きらびやかなホテルのパーティー会場。
「SASEBO」リトルリーグの全国大会優勝祝賀会兼リトルリーグワールドシリーズ出場の激励会が開かれている。
来賓席には市長のほか地元有力者たちや米海軍のお偉方がズラリと円卓を囲んでいる。
「ここまでやる必要があるんか、・・・ッタク、ナニ考えてんだこのリーグは、・・・」
抑えきれない苛立ちの言葉だった。それを言ったのタカシの父タナカだった。
義母の看護費に加えタカシの遠征費。このところ運悪く不漁も続きタナカ家の家計は逼迫していた。借りたくない金も嫌な親戚から借りている始末だった。
タナカはパーティー会場の片隅で一張羅のスーツに身を包んでいたが白髪交じりの日焼け顔には不似合いだった。
ユニホーム姿のタカシがマイクの父を連れてタナカの前にやってきた。
「はじめまして、スミスです。」
スミスは右手にビール瓶を持っており、ぎこちないやり方ではあったが日本式で誠意を表そうとした。
しかし、タナカはそれを無視したのだった。
つづく
「SASEBO」リトルリーグの全国大会優勝祝賀会兼リトルリーグワールドシリーズ出場の激励会が開かれている。
来賓席には市長のほか地元有力者たちや米海軍のお偉方がズラリと円卓を囲んでいる。
「ここまでやる必要があるんか、・・・ッタク、ナニ考えてんだこのリーグは、・・・」
抑えきれない苛立ちの言葉だった。それを言ったのタカシの父タナカだった。
義母の看護費に加えタカシの遠征費。このところ運悪く不漁も続きタナカ家の家計は逼迫していた。借りたくない金も嫌な親戚から借りている始末だった。
タナカはパーティー会場の片隅で一張羅のスーツに身を包んでいたが白髪交じりの日焼け顔には不似合いだった。
ユニホーム姿のタカシがマイクの父を連れてタナカの前にやってきた。
「はじめまして、スミスです。」
スミスは右手にビール瓶を持っており、ぎこちないやり方ではあったが日本式で誠意を表そうとした。
しかし、タナカはそれを無視したのだった。
つづく