へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

のぶちゃんが、たずねた理由その1

2006-06-07 20:25:56 | ひるまのもめごと

目の保養がしたい、とつくづく思った独身貴族のけんちゃんだ。

はあ。。。。。。

中島教授の温室を飛び出した俺たちは、最初に覗いた温室から出てきた学生に声をかけられた。
「その顔だと、見せられましたね。パフィオ・ペディルム・ペンダントグッズ
*くどいようですが、こんな品種はありません。。。
学生の表情が笑っている。
「見たとも、なんなんだ、あれは・・・
俺が吐き捨てるように答えると、
「まあ、黙ってきいてやってくださいよ。教授の実らない初恋だったらしいですから」
「初恋っていったって。衣笠米穀店の奥様だろう?」
「おお初恋の面影を宿した愛しき君よ・・・だっけ?確かに、面影はなくもないなあ」
白いヤツは身震いをしている
「しかし、のぶちゃんものぶちゃんだよな。なんで、中島教授のところに行ったんだ?そっちの方が謎だよ」
俺は、首をボキボキと鳴らして頬をぺちぺちと叩いた。
気分直しだ
「ああ、そのことですか?」
学生は、くすっと笑った。
「何だよ、その意味深な笑いは・・・」
俺と、白いヤツは視線を交わし、学生に白状させるべく詰め寄った。
「それは・・・ですねえ」

と、いい場面で続かして・・・

すんません。。。

 

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愛しき君の名は

2006-06-06 23:43:44 | ひるまのもめごと
花はやっぱり外見だと認識する、独身貴族の俺の名前はけんちゃんだ。

彼女が欲しい…

「うげえええええっ
俺たちに向けられた植木鉢に植えられたモノは、小豆色赤紫色を混ぜたような何ともいえないような色をしていた。中央部が白く外に広がっていくにつれて黄緑がかってきている。が、それも小豆色赤紫色が混ざったような色が花びらから流れ落ちてくるような模様で毒されていた。袋は薄い小豆色で、入り口がひだひだで覆われている。絶対に、虫を食っていそうな袋と色だ。花びらの周囲は濃い黄緑。左右にのびた花びらは細く妙に縮れながら30cmは垂れ下がっていた。そんな花びらがいくつもいくつもついていた。
「パフィオ・ペディルム・ペンダントグッズというベトナム産の珍種を改良したものだ」
※こんな種類はありません。あしからずm(_ _)m
「蘭のパフィオ属はだいたい東南アジアから中国にかけて多い。ベトナム産なんかいいのがあるんだけどね。今は原種を採ることは禁止されているから、こういう珍種は実に貴重なものなんだ」
中島教授はそう説明すると、やおら花のひとつを手に取り、キスをした。 俺たちは口を覆って思わず顔を背けてしまった。
衣笠米穀店の奥様の顔を思い浮かべながら…
「でででで、で、のぶちゃんはそれからどうしたんですか?」
まだ花びらをちゅうちゅうしている中島教授に、やっとのことで尋ねると、
「さんざん脅かしたら、あの男、衣笠米穀店まで謝りに行く、と言って慌てて飛び出して行ったよ」
中島教授は、俺たちのことは忘れたようにパフィオなんたらに頬をすり寄せている。「愛しき初恋の君、面影を宿した愛する花よ、ああ小百合」
俺たちははじかれたように教授を振り返ったが、妖怪に出会ったような不気味さを覚えて、何も言わずに温室を飛び出した。

カンベンしてくれ~っ

つづく
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蘭は高いな不気味だな

2006-06-05 21:30:41 | ひるまのもめごと

俺はロナウド=憲一郎。ハットトリックは、はるか昔の中学時代に1回経験ずみ。

って、そんなことじゃないだろう。。。

のぶちゃんが、中島教授の大切な蘭を割ったらしい。どの程度の被害なのかは、想像もつかないが、とにかく中島教授を怒らせたらしい。
「まったく、たかだかナメクジが手に触ったくらいでビビりやがって
中島教授は、さも今目の前でのぶちゃんが蘭の鉢を割ったごとく、またピンセットを振り回し始めた。
あぶなくてたまらない。。。
「はあ、ナメクジねえ。。。」
俺は、いきなりナメクジが手ににょろっときたら、誰だってびっくりするだろうと思った。
「で、被害はどれくらい?」
白いヤツがおそるおそるたずねると、
「何、植え替えただけだから、鉢一個分だな」
と、あきれた答えが返ってきた。
「鉢一個分?」
「って、どれくらい?」
俺は、目の前の蘭の鉢を蹴倒したい気分になってきた
「さあてな。あれは、相当前からあったものだから、わからん」
って、それ、すでにどうでもいい値段じゃんか。
「花も葉も全然折れてはいなかったから、それじたいには被害はなかったんだけどな。たっぷり脅かしたら、ビビッてしまってなあ」
今度は、打って変わってにこやかだ。
なんか、面白がってねえか、このオッサン。
「もしもし、中島教授?・・・では、あなたは、何で怒りを覚えたわけですか?」
ほんとに蹴倒したい気分になるのを抑えて、中島教授の左手で肩を叩いた。右手は、こぶしが握られている。
「ああ、そうだ。。。あれは、衣笠米穀店の奥さんがまだ独身だったときに、彼女からいただいたものなんだなあ。僕は、今の妻と見合いをしたばかりの時で、彼女も衣笠米穀店の一人娘で遠縁の青年と婚約間近かと言われていた時だ。。。」
中島教授は、遠い目をして、昔の若き日を思い浮かべているようだ
衣笠米穀店って、昔は豪農で聞こえた大地主だった名家中の名家だ。まさか、そこの奥様と、この教授が大恋愛をしていたというのか?

しかし、あの奥様は・・・

白いヤツを横目で窺うと、顔面が引きつっている
衣笠米穀店の奥様を知っているからこそ、の表情だ。
中島教授は、目の前の鉢を取った。
「これが、私と彼女の若き日の思い出だ
教授は、鉢を俺たちに向って差し出した。

うげええええええええええ。。。。

ショックなので、つづく。。。



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