思ったより花が少ないかった月山弥陀ヶ原で、やや目についたのがシロバナトウウチソウ:白花唐打草(バラ科ワレモコウ属)でした。
本州東北地方の高山帯に生える、茎高30-70cmの多年草で、全体にほとんど毛はなく、根出葉は束生して、長い葉柄があり、その先に5-7対の小葉をもった奇数羽状複葉がつきます。小葉は長さ2.5-5cmになる広卵形から楕円形で、葉軸にややまばらにつき、先端は円頭であるがしばしば少しへこむことがあり、基部は心形になり、縁に鋸歯、裏面は粉白色になります。
花期は8-9月。茎先に穂状花序をつけ、花穂は分枝した枝先に1個ずつつき、円柱形で長さ3-6cmになます。花弁はなく、花弁状の萼片が4個あり、雄蕊は4個は花外に突き出ます。
ここでは白花よりむしろ紅色のもの方が目立ち、別種かとも思いましたが、図鑑では名はシロバナでもときに紅色を帯びるとありますので納得しました。
ちなみに図鑑では花が紅桃色のナンブトウウチソウというのがありますが、こちらは早池峰山に特産する種とのことです。
和名の唐打草は、近縁のカライトソウが、美しい花糸を中国から渡来した絹糸のことになぞらえた名であることに関係があるのかもしれません。
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