HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

映画「猫を探して」

2010年08月19日 | TV・映画・ステージなど
朝、花壇に水やりをしていたら、Iさんが「2枚もらったから、よかったら1枚つかって」と、映画のチケットをくれました。
Iさんは、ガーデン友だち、猫友だち・・・みたいな「ご近所さん」です。
「猫の好きな人じゃなきゃ、あげられないでしょ?」というその映画は「猫を探して」。
渋谷のミニシアターでやっているらしかったので、さっそく午後から出かけてみました。

地図を見ながら行ったのは「シアター・イメージフォーラム」という、今まで行ったことのないシアターです。
宮益坂→246→路地を入る。
こんなところに、映画館なんてあったかな・・・

説明通りに行ってみたら、ありました。
これがシアターとは絶対わからない、コンクリート打ちっ放しの建物。
究極シンプルで、ドリンクカウンターもお菓子販売もじどはんもない。
「猫を探して」は地下の「シアター2」で上映されたけど、座席数は100ぐらいだと思う。
 
映画はフランスで制作された、「ふっと行方不明になった猫を探して時空を旅する」というものでした。
世界のあちこちで活躍したり、人間と共存していたりする実在の猫たちがドキュメンタリー形式で登場して、ストーリー全体はアニメーションでつないでいく、というものです。
このアニメーションが、いかにもフランスらしく上品な淡い色で、マンガチックでなくいい感じだった。
登場する「世界の猫たち」の中には、日本の「たま駅長さん」も登場してたし、イギリスの鉄道で昔から頼りにされている猫たち、アメリカの老人病院で患者を看取る猫オスカーなどもいて、猫が単なるペットではなく信頼すべき相手として紹介されていて、とてもよかったです。

今の豊かな日本では、犬や猫が ペットを通り越して人間のオモチャや人形みたいにされてしまっている状況も多く見られます。
犬や猫だけじゃなく、時には人間の子どもまで 親のオモチャみたいになってることもある・・・といったら言い過ぎですか?
そんな中、この映画は、制作者の 猫に対しての真摯な尊敬や感謝が感じ取られ、人間が奢(おご)っていない謙虚さも感じ、とてもすがすがしく思いました。
そうさ、人間も犬も猫も、みんな同じ生き物、地球の仲間でしょう。
お互い、相手の立派なところやえらいところを尊敬し合い、苦手なところを補い合いながら、共に平和に暮らしていこうよね・・・
という思いを新たにした映画でした。

シアター・イメージフォーラムも、とっても居心地の良いシアターだったので、今後もチェックして、また行ってみたいです。
Iさん、ありがとう♪

♪心の琴線に

2010年08月19日 | 音楽のツボ
Sちゃん(小1):
1学期の、発表会の練習に入る少し前に、「こどものポピュラーピアノ曲集」という本をあげていました。
このタイトルの「ポピュラー」は、いわゆる「ポピュラーソング」ということではなく、もともとの英語の「ポピュラー」・・・すなわち「よく知られた」とか「人気がある」とかいう意味、というスタンスです。
トラディショナル・ソングや童謡、クラシックの有名曲やイージーリスニング、映画音楽、アニメの曲など、子どもたちが一度は耳にしたことがあって、「あっ、これ知ってる。弾いてみたい」と思うような曲が満載なのです。

今日、久しぶりにやってきたSちゃんは、先生があげたこの本のコンセプトに、もうしっかりはまっているようです。
「『エーデルワイス』、もう全部弾けるよ!『サウンド・オブ・ミュージック』のミュージカルで見た。『キャッツ』のミュージカルも見たよ。・・・ほらっ、この本、見たらね、M2ちゃんが弾いてた『風の丘』が載ってたよ。ほかにも、知ってる歌がたくさんあった」
「ほんとだ。『風の丘』、あったね。じゃ今度、弾いてみる?」
「うん!」
まずは宿題の「エーデルワイス」。上手ですが、どうしてもあせってしまうためか、テンポが走って指がもつれてしまったりします。
「もうちょっと、ゆっくりの方が『エーデルワイス』の感じが出るよ。エレクトーンで伴奏つけるから、一緒に弾いてみよう」
先生がエレクトーンで、ゆったりした伴奏をつけると、Sちゃんもすぐにそのフィーリングに身をゆだねることができ、美しい「エーデルワイス」が完成しました。
「『パフ』もね、伴奏つけて、もう弾けるようになった」
「ほんと?どれどれ」
Sちゃんは、発表会のときの「絵本の朗読とピアノ」で聴き、みんなで歌った「パフ」を、本当に楽しそうに弾いています。
そこで、先生は言いました。
「これ、長いお話になってたよね。1回弾くだけじゃすぐ終わっちゃうから、2回続けて弾こうよ」
「うん・・・ちょっと緊張する・・・」
そういいながら、Sちゃんは2回、続けて弾きました。
「そうそう。じゃ、もうちょっと増やすよ。2回弾き終わったら、最後の1段だけ、もう一度繰り返そう。そして、一番最後のところは『ラー、ドー、シー、レー、ド~~~』って、長く伸ばして弾くの。そうすると、ほら、お話の最後のときみたいになるじゃない?」
「うん! うわあ、できるかな~」
Sちゃん、ちょっと緊張しちゃってるのは、この曲や物語にどっぷり浸っていて、「すてきに弾いてあげたい!」と思ってる証拠です。
こうして「長編」に仕上がった「パフ」を弾き終わったとき、Sちゃんは言いました。
「わたし、来年の発表会には『パフ』弾く! あのね、この間、本屋さんにいったとき、発表会で読んでもらった『パフ』の絵本があるかと思って、さがしてみたの。だけどなかったから、ほかの本買ったの」
「えー、そうなの?本屋さんに頼めば、取り寄せてくれるよ。ママにきいてみたら?」
「うーん、でも買ってくれるかどうかわかんない」
あとでママがお迎えに来たとき、このことをお伝えすると、ママは「あら、そうだったの?だったらAmazonで頼んであげるよ?」と、すぐに言ってくれました。よかったね!

物語や、絵や、音楽などというのは どれも心の中の琴線に触れる美しいものです。
そしてお互いに、密接な関連性をもっているものなのです。
それらが響き合って、心の中に壮大なシンフォニーが鳴り響きます。
「パフ」という愛らしい作品は、心に訴える価値のある立派なものですし、だからこそ、小さいSちゃんの心の琴線に響きかけたのだと思います。
また、小学校で読み聞かせをしているという、Sちゃんのママも、そのことをよくわかっているからこそ、すぐに絵本の注文のことを了解してくださったのに違いありません。
こうやって、幼いうちから「美しいものに感動する心」を大切にし、応援してもらえるというのは たいへん幸せなことですね。
こういうことって、目に見えないけど、子どもにとって本当に大事なことだと、ヒバリ先生は思うんだよね・・・