HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

大人の楽譜だよ♪

2013年05月02日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小4):
映画「サウンド・オブ・ミュージック」の オープニングの曲を、発表会での演奏曲に決めて練習しています。

冒頭の、山々にこだまするホルンの響きから 徐々に拡がってくるアルプスの風景・・・
そして流れ出す、マリアの歌うメインテーマとそれに重なるエコー。

今 練習しているのは、この辺りです。

「私、今日、ちょっとアレンジしてきました。先生に言われてない弾き方なんだけど」
楽譜を譜面台に置いたSちゃんは 生真面目に言いました。
「そうなの?じゃ、それ、弾いてみて」
重々しくうなずいたSちゃんの演奏を聴いてみたところ、とくに音やリズムが変わったり、別な音が加わったりしてはいないようです。
「なるほど・・・で、どこをアレンジしたの?」
と聞いてみると、Sちゃんはもう一度「その部分」を弾いて、言いました。
「このところで・・・こういうふうに、だんだん強くしてみたの」
なあんだ。クレッシェンドして弾いてみたってことなんだ。
「ああ、そうなのね。いいじゃない?そのほうが、ずっとよくなったね」
Sちゃんは、満足そうにうなずきました。

「じゃ、もう一度、初めから弾いてみて・・・だけど、音、ずいぶん飛ばしてたよ。ほら、ここのところ、メロディーの下に、もう一つ音が入ってるでしょ。ここも。それから、ここは、こう指を置き換えて、そして余った指で、こっちの音を弾く」
「ああー、そうだった。でも難しい~」
「そりゃそうさ。大人の楽譜だもん」
「えー」
「子ども用の『小学生のためのやさしいピアノ』とかの楽譜じゃないんだからね。子どもが弾きやすいように、音を減らしてあげましょうとか、指がうごきやすいように 音を変えておきましょうとか、そういう気配りは一切ないから」
先生は、そう言ってSちゃんを脅しつつ 実は彼女のプライドをくすぐっています。
「見てわかるように、これは大人のための、ほら、歌詞だって英語で書いてあるでしょ。映画の曲を、そのまま楽譜にしたものだから。指の都合は一切考えてないよ。音の都合だけ。きれいな音を、きれいに再現することへの配慮しかないからね。だからオクターブだって、複雑な和音だって、平気でいっぱい出てくるからね、言っとくけど」
「大人のなんだー」
「そうさ。だからそのつもりで!」
「はあーい」

さあ、たっぷりプライドをくすぐってあげたSちゃん、来週、大人っぽくがんばってくるかな?

ピアノ楽しんでるね♪

2013年05月02日 | レッスン日記(小中高生)
Hちゃん(年長):
「ピアノひけるよ・ジュニア3」のテキストを 楽しんで進めています。
「いつもピアノレッスンに行くのを楽しみにしています」と、お母さんからうかがっていましたが、先週などは 約束の時間より10分以上も早く
「こんにちはー♪」とやってきました。
付き添ってくれたお母さんが、
「すみません、早く来てしまって・・・30分以上前から『まだ?』『まだ?』と、待ちきれなくて・・・」と恐縮しておられました。

さて、今日は「むすんでひらいて」です。
右手は、少し音域が広がって「ラ」の音まで使いますし、左手は、今まで慣れていた「ド-ソ、ド-ソ」の伴奏だけでなく ちょっとしたフィルインが入ったりと、大分ピアニスティックに、つまり難しくなっています。
また、中間部の左手は 右手と三度の音程で平行に動くメロディーとなっていて、これまで 次々と弾けていた曲に比べると ちょっぴり手ごわいなあ・・・という印象です。
でも、一緒にゆっくり練習すると、ちゃんと弾くことができたので、来週仕上げ、という宿題になりました。
もう1曲、「やまのおんがくか」では、初めて 重音の伴奏を習いました。
どんどんバージョンアップしてくる課題を、元気にマスターしていくHちゃん。
去年の4月からレッスンを始めたので、ちょうど1年たちました。

「1年たったんですねえ・・・」とお母さんも感慨深そうです。
「あたし、幼稚園でね、『一週間』ぜんぶ弾いちゃった!」と嬉しそうなHちゃん。
「えっ、そうなの?」

「一週間」は、半年以上前にやった曲だし、幼稚園児のHちゃんが日常で知っている『お歌』でもないはず。
それなのに、その曲をレパートリーとして、いつも楽しんで弾いているなんてすごい。
Hちゃんは、今まで弾けるようになった曲を、いつもお家で楽しんで弾いているということを、お母さんからもおばあちゃまからもうかがっていましたが、レパートリーを楽しむというのは、本当に理想的な姿勢だと思います。
1年たったHちゃん、これからもどんどん、レパートリーを譜やし、楽しんでほしいです。