へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

前代未聞のプロポーズ

2012-03-03 10:35:27 | へちま細太郎

おはようございます、へちま細太郎です。

昨日、卒業式あとは学校こね~ぜ、といきまいていた藤川先生は、何を思ったかイの一番に学校に向かい、到着するなりタコ壺保健室に飛び込んで、
「俺と、結婚しろ~」
と、匿名希望の東山先生に向かってとんでもないことを叫んだ。
「あ?何かましとんじゃ、おのれは」
突然の何の脈略もない「結婚してくれ」に、匿名希望の東山先生は、持っていたトラッキーのカンフーバットを握り直す。
「だから、つべこべ言わず、結婚しろ」
ここで言っておくが、藤川先生と匿名希望の東山先生は、別に恋愛関係はない。付き合っているという話もきかないし、ヤッちゃった話もきかない。
ただの同僚というだけの関係だ。それなに、
「は?結婚してくれ?どのツラ下げてそんなわけのわらんことをぬかす?」
「どのツラ?こんなツラだ」
ボケと突っ込みか…。
ぼくとおとうさんは、藤川先生の朝っぱらからの様子に異常事態を想定して、スクールバスを利用せず、藤川先生のZを二人して高速道路をかっ飛ばして追ってきた。
で、今の結婚してくれの叫びをきき、結婚漫才を目撃した。
「一生不自由はさせない、好きなことしていていい、当主夫人の仕事もしなくていい、お好み焼きがおかずでもいい、なんでもいいから結婚しろ~」
なんだそりゃ…。
みているこっちもわけがわからないのに、当に東山先生はもっとだろう。
眉がピクリと動き、トラッキーのカンフーバットを握る手が強くなったと思ったら、
「このスカターン!!」
という叫びとともに、カンフーバットが藤川先生の顔面をいやというほどぶんなぐった。
「ひえええ」
ぼくらは驚いたが、しかし藤川先生は喧嘩なれしているのか、殴られても平気な顔だ。
頬を押さえながらも、
「何すんだ、この凶暴女、人がせっかくプロポーズしているのに」
と、懲りずにまた「結婚しよう」を連発。
「誰が頼んだんじゃ、このボケがっ!!」
「やかましい、おめえのような女、他に誰が結婚してくれっていうんだ!!」
「もう一遍、いうたら、淀川に沈めたる!!」
「おお、本望だああ」
「うわあああ、何なんだ、こんな意味不明なプロポーズみたこともきいたこともないぞ。。。」
おとうさん、頭を抱えている。
今後の展開が恐ろしいと思えた、朝のとんでもない一場面だった。。。