しばらく前の、出来事です。
その日は、自分の想いの至らなさに気づいて、ちょっとしんみりしていました。
息子に微笑みかけていても、心がしっかり入りません。
息子は、絵本を置くと、そばに来て、
“どうしたの?”
と、聞きました。
わたしは、息子には、話してもよいことは、出来るだけ素直に伝えることにしています。
今日ね、こんなことがあってね、こんな風に感じたの、
もう少し、深い心で、考えることができていたらよかった・・・
そう、伝えました。
息子は、小さな両手で、わたしの手を包み、背中を撫でてくれました。
長いこと、そうしてくれました。
しばらくして、息子が、こんなことを言いました。
“人はね、みんな、その人に一番似合うもので、できているんだよ。”
たしかに、
そうかもしれない。
わたしに備わっているものは、よいものも、困ったところも、みんな、わたしらしく、わたしに似合っている。
ほんとね。
あなたもそうね。
あなたの全てが、あなたに似合っている。
そしてわたしは、あなたの全てが、大好き。
息子は続けます。
“ついてない日は、ぼくにもあるの。うまくできない日、はかどらない日、失敗する日。
でもね、その次の日は、いつも、いいことがあったよ。
ついてない日は、続かないから、大丈夫。”
息子は、何かを思いだし、少し、涙ぐんでいます。
まだ小さくても、あなたは、あなたといういのちを、一生懸命、生きてきたのね。
嬉しい日も、苦しい日も。
そして、そのことを見つけたのね。
ありがとう・・・
わたし、わかったわ。
全てがわたしの道。
これでいい。
わたしの道で、起こったことは、みんな、必要なこと。
何かを見つけたら、そのことによって、より素敵な人になろうとすればいい。
そうしてまた、歩き出すのね。
小さな身体と心につまった、真実と、勇気と、愛情。
子どもというのは、なんてなんて、素晴らしいものでできているのかしら・・・