先日、わたしの暮らす村で、野辺送りがありました。
平日の昼間でも、多くの方が集まりました。
野辺送りは、とてもさみしいものですが、その日、わたしは、静かな感動も抱いていました。
それは、集まった村のみなさんの、ほぼ全ての人と顔見知りであることに、気づいたからです。
そして、そればかりでなく、親しげに会釈をしてくださる方や、話しかけてくださる方も、たくさんいました。
二年前、この村に越してきた頃は、ほんの少しの頼りの方がいるくらいでした。
それなのに、今では、こうして、たくさんの方と親しくなり、仲間に入れていただいています。
あの方は、いつもお野菜をくださる方。
あの方も、いつもお野菜をくださる方。
あの方は、いつもお茶に呼んでくたさる方。
あの方は、時々、昔のことを話しに来てくださる方。
あの方は、いつも優しい言葉をかけてくださる方。
あの方は・・・
あの方は・・・
心の中でかぞえていたら、霊柩車がやってきました。
手をあわせました。
高齢になられた方々、天に召された方々の、つくってこられたこの村は、あたたかな村です。
わたしは今、そのあたたかさに包まれ、護られて、暮らしています。
ありがとうございます・・・
村のみなさんを、大切にしたいと思います。
毎日を、大切にしたいと思います。
そんなことを、語りかけていました。
霊柩車は、かなしく尊い音と共に、ゆっくりと、村を離れていきました。