へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

けんかをやめて

2012-03-05 13:08:24 | へちま細太郎

サッカー部に女子の入部希望者が絶えないから、ちょっととまどうけんちゃんだ。
やあ、久しぶり。

のぶちゃんのところに、またまた女の子が生まれて、今度こそ、
「清香(さやか)と名付けたぞ」
と、優香を背中にしょってあらわれた時は、腰を抜かさんばかりに驚いたもんだが、それ以上にバカ殿の気が狂ったとしか思えないプロポーズには、愛車のけんちゃん号でさえチェーンが外れた。
金曜日の朝っぱらからの、
「結婚してくれ」
騒ぎには、ブチ切れた匿名希望の東山がタコ壺保健室に籠城騒ぎにまで発展した。
片山教授と中島教授は、説得にあたるどころか、
「いつまで我慢できるか、かけてみんか?」
と、(仮)嵐1号2号に空き缶を差し出す始末だ。
さらに、この騒ぎで激怒したのが、あわれ婚約者?の野茂だ。
「何よ、何なのよ、あんなオバサンのどこがいいのよ」
女心は意味不明だ。
「俺は、ガキよりも20代のオネーサンの方がいいんだけどな」
と、浜中がキレまくる野茂をとめるどころか、遠巻きにして放置だ。
「触らぬ神に祟りなしだ。特に思春期のロリ娘は、自分中心に世の中が動いているようなもんだからな。妄想の中じゃ三角関係は男2人に自分1人と相場が決まっとる」
「2人とも自分が好きで『けんかをやめてえ~、二人をとめてえ~わたし~のた~めに~あらそわないでえ~』というアレか」
「だから、女2人に男1人は許せない、しかも、アラフォー世代の磨きがかかった女はただのオバサンだから、余計許せない」
15の小娘からみたら、高校生ですらオバサンだよなあ、とつぶやきながらコーヒーをずすり。
「きいいいいいいいい」
性悪娘のはるみも遠巻きにするくらいの暴れっぷりだが、そういえば細太郎はどうした?と、教室をのぞきに行けば、なんとウノなんぞやっている。
「おまえ、とめにいかねのかよ」
と、声をかけたものの、
「あんなになっちゃったら、止められないでしょうが…」
「なんだ、おめえ」
「何言ってんの、そ~ゆ~ことを教えてくれたのは、藤川先生やけんちゃん先生たちでしょ。それに、何されるかわかんないし」
「さめてんね」
…というか、かわいくないガキだ。
なんで、こんなクソガキがバレンタインチョコの№1なんだが、わからん。
あ~、なんだってこんな問題ばかり起こる学校の教師になっちまったんだ俺は…。
深く深く反省するばかりであった。