へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

神宮にきた

2015-07-25 23:24:16 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

チャリでのんびり関東を回ろうと計画し、熱風の中神宮球場に到着。
午前中が高校野球だったらしく、俺達は隣の電気館みたいなところでだらだらしていた。
「ぎりぎりでいいよねえ」
という、たかひろとみきおのメールにうんうんと頷く。
なぜメールかというと、おれがガラケーなのと、ラインだとバレバレになるからだ。
「しんいちはくそ暑いのに野球かあ」
神宮球場でただで配ってたうちわであおぎ、見事に焼き魚になっているしんいちの写メをみてため息をつく。
「第二の福谷だね」
「しんいちはKOじゃねえべよ」
「実力じゃKO行けたのにね、まさか野球を選択するとは…」
「箱根駅伝にも出てる大学だし、いいと思ったんじゃね」
といったところで、ヤクルトのユニホームをきたみきおとたかひろて彼女と、はるみが立ってた。
「尼御前さまが、東京の研修所使っていいってよ」
「ばれねえ?」
たかのりは不安げな表情をみせたが、
「藤川家の分家の研修施設たがら、本家は利用しないんだってさ」
「むしろ、使ってくれないと、税務署に文句言われるんだとさあ」
あ~、そ~ですか…。
神宮球場は、暑かった
初めてのプロ野球観戦に、はるみは大はしゃぎで、しばらく見ないうちにかわいくなりやがって、とちょっぴりうれしくなった。
で、ポップコーンバスケットに追加のポップコーンを入れてもらっていたら、
「おい、脇坂」
と肩を掴まれた。
「あ?」
と振り返ると、知らない顔が立っていた。
「おまえ、西武ファンだったろ、地元裏切んなかよ」
「なんだよ、おまえら」
藤川先生&広之お兄ちゃん&副住職さま仕込みのヤンキー口調で唸ってやると、
「おまえ、脇坂じゃないの?」
と、顔を覗き込まれた。まじまじと顔を眺め回されて、
「あ、わりい、うちの大学の後輩かと思った」
「ごめんな、でもおんなじ顔だからびっくりした」
「いや、驚いた」
と、頭をかいている。
同じ顔?
「それ…翼?」
思わず呟くと、
「何、知り合い?親戚?脇坂翼と?」
「あ、いや違う違う、前にも勘違いされたから」
と、笑ってごまかしてその場から逃げ出した。
やばいよ、こんなところで、すっかり忘れていた名前を聞くなんて…。
でも、今は聞かなかったことにしようっと。いまさらだもんな…。
というわけで、席に戻ってみれば、傘の花が開いて東京音頭の大合唱だった。
うん。
今晩、はるみと気分よく寝ちゃおうかな…とスケベな気分になったわけだ〓
うん、健康的だなあ