へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

でも、なんで警備員

2021-09-27 15:10:38 | へちま細太郎

と、細太郎につっこまれている孝太郎です。

「坊主になってやってもいいんだぞ」
と、「レ〇ン堂」のふたをあける。
誰も何もつっこまないところに、須庭寺の本堂の例の小部屋で何をしているのかよくわかるな。
今日23日はお彼岸の大供養だ。家臣たちも集まって、と従来ならやるところだが、
「リモートじゃ」
と、今年はネット中継してやがった。
西村家の次期当主なんだが、藤川家の法事には関係ないべと思うが、母親が当主の妹では出ないわけにはいかない。でも、こうして小部屋で酒飲んでる。
「今年のクリスマス法事は、ないよなあ。でも、デートする相手もいないしなあ」
毎回毎回実孝のバカ野郎に彼女を寝取られて終わるんだ。結婚したら、もっとやばいのが、当主のおっさんだ。あいつはいい年して妙な色気があって、どうも若い女はいちころになってしまうんだとか。バカ殿の見合い相手はこれでいつもおっさんに持っていかれている。あいつは一生結婚できないに相違ない。
「今度は須庭寺乗っ取りを諮る気ですか?」
たかのりはつまみをほおばる。
「一応、資産状況も調べた。それがさ、百合絵さんが嫁いできてから実にしっかりと経理状態がいい。水嶋に計理士の資格を取らせて調べさせた。どんだけどんぶり勘定の杜撰なありさまだったかわかる」
細太郎は
「何やってんだ、この人」
とつぶやいたが、あとは口をつぐんでしまった。
「藤川家は女と食い物には目がないが、西村家はそうじゃない。維新のころには金を借りに来た薩長の連中もいたくらいだ」
「じゃじゃじゃ、今度西村家について教えてくださいよ」
たかひろとみきおも食いついてきた。
「語るほどのことはないんだよなあ」
俺は、警備員のバイト、いつまでやるかなあとぼんやり考えていた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 孝太郎先輩の本業は? | トップ | 結婚の話題 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

へちま細太郎」カテゴリの最新記事