には球場が見渡せる丘陵部があり、そこに幾つものパラソルが開き始めている。

ウィリアムスポートは北海道と同じくらいの高緯度地方にあるが、内陸に位置しているため夏の真昼は高温になりやすい。空気は乾燥している。
プレイボールは午後3:30分。
グランドの気温は、その日の最高を記録した後、徐々に下がり始めていた。

一塁側のベンチは「NORTHWEST」。三塁側は「JAPAN」。
両リーグの子供たちは、試合開始を今か今かと待ち構えている様子だ。

三塁側のスタンドには当然日本人が多い。お決まりのハッピにハチマキ姿がウチワを扇いでいる。それをテレビクルーのカメラが追っている。

マイクはスタンド方向に視線を投げる。
母の姿を期待しているワケではないがスタンドに目を向けるのが癖になっていた。
ここまでの戦いの中で、彼はマウンドからスタンドを見ることがあったが、全て期待を裏切られていた。父スミスのことも心配だった。
スタンドに目をやるマイクにチームメイト全員が気付いていた。
時折集中力を欠くマイクに、バックが声を掛ける場面が何度かあった。
しかし、子供たちは勝ち進むことがマイクの願いを叶える最善の方法と思いながら、ここまで熱い戦いを繰り広げてきていた。

マイクはスタンドから目を離した。
スタンドはもう見ない、そう決めた。


リョウタロウは無口だった。
父の葬儀には日本から数人の親族が出席していたが、彼の孤独に変わりはなかった。
父の死後、彼は無表情になった。
チームの雰囲気も決して良いとは言えず、感情を表さないリョウタロウに気を遣っているようだった。しかし、そのことが戦いには吉と出ていた。
チームはベーリング海のようにいつもクールだった。


「プレイボール!」
主審の声がグランドに響いた。

先攻は「JAPAN」。
踏み荒らしの全く無いバッターボックスに入ったのはヒロシ。チーム一の俊足だ。
彼は今まで一番バッターとして数多くの試合に出場してきた。いつの頃か定かではないが、彼はまっさらな打席に自分の踏み均しを刻むことに快感を覚えていた。
緊張は無かった。夢にまで見たワールドシリーズのバッターボックス。彼は主審に会釈をするといつも通り左足から打席に入った。

しかし、打席に入ってマウンドのピッチャーと対峙した瞬間、彼の中に違和感が芽生えた。
マウンドに立っているのは去年まで喜びや苦しみを共にしてきたリョウタロウのはずだった。しかし、今、目の前にいるリョウタロウは思い出のチームメイトとは違って見えた。
ヒロシはバットを振ることができず三振に終わった。

それは「JAPAN」の子供たちに瞬く間に伝染した。
2番、3番は凡打に終わった。

「NORTHWEST」の攻撃が始まった。
マウンドに立ったのはケイ。
リトルリーグのルールには投球制限がある。
「JAPAN」の作戦は、先発投手のケイで最小失点に抑えた後、中盤以降はマイクで逃げ切るというものだった。

「SASEBO」の一行がアメリカに渡り、既に10日が経過していた。
この間、「SASEBO」はグループDでのリーグ戦3試合、国際グループでのトーナメント戦2試合、合計5試合を戦っていた。
慣れない土地の上に慣れない食事。環境は佐世保と大違いだった。逆境での戦いだった。
しかし、それは、相手チームの「NORTHWEST」も同様だった。

ただ、ケイに疲労は隠せなかった。
皆もそうだったが、彼らに「疲労」という言葉は死語だった。
・・・しかし、そのことを一番気に掛けていたのは、キャッチャーのタカシだった。

「NORTHWEST」の先頭打者はスピードスターのケイソン。
ケイソンの本塁帰還は大会一位だった。
彼の出塁だけは抑えたいところだった。

ケイが一球目を投じた。
カーブが大きくコースを外れた。
タカシの懸念が的中した。

初回、先頭打者を四球で出したあと、二番打者には初球を犠打。三番打者には2-1のカウントからワイルドピッチ。どうにか三振を取ることができたが、走者は三塁に達していた。
タカシは「タイム」を要求しケイに駆け寄った。
四番打者の前に一呼吸をおきたかった。

二死三塁でバッターボックスに立ったのはイヌイットの血を引く強肩巨体のロイ。
1-3から甘く入ったストレートを完璧に捉えられ、打球は右翼席に突き刺さった。
ロイは巨体を揺らしながらダイヤモンドを回った。

しかし、この一発がケイの闘争心に火を着けた。
次打者はリョウタロウだった。
感傷などなかった。ケイはバッターに向かっていった。
左腕がしなる。
キャッチャーのタカシも懸命のリード。リョウタロウに声は掛けなかった。
2-2から外に逃げるスライダーをリョウタロウは上手く捉えた。
打球はライナーで左中間方向へ。ジャンプ一番、遊撃手のグラブに収まった。
それを見届けるとケイは真っ直ぐベンチに向かって走った。野手もそれに続いた。
「・・・リョウタロウ・・・、試合のあとでな・・」
タカシは、ベンチに戻るリョウタロウの後姿を見てそう呟くとベンチに向かって全力疾走した。
戦いは始まったばかりだった。


試合は投手戦となった。
「JAPAN」打線はリョウタロウの雰囲気に完全に飲まれていた。「JAPAN」のスコアには5回まで0が並ぶ。
一方「NORTHWEST」は1回裏の攻撃以降、得点につながる快音は鳴りを潜めていた。3回からマウンドに登ったマイクが踏ん張っていた。「NORTHWEST」のスコアは2点のままだった。

リトルリーグは6イニング制だ。投手には85球の投球制限がある。

「JAPAN」の最終回が始まった。
打席に入ったのは1番のヒロシ。好打順だった。
バッターボックスに向かう前、ヒロシはリョウタロウの投球数を聞いていた。
5回を投げて69球。と言うことは残り16球。
「JAPAN」の思惑は、投球数を意識し出したリョウタロウの甘くなるボールだった。
そこに活路を見出したかった。

初球、ストライクゾーンに入ってきたボールをヒロシはセンター前にはじき返した。
この試合、ノーアウトでの初ランナーだった。
「JAPAN」ベンチは活気づき始めた。

「JAPAN」はランナーをためたい。
「NORTHWEST」はダブルプレーを狙いたい。

次打席は本大会に入ってレギュラーを勝ち取ったマサヤだった。
バントの構えに内野手が前進してくる。
初球は高めのボールだった。
2球目、ボールからストライクになる変化球にバットを当てた。
ファール。
打席を外し、マサヤはベンチのサインを確認する。
3球目、ストレート。
バスター。
二塁手が一塁方向へ回り込みながらゴロをキャッチ。ベースカバーに入るリョウタロウへ送球、アウト。
進塁打となった。
ベンチに戻ったマサヤに選手達が声を掛ける。

スコアリングポジションにランナーを置いて、打席に入ったのはケイ。
ケイは2-3まで粘った。
6球目、ストレート、ファール。
タイミングは合っていた。
変化球も想定し次球を待った。
7球目、内角ストレート。
快音が響いた。センターへ抜ける鋭い当たりのようだった。
しかし、外野には達しない。
深い位置で遊撃手の好捕に阻まれた。一塁へ懸命の送球。
ケイの足が早かった。
一死一、三塁。

4番バッターはマイク。前打席では右中間方向へあわやホームランという飛球を放っていた。
外野はバックする。内野は定位置。
カウントは0-2。

リョウタロウはキャッチャーの要求する外角低めに3球目を投げた。しかし、リリースの瞬間、バッターの構えにたじろいだ。手元が狂った。スタートが遅れた。猛然と本塁にダッシュするランナーの姿が目に入った。


マイクは打ち損じたと思った。
ボールがピッチャー方向に転がる。
しかし、ピッチャーの出足が遅かった分だけ救われた。ボールのスピードが芝生のエリアに入って格段に落ちたことも功を奏した。

ヒロシ、生還。
ピッチャーは右手でボールを拾うと一塁へ送球。
際どいタイミングだった。アウト。
二死二塁となった。

この時点で、リョウタロウの投球数は83球。
「NORTHWEST」のベンチはピッチャー交代を考えたが彼の続投を選択した。
なぜなら投球制限は85球だが、以下の状態まで投球が許される例外があるからだ。
1.その打者が出塁する。
2.その打者がアウトになる。
3.そのイニングの第3アウトがとれる。

打席に立ったのはタカシ。
タカシはマウンドに立つリョウタロウを見つめた。リョウタロウはタカシを見ない。
1球目を見逃した。ストライクだった。
ストレートの威力は落ちていない。むしろ増しているようだった。
タカシは息を吐いてバットを握りなおした。
ピッチャーはテンポ変えずに2球目を放った。
深いトップの姿勢からスイングが始動する。
ボールはストライクから外角へ逃げていく。
スライダーだった。
必死にバットをコントロールする。体勢はひどく崩れなかった。バットを振り切った。
打球は一塁手の脇を抜けラインぎりぎりで弾けるとファールゾーンへ転がった。
右翼手がボール追いかける。
ケイが3塁を回る。本塁に帰還。
フェンスに当たったボールを右翼手が掴む。
タカシは2塁を駆け抜けようとしていた。一か八かだった。
ボールがぐんぐんタカシを追いかける。ワンバウンドで三塁手のグラブに収まる。
スライディング。
タッグ。

・・・・三塁審の右腕が天を突く。
「OUT!」。



安物のカーラジオがワールドシリーズの模様を伝えている。
解説者が今の走塁について疑問を呈している。
実況アナウンサーは、試合の流れを引き戻した「NORTHWEST」の鍛えられた守備陣を賞賛している。
「まったくその通り、そう、そう・・・そう思いますよねぇ。・・・・いやぁしかしぃ、何年もワールドシリーズを見聞きしているんですがねぇ、今年ほど話題性のある年はないと思うんですよ、そう思いませんか?。そう思いますよねぇ。・・・ねぇ・・お客さん?」
年配のタクシー運転手は、客に同意を求めながら自分なりに今年のワールドシリーズを楽しもうとしていた。しかし、それとは裏腹に客は流れ行く外の景色に顔を向けたまま黙っていた。
運転手は続けた。
「着く頃には終わっていると思うんですがぁ、・・・んいやぁ~延長戦もありですかねぇ~、・・・・ところで、どなたかと待ち合わせかなんかですか」
「違うわ、とにかく急いで、お願い」
運転手はアクセルに力をいれた。



試合開始時に比べると日はずいぶん傾いてきていた。
8月はもうすぐ終わり。秋の到来も間近だった。
しかし、それを受けつけぬ熱気がラマダ・スタジアムには満ちていた。さらに、それを加熱させるような暑い風が丘陵部から吹き込み始めていた。

「NORTHWEST」の攻撃が始まった。
打順は3番からだった。
打席に入ったのは先ほど三塁へ好送球を見せたロバートだった。
流れは「NORTHWEST」にあった。

マウンドに立つマイクは背後からの風を感じ、落ち着いている自分に気が付いていた。
一球目を投じた。
判定はボール。
ロバートの見送りには余裕があったがやや芝居じみていた。
間を空けずにニ球目を投じた。
外のボールをひっかけた。セカンドゴロ、アウト。
マイクはロージンバックを軽くもてあそんで地面に落とすと、バックの野手達に向かって人差し指を立てて見せた。

第一打席でホームランを放っている4番打者のロイが打席に入った。
「JAPAN」は長打を警戒する守備にシフトした。

ロイは一発を狙っていた。
甘いボールに的を絞っていた。

タカシは外角低めに要求した。
不用意なボールは投げられない。
0-3になった。
タカシは迷った。ベンチは敬遠のサインを送ってきた。
タカシはそれに従って外に構えた。
しかし、そのサインは「JAPAN」選手にスキを生んでしまった。

マイクが投げた四球目は確かにボールだった。
ロイは打ってきた。

ライトを守るマサヤの反応が遅れた。
打球は右中間を割った。
ロイは二塁に達した。

二塁上でガッツポーズを決めるロイに観衆は大歓声と拍手を送った。
観衆の多くは「NORTHWEST」の勝利が確かなものと感じ始めていた。
一方、佐世保で留守をあずかる保護者や友人達は、大型テレビの前で一丸となって「JAPAN」に声援を送っていた。中継を見ている全国の野球少年少女、少年野球ファンも同様だった。

打席に向かうリョウタロウ。
観衆の興奮は徐々に冷めていった。リョウタロウが打席に入る頃にはグランドに静寂が降りてきていた。
ラマダ・スタジアムの気温が下がったように感じられた。丘陵部から吹き込む風が幾分温度を下げながらリョウタロウに引き寄せられているようだった。

一球目を投じた。
ミットの音。主審のコール。
スタンドがどよめく。

二球目。
バットの音。歓声が沸く。
打球は二塁手の頭上を越えるが鋭い当たりとは言えない。

マサヤの反応は完璧だった。落下地点に向かって猛ダッシュする。
ボールは着実に近づいているが落下までの時間は短かった。
マサヤはダイビングしてグラブの左腕を精一杯伸ばした。

ロイは離塁していたが進塁を躊躇していた。
しかし、右翼手の手前にボールが落下するのを確認すると突進を開始した。

丘陵部からの風が打球を押し戻したのかもしれない。

マサヤは地面から受けた痛みを罰のように感じていた。
ボールを追わなければならないが、もう、体が思うように動かない。

「どいてッ!」
カバーに入ったケイが捕球すると、弾けるようなステップで本塁に向かって返球した。
ケイの左腕がうなりを上げた。
放たれたボールは線を引くようにタカシに向かっていった。背後からの風も味方した。

リョウタロウはマイクの渾身の二球目を振り抜いていたが芯を外していた。
ボールの衝撃がグリップを通じて両手に伝わった。その強い振動が、封印していたリョウタロウの感情のたがを弛めたようだった。
リョウタロウは無心のはずだった。
しかし、マサヤの前にボールが落ちた瞬間、リョウタロウの感情の針は一気にレッドゾーンに達した。そして一塁を蹴る頃には激情とも言うべき様々な感情が彼の中で爆発した。
・・・リョウタロウは光の中にいた。
その眩い光の中で、リョウタロウが神様に会えたかどうかは誰にもわからない。
二塁を前にリョウタロウは倒れた。
「・・お父さん、お母さん・・」

ケイが投じたボールはロイより早く本塁に達した。
タカシは捕球と同時にブロックの姿勢を作った。
目前にロイの巨体があった。息を止めた。
激しい衝撃がタカシを襲った。

主審の右腕が鋭く水平に伸びた。
タックルを受けて倒れたタカシの横に動きを止めたボールがあった。
観衆は総立ちになり、拳を振り上げ、ハイタッチをし、抱き合い、勝利の喜びを共有した。
本塁上では両手を突き上げるロイに「NORTHWEST」の子供達が群がり飛び込んでいった。

四つん這いになったタカシの目にはグランドの土と自分の両腕が見えていた。行き場の無い悔しさが全身から湧き出し、それは腕から指先に伝わっていった。
タカシの指が土に食い込んでいく。視界が歪んでいく。大粒の涙がグランドに落ちた。

タカシのカバーに入っていたマイクの前をベンチから駆け出した「NORTHWEST」の子供達が歓声を上げて横切っていく。
マイクは肩の力を静かに抜いた。帽子をとってタカシに近づくと彼の肩に手を当てた。

マサヤとケイはリョウタロウの脇に入って彼を抱えると本塁に向かって歩き始めた。

「NORTHWEST」の子供達が抱えられたリョウタロウに向かって走り出した。「JAPAN」の子供達もそれに続いた。

ピッチャーマウンドの周辺で、双方のユニホームが混じりあった。子供達はリョウタロウを中心に握手を交わし、抱き合い、互いの健闘を称え合った。


ティナはタクシーを降りた。
ラマダ・スタジアムと呼ばれる建造物の前に立った彼女は、地鳴りのような大歓声を耳にした。急がなければならないと思った。運転手に教えられたとおり、ティナは入口のゲートを目指した。
コンコースには興奮しきった人々が溢れていた。それを押しのけて体を進めた。
目の前にグランドが広がった。
ピッチャーマウンドの周辺に子供達が集まっていた。
ここからではマイクの姿がよくわからない。ティナはスタンドを駆け下った。

子供達の集団が二つに分かれ始めた。
一つはチャンピオンフラッグを持ったスタッフの方向に、もう一つは三塁側のベンチに動き始めた。
ティナはフェンス沿いに足を速めながら、ベンチに向かうマイクを見つけた。すっかり逞しくなった我が子の姿に時間の長さを感じたが、息子との距離はもう僅かだった。声になるか分からなかった。

「マイク!」
ベンチに入ろうとしたマイクにはそう聞こえた。
反射的にその声の方向に顔を向けた。
母の姿が視界に飛び込んできた。

ティナはスタッフの手を借りてグランドに降りることができた。
マイクは母の胸に抱かれたのだった。


この母子再会の模様はライブ中継で世界各国に流された。様子は佐世保の病室にも届いていた。
酸素マスクが邪魔だったが、スミスはその映像をベッドから見ることができた。
・・・傍らにはタナカが立っていた。



それから数年の月日が流れていった。
タカシとリョウタロウのバッテリーは同じ高校に進学した。
そして、夏の甲子園を制覇した後、彼らは日本代表チームの選抜選手として海を渡った。

マウンドには少し笑ったマイクが立っている。
主審の声がグランドにこだました。
「プレイボール!」

-終わり-
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またまたお詫び

2008-05-16 08:11:17 | 雑談の記録
みなさんに、お楽しみいただいている「リトルリーガー・・」だけど、またしても後編だけで10000字を超えておりました。
なので、安易に「中編」なんてしました。

スミマセン。
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リトルリーガー -愛する人のために- 「中編」

2008-05-15 18:23:07 | 雑談の記録
テレビは65回目のリトルリーグ・ワールドシリーズを伝えていた。
ワールドシリーズは、アメリカ国内の8地域の各優勝リーグと国際8地域の優勝リーグを合わせた16リーグの戦いからなる。戦いは、先ず国内2ブロック、国際2ブロックに分かれ、各ブロック4リーグによるリーグ戦が行われる。その後、各ブロックの上位2リーグがトーナメントを行い国内ブロックと国際ブロックの優勝リーグが決定する。
ワールドシリーズは、リトルリーグ発祥の地であるペンシルベニア州のウィリアムスポートで行われ、戦いは8月の中旬から始まり決勝戦は8月下旬、国内ブロックと国際ブロックの勝者同士の対決が最終戦となっている。
テレビでリポーターが今年のワールドシリーズについて熱く語っている。
そして解説者が、二人の注目選手について喋りだした。

そのテレビは場末のドライブインレストランの片隅で点滅していた。
カウンターでは男が酔いつぶれて突っ伏している。
その内側では白髪混じりの髭をたくわえたオーナー兼店長らしき初老の男がグラスを拭いている。店長は、テーブルに椅子を上げながら店じまいをしているウェトレスに「帰っていい」の合図を送る。

ティナは店を出る。埃っぽい乾いた空気が彼女をなぞっていく。
場所はメキシコ国境に近い州道沿い。何もなく、ただ砂漠が広がっている。
彼女はついていなかった。5年前、息子と別れた後、彼女は方々の街を転がった。
歌を唄うことも忘れていた。
砂漠の夜は寒い。
空には数え切れないほどの星が瞬いていた。
ティナはそれを見上げ、肩を落としゆっくり息を吐いた。



「SASEBO」のユニホームは「JAPAN」に変わった。
リョウタロウのユニホームは「NORTHWEST」になった。
両リーグは各ブロックで1位になり「NORTHWEST」は国内リーグのトーナメント戦で見事優勝を果たした。「JAPAN」も同様に国際リーグのトーナメントで優勝したのだった。

メディアはこぞって両リーグのエースを取り上げていた。
「JAPAN」の袖に腕を通したアメリカ国籍のマイク。
「NORTHWEST」に身を包んだ日本国籍のリョウタロウ。
しかも、彼らは悲劇のヒーローだった。
両リーグの快進撃がメディアに油を注いでいた。



優勝決定戦の前夜、ティナの店は繁盛していた。
しかし、テレビは点いていなかった。先日、店内で起きた客同士の喧嘩騒ぎでテレビは壊されていた。
巨漢のトラック運転手が店長に向かって大声を張り上げている。
「テレビもねぇのかよ、この店にはっ!」
店長は呆れるばかりだった。
カウンターにはビジネスマンらしき男が一人。バーボンで口を湿らせている。
「野球は好きかい?」
男は値踏みするような口調でティナに語りかけた。
「ええ、息子が野球をやっていたわ」
男は得意げに続けた。
「今年のリトルリーグのワールドシリーズは面白いと思うんだが・・・」
男は懐からモトローラのケイタイを取り出すと、ESPNのデジタル番組を液晶に映してみせた。

ティナは我を疑った。
液晶画面に映し出された少年が、5年前に離れ離れになった息子のマイクだったからだ。
マイクはインタビューに答えていた。
まだ母には会えていないと・・・。

男はティナの驚きを理解できなかった。
しかし、その一瞬の後、男は店の客に向かって叫んでいた。
「誰かテレビを持って来いッ、このウェイトレスがマイクの母親らしいぞッ!」
別の男が脱兎の如く店を飛び出すと、積荷から真新しい日本製の液晶テレビ抱えて戻ってきた。
店とは不釣合いな液晶テレビの大画面にはマイクが映っており、これまでの戦いぶりが紹介されていた。
店内は歓喜に包まれていった。

しかし、ティナにはマイクに会いに行く術が無かった。

そのとき、カウンターの中にいた白ヒゲの店長が客から帽子を奪うと、それ反転させて先ほどまで騒いでいた大柄の男に向かって投げた。その古びてボロボロになったメジャーリーグの帽子は回転しながら飛んでいくと大男の胸に収まった。そして誰彼も無く、その帽子の中に金を投げ込むのだった。
モトローラの男は言った。
「間に合うといいんだが・・・」



その頃、東シナ海上では・・・・、
動かなくなったスミスがタナカの手によって引き上げられようとしていた。

「後編」へ続く
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お詫び

2008-05-15 08:21:29 | 雑談の記録
読者のみなさんスミマセン。

「全編」を公開すると宣言しておきながら、「前編」公開になってしまいました。

一度に10000字以上のアップはできないという制限があったみたいで、それに引っかかってしまいました。

夕刻に「後編」を公開したいと思います。

お楽しみに!。
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リトルリーガー -愛する人のために- 「前編」

2008-05-14 19:43:34 | 雑談の記録
 -野球少年少女、そのファンとそれを支える人々に捧げる-
      -妻と子供たちにも捧げる-

「リトルリーガー -愛する人のために-」


急峻な峰々と入りくんだ海岸。
住宅は斜面に張り付き、海岸には造船所のクレーンが高く無数にそびえている。
場所は九州の西の果て佐世保だ。
米海軍基地がここにはある。

机の上にはボールが一つある。
硬式の野球ボールだ。
右手がそのボールを掴む。
右手の主はマイク、12歳。
彼はベッドに腰を下ろして遠くを見つめる。
窓の向こうに佐世保の街と山と海とタンカーが見える。

佐世保にはリトルリーグがある。
日本で始めて設立されたリトルリーグだ。
リーグ名はもちろん「SASEBO」。
終戦後、佐世保に駐留した米海軍が子供たちのために作った野球チームだ。
設立当初から、そのリーグは日本人と海軍兵士の子供たちで構成され、それは現在まで引き継がれている。

佐世保に来て1年が経とうとしていた。
マイクは「SASEBO」の一員だった。
チームに馴染むことができなかった。いや、馴染む必要などないと考えていた。
彼は頑なだった。そしてピッチャーだった。

マイクはカリフォルニアの海沿いの小さな街で生まれた。
彼を落ち着かせるのは波の音と母の歌声だった。
しかし、彼はその歌声を5年聴いていない。
両親は5年前に離婚しており、裁判の末、マイクは海軍兵士の父に引き取られたのだった。
マイクが野球を覚えたのは小学校入学前。母の父(祖父)が彼のセンスを見込んで手ほどきしたのだった。その後、彼は、父と転勤を繰り返しながら各国のキャンプ地(米軍基地)で腕を磨いていった。
そして彼は12歳になるのを待っていた。
なぜなら、その年齢が母と会えるかもしれないチャンスだったからだ。
リトルリーグのワールドシリーズ出場が、本土アメリカに行けるチャンスと彼は考えたのだった。

「SASEBO」の雰囲気は最悪だった。
新チームになってエースになるはずだったリョウタロウが1年ほど前に引越しており、以来、チームは負けが込んでいた。代わりのエース?のマイクは一人で野球をやるタイプで、特に日本人の子供には嫌われていた。
キャッチャーは漁師の息子のタカシ。タカシもマイクが嫌いだった。
タカシはマイクのボールを受けながらいつも思っていた。
「リョウタロウがいれば・・・リョウタロウがいれば・・・全国制覇、そしてワールドシリーズも夢じゃなかったのに・・・こんなヤツのボールなんか、クソッ!」

熊本での遠征(練習試合)がさらに亀裂を拡大させた。
フォアボールにパスボール、エラー。バッテリーの呼吸は全く合わず、バックもボロボロだった。熊本のゴリン頭のチームにボロッカスにされたのだった。
ひとり気を吐いていたのは2番手ピッチャーのケイ、長身の少女だった。
左からのしなやかな腕の振りと絶妙のコントロールが彼女の持ち味だった。
いつもマイクを心配していた。

チームに転機がおとずれようとしていた。
練習中のことだった。
ケイの強い打球が一塁側ファールゾーンに飛んだ。
そのボールは、スピードを保ったままマサヤの後頭部を襲おうとしていた。

マサヤはレギュラーではなかった。体は小さく、どちらかと言えば、本が似合うタイプの少年だった。しかし、チームでは一番の努力家で野球が大好きだった。
そのとき、マサヤは次の練習のために一塁側から一人でネットを運び出そうとしていた。
マイクはそれに気がついていたが手伝いを躊躇していた。

「マサヤッ!」
子供たちが叫ぶ。
鈍い音がした。続いて地面に人が倒れる音。
ファールグランドに倒れたのはマイクだった。
子供たちがマイクに駆け寄る。
マイクは右肩に耐え難い痛みを感じながら朦朧とした意識のなかで呟いていた。
「バカヤローが・・」


診断の結果、肩の骨に異常は無かった。しかし強度の打撲。練習はしばらく控えなければならなかった。
ある日、心配していたケイ、マサヤ、タカシの3人がマイクの家を訪ねた。
しかし、マイクは彼らと言葉を交わすことも無く家を飛び出していった。

マイクの父が彼らを部屋に招き入れた。
そこで彼らは、初めて知った。
マイクが本気でワールドシリーズを目指していることを。
そして、その理由も。
3人は海岸を歩いている。マサヤが一人ぼっちのマイクを見つける。
みんながマイクに駆け寄る。
未来を約束する夕陽が4人のシルエットを作っていた。


「SASEBO」の厳しい練習が始まった。
チームは一つになろうとしていた。


予選大会が始まる前、マイクはタカシの家に遊びに行った。
タカシの家は古い日本家屋。
出迎えたのはタカシの父だった。
タカシの隣に立つ外人の子供を見て父は小さく呟く。
「米軍の子供か・・・」

マイクは仏壇に飾ってあるセピア色の古い写真に目が留まった。
バットを担いだユニホーム姿の青年が写っていた。
「だれ?」
「曾祖父さん、甲子園に出たときの写真だってさ、キャッチャーだったんだって」
「KOSHIEN?」
タカシは「甲子園」について話した。ついでにタカシの夢も。

「ところで、タカシの曾お祖父さんは、甲子園に出た後はどうなったの?」
「よくわかんないけど、戦争で死んだらしいんだ」
奥の部屋にいる父に向かって尋ねた。
「ねぇ、何処で死んじゃったんだっけ、どっか島だったよね」
「硫黄島だ」
「そう、そう、イオウ島だった、けどさ、イオウ島ってどこにあんだろね」

奥の部屋では、タカシの父が預金通帳に目を落としていた。
毎月多額の金が引き出されている。
貯蓄が底をつこうとしていた。

「タカシ、お母さんはどこにいるの」
「長崎だよ、長崎の大きい病院で、お祖母ちゃんの看病をしてるんだ」
終戦間際、長崎市街の近郊にいたタカシの祖母は原爆を目撃していた。
祖母は長いこと癌を患っており原爆症が疑われていたのだった。


マイク達の戦いが始まった。
「SASEBO」は勝ち進み、憎き熊本のゴリン頭のチームを破り全国大会に駒を進めていった。



・・・ズズズーン。
真っ暗闇に地鳴りが響く。
トンネルなのか?・・・違う。
鉱山の地下坑道だ。
地鳴りは採掘現場からの発破音。

地下坑道を大型のホイルローダーが鉱石を積んで走っていく。
金鉱石だ。世界は空前の資源高。金も高騰の一途だった。

ヘルメットをかぶった数人の男が坑道を歩いている。ヘッドランプが点灯している。
一人の男の腰には拳銃よろしくハンマーがぶら下がっている。
男たちは坑道から外に出る。岩と苔類がみすぼらしく生えているだけの荒野が広がる。
アラスカだ。短い夏を迎えようとしていた。

男たちは冗談を交わしているようだった。
防護マスクとゴーグルをはずすとハンマーの男は東洋人的風貌。
一人の男が東洋人に言葉をかけた。
「なぁ、ニシ、たまにはどうだ、つきあえよ」
「いや、スマン、先約があるんだ」
別の男が口を挟む。
「コイツは、家じゃぁ、女房役なんだよ。」
ニシは鉱山地質技師。日本の商社と鉱山会社が30%ずつ出資して開発した金鉱山に勤務している。1年が経とうとしていた。彼は元甲子園球児だった。

バシッ!
力強いボールがミットに収まる。
ボールを受けているのはニシだった。

室内練習場のピッチャーマウンドには少年が立っている。
リョウタロウだった。

バシッ!
「いいボールだ、いよいよ10日後だな」
「ウンッ!」

バシッ!
リョウタロウは、この鉱山町のリトルリーグでもメキメキと頭角を現しエースに成長していた。そして合衆国北西地区代表としてワールドシリーズの出場を決めていた。

バシッ!
リョウタロウのボールを受けながら、ニシは何物にも代えがたい喜びを感じていた。
しかし、喜びを分かち合えない寂しさを感じていたのも事実だった。
病床にあった妻の最期を仕事で看取ることができなかった3年前を悔やんでいた。


リョウタロウとニシが二人で遅い夕食をとっている。
「お父さん」
「ん?」
「お父さんは、甲子園に出たことがあるんでしょ?」
「あぁ」
「どうだった?」
「どうって?」ニシは戸惑った。
リョウタロウも戸惑っているようだった。
「あのね、野球の神様っているのかなぁって思ってさ、甲子園に行ったら会えるのかなぁって思って・・・アハハハハ、・・・いるわけないかぁ~、でもさぁ、もし、もしいたらさぁ~」
「いたらぁ?・・・」
「なんでもないや」リョウタロウは笑った。
ニシは少し笑って、ソファに無造作に置いてあるキャッチャーミットを見つめながら、息子が甲子園に出るまで彼のボールを受け続けてやろうと強く心に誓ったのだった。

リビングの隅には飾り棚がある。
甲子園の出場記念ボールの傍には優しく微笑むリョウタロウの母の写真が立ててある。

・・・・写真立ての横に置いてあったリョウタロウのケイタイが突然鳴り響く。

着信の表示を見てリョウタロウは声を上げた。
「タカシからだッ!」
全国大会で優勝した直後に電話を掛けてきたのだった。
液晶画面は前のチームメイトたちが大騒ぎをしている様子を映し出している。
「オレたちもアメリカ行くからなッ!、待ってろォッ、リョウタロウッ!」

再びケイタイが突然鳴り響く。
深夜だ。
ベッドからは這い出してケイタイを手に取るニシ。
それを耳にあて次第に緊張していくニシ。
「分かりました、すぐ行きます」

物音でリョウタロウは目を覚ます。
部屋のドアが開き、目をこするリョウタロウ。
「ヤマ(鉱山)で落盤事故が起きたらしいんだ。朝には戻れると思う。」
ニシはそう言ってドアを閉めた。
リョウタロウは再び眠りに着いた。

・・・しかし、・・・ニシは戻らなかった。
救出作業中に2次災害に遭い帰らぬ人となった。

救急救命室で、父の遺体にしがみ付き泣き叫ぶリョウタロウ。
「昨日、約束したばっかじゃん!、甲子園に出るまでボールを受けてくれるって・・・・なんでだよ、なんでだよぉ~~、ひどいよぉ~・・・お父さんっ・・・」



きらびやかなホテルのパーティー会場。
「SASEBO」の全国大会優勝祝賀会兼リトルリーグワールドシリーズ出場の激励会が開かれている。
来賓席には市長のほか地元有力者たちや米海軍のお偉方がズラリと円卓を囲んでいる。

「・・・ここまでやる必要があるんか、・・・ッタク、ナニ考えてんだこのリーグは、・・・」
抑えきれない苛立ちの言葉だった。それを言ったのはタカシの父タナカだった。
義母の看護費に加えタカシの遠征費。このところ運悪く不漁も続きタナカ家の家計は逼迫していた。借りたくない金も嫌な親戚から借りている始末だった。
タナカはパーティー会場の片隅で一張羅のスーツに身を包んでいたが白髪交じりの日焼け顔には不似合いだった。

ユニホーム姿のタカシがマイクの父を連れてタナカの前にやってきた。
「はじめまして、スミスです。」
スミスは右手にビール瓶を持っており、ぎこちないやり方ではあったが日本式で誠意を表そうとした。
しかし、タナカはそれを無視したのだった。



「SASEBO」が関西空港からアメリカに向けて飛び立とうとしていた。期待と不安を乗せたジェット機が大阪湾を後にする。

その頃、タナカは漁の準備をしていた。
一方、スミスは日米合同演習の準備に余念が無かった。
快晴だった。
タナカは同僚とともに港を出た。タナカは金が必要だった。多少の無茶も仕方がないと考えていた。演習海域で豊漁という話を聞いていた。

海域に到着してしばらくの後、天候は急変し海上は時化だした。加えて激しい雨と濃霧。
タナカたちは動じなかった。この程度のことはこれまで幾多も経験してきたからだった。
しかし、危機は刻一刻と迫っていた。

気が付いたときには手遅れだった。
黒灰色の鉄の塊がタナカの船を砕き潰した。
「アメリカがッ!」タナカは叫び、大海に投げ出された。


「民間漁船と接触した模様です」
下士官が上官に報告する。
「接触?」
「いえ、衝突したようであります」
「船員は?」
「わかりません」
「救出を急げ、周辺艦船にも捜索を依頼しろ」
タナカの船に衝突したのは海上自衛隊の巡洋艦だった。

捜索の要請はスミスが乗船している艦船にも届いた。
直ちに捜索のヘリが飛び立った。

時化の海原に放り出されたタナカは後悔していた。
死ぬかもしれないと思った。
大波に飲み込まれるたびにもうダメだと思った。
しかし、タカシや妻のことを考えると・・・
タナカは必死でもがき、己の生命力を、力つきるまで信じようとした。
「生き抜いてやるっ!」

皮肉にも遭難者の第一発見者は米海軍だった。
ヘリの側部に取り付けられたホイストが回転し、ワイヤとともに救助隊員が荒れた海に降下していった。
タナカは救助された。びしょ濡れのタナカに救助隊員が声を掛ける。嵐とローターの回転音で隊員の声が聞きづらい。しかし、その声には聞き覚えがあった。マイクの父、スミスだった。驚いた表情のタナカにスミスは微笑んでみせた。

パイロットがもう一人の遭難者を発見した。奥の操縦席からインターコムを通じて声が掛かる。スミスは再度救助体勢に入った。
降下前、スミスは振り向いてタナカにじっとしていろのサインを送った。
タナカは頷いた。

スミスは遭難者を抱えるようにしてホイストの回転とともに上昇してきた。
そのとき、突風が吹いた。強風に煽られヘリは操縦不能に陥った。
操縦桿と格闘するパイロット。
ヘリは大きく傾き、揺れるワイヤにローターが当たった。

スミスと同僚は、切れたタコ糸のようになったワイヤとともに漆黒の海に消えていった。
「スミースッ!」
タナカの声は嵐の轟音に虚しくかき消された。


「SASEBO」の一行はジョンFケネディ国際空港に到着した。
そこでマイクは、父スミスに起きたことを初めて知った。
それは「SASEBO」にとっても激震だった。
青ざめるマイク。静まりかえる「SASEBO」の一団だった。

しかし・・・、マイクは「SASEBO」のみんなに向かって搾り出すように言った。
「お父さんは死んでなんかいない・・・、死んでなんかいない、絶対に・・・」


時化の残る東シナ海に無数の漁船が散らばってゆく。
船団の先頭を走るのはタナカが乗り込んだ船。
タナカは荒波を全身に受けながら信じていた。そして決意を固めていた。
「生きていろ、必ず助けてやる」

後編へつづく
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公開予告!?

2008-05-14 08:09:49 | 雑談の記録
昨日は移動日だったんだけど、いつも利用しているフェリーがドック入りだったから乗り継ぎ時間を合わせるとGTO島まで8時間もかかってしまった。
おかげで、最近、連載している「リトルリーガー」がほぼ完成してしまった。なんかちょっと寂しい?。

そういうワケで今日の夕刻にでも、全編公開しちゃおうかなと思ってる。
だらだら小出しするよりいいもんね。

じゃ、現場に行ってきます。
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リトルリーガー -愛する人のために- 8

2008-05-13 07:53:15 | 雑談の記録
きらびやかなホテルのパーティー会場。
「SASEBO」リトルリーグの全国大会優勝祝賀会兼リトルリーグワールドシリーズ出場の激励会が開かれている。
来賓席には市長のほか地元有力者たちや米海軍のお偉方がズラリと円卓を囲んでいる。

「ここまでやる必要があるんか、・・・ッタク、ナニ考えてんだこのリーグは、・・・」
抑えきれない苛立ちの言葉だった。それを言ったのタカシの父タナカだった。
義母の看護費に加えタカシの遠征費。このところ運悪く不漁も続きタナカ家の家計は逼迫していた。借りたくない金も嫌な親戚から借りている始末だった。
タナカはパーティー会場の片隅で一張羅のスーツに身を包んでいたが白髪交じりの日焼け顔には不似合いだった。

ユニホーム姿のタカシがマイクの父を連れてタナカの前にやってきた。
「はじめまして、スミスです。」
スミスは右手にビール瓶を持っており、ぎこちないやり方ではあったが日本式で誠意を表そうとした。
しかし、タナカはそれを無視したのだった。


つづく
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失点Oの理由

2008-05-13 00:11:02 | リトルリーガーの記録
土日は福岡県宗像市で行われたマイナー大会に行ってきた。

土曜日は雨。
体育館でドッジボール大会だった。
2敗だった。

晴れた翌日はドッジボール大会の結果で割り振られたトーナメント戦だった。
初戦敗退だった。
相手は広島佐伯リーグ。
6-0で完封されちゃった。
ウチは負けて当然なんだけど、広島佐伯のマイナー選手たちの気持ちの強さと集中力といったら凄まじかった。
広島佐伯は2回戦でSSBリーグと対戦して、そのときボクは3塁審をやってたんだけど、ミスジャッジは絶対許されないっていう雰囲気の試合だったんだ。感動して泣きそうになっちゃったプレーもあった。

話しは変わるけど、リョー坊の成績は2の0。満塁の好機に凡打。ぶっ殺したくなった。逆にいい部分もあった。
1時間制の試合で4回の最終回に敗戦処理投手としてマウンドに立ったんだけど、なんと、失点0、デッドボールでランナーを背負っていたにもかかわらず。最後は4番バッターをサードゴロに仕留めた。
う~ん、マグレかもしれないけど、親バカかもしれないけど・・・・、理由があるということにしときたい。

試合があった日、ボクは家に向かう車の中でしかリョー坊と言葉を交わさない。
試合中や試合会場で、ボクは応援はするけど、プレーについて本人にアレコレ言うことは避けている。自分で考え、自分で試し、自分で修正し、自分で責任をとり、自分で反省してもらいたいからだ。

グランドからの帰り道、リョー坊に聞いてみた(標準語で)。
「今日、ピッチャーだったけど、本気で投げてないだろ、速い球は一球も投げてないだろ。」
「ウン、打たせてるよ」
これ以上、聞く必要はなかったから聞かなかったけど、ボクはヤツが微妙に急速を変えて投げていることに気づいていた。


そういうことが出来るようになったのは、そういうピッチングの練習をやっているからではないということを力説しておきたい。
じゃぁ、どんなことをやっているかというと、ハネ打ちだ。

ハネ打ちのトレーニング?は、ほぼ毎日のようにやっている。ボクの帰りが遅いときや出張のときはカミさんに投げさせているけど・・・・。
そのハネ打ちトレーニングなんだけど、我が家にはハネが50個くらいある。
メチャクチャボロになったハネから新品に近い状態のハネまでイロイロある。
ここまで言えば、読者のみんなは分かると思う。
そうなのだ。同じように投げても、同じようなハネ筋(球筋)にはならないということなのだ。
そこでリョー坊は学んだのだと思う。
オマケにボクは、最近、いろんなハネの投げ方を習得していて、リョー坊から空振りを取ることを楽しんでいる。そんなことをしたらバッティングフォームが崩れるだけだっていう指摘の声があると思う。確かに、以前、そんなことをして何度もリョー坊を泣かせたことがあるけど、今では、二人で駆け引きをやりながらそのトレーニング?(遊び)を楽しんでいる。

ちなみに、広島佐伯戦が終わった後、マイナーの保護者代表として監督さんに挨拶にいったんだけど、そこでリョー坊のことをベタ褒めされて、つい息子ですと言ってしまった。
親バカ丸出しだった。
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