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HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

音あて

2010年01月27日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(年長):
「わたしね、四月になったら、いきなり学校に行くの!」
と、重大機密を発表するように教えてくれました。
「へ~、いきなり行くんだ・・・いいなー ランドセルとか、あるの?」
「あるよ!ランドセルもあるし、ふでばことかもある
いいなー、これから学校デビューか・・・
学校がぜんぶ終わってしまった先生としては、うらやましいです

今日も、テキストはよく練習してきて、10番まで丸をつけてもらいました。
そのあと、ドリルの中に出ている「おとあて」をやってみました。
ドレド、とか レソソ、のように 1小節に3つの音が連続して書かれている小さな五線が、バラバラに配置してあります。
先生が、ピアノで そのどれかのフレーズを弾き、生徒はピアノを見ないで、どの音列だったかを当てる、というゲームで、Sちゃんはこれが大好きです。

各フレーズには、それぞれわかりやすいアイコンが添えられていて、例えば
先生:~「さあ、今のは何かな?」
生徒:「ド・レ・ド・・・トマトだ!」といった具合です。
耳で聞いた音を当てるだけでなく、書かれている音符を読んで、どれと一致するか照合しなければならないので、2つの難しさがありますね。

今日の課題は、もう大分難しくなっていて 選ぶパターンが6つ、その上半分はヘ音記号の音です。
へ音記号の楽譜は、ピアノで弾くときはト音記号の五線の下段に書かれていて、見やすくなっていますが、このドリルでは ヘ音記号の五線が単独で書かれているので、小さな子には読みにくいと思うのですが・・・Sちゃんは、間違えずにちゃんと読んでいたので、えらいなー、と思いました。
音当て自体は、なかなか難しく、正答率は5割ぐらいかな・・・
慣れてくれば、どんどん当てられるようになります。

ちなみに、今回の課題のアイコンは、魚関係で統一されていました。
「シレレ、は イカだね」「ミソミ、はタコだよ」といったふうに。
「この魚はなんだろう。まあるくふくらんでるから、多分フグだね。ほら、Sちゃんが通ってくる道に、フグが泳いでるお店があるでしょ。あれよ」
「え~、みたことないよ」
「そう? じゃ今日、帰りに気をつけて見てごらん。先生んち出て、左に行って、右に曲がって、それから少し行ったら、右側に フグの泳いでるお店があるから」
「うん、わかった!」

近所の「一番街」に、「とらふぐ亭」があるのでね。
道に面した壁に、大きな水槽がはめ込んであって、フグがたくさん泳いでるんだけど・・・
大人の目線の高さだからな・・・ Sちゃん、みつけたかな・・・

ブルクミュラー「進歩」は2匹の子猫・ヒバリの思い出

2010年01月27日 | ブルクミュラー
Y子ちゃん(小4):
ブルクミュラーの「進歩」が、大分上手になりました。

ブルクミュラー曲集の例にもれず、このタイトルも わかったようなわからないような。
曲に合ってるようなそうでもないような。

両手3度違い(オクターブの開きがあるので、厳密には10度だけど)で、音階がダダダーッと駆け上がります。
この「進歩」、ブルクミュラーの中では、子どもの不人気上位にランクインしてる曲らしいです。
私も好きじゃなかったな・・・
音階練習全開で、力いっぱいで。かわいくも楽しくもない、まじめ一直線の、いかにも「練習曲ですっ」といったオーラに満ち満ちた体育会系の曲、という印象でした。
タイトルからして「進歩」だなんて、不まじめだった私は、それだけで「つまらん」と思っていたものです。

そういえば、この「進歩」という曲で、いきなり思い出したことがあります。

私がこの曲を練習していたのは小学校低学年の頃だったのですが、当時 近所にT子ちゃんという同い年の子がいて、同じピアノの先生に通っていました。
不思議なことに、私はなぜか、ブルクミュラーの「進歩」というと、反射的にT子ちゃんを思い出してしまうのです。大人になってもずーっと。

自分でもなぜだかわかりませんが、多分、彼女がとてもまじめながんばり屋さんだったので、この「進歩」という曲が 彼女を連想させたのかな・・・と、今では思ったりします。
このワケわかんなくてつまんない「進歩」をさー、よくまじめに、練習できるよねー。
・・・チビ時代の私は そんな風に、思っていたんでしょう。
「T子ちゃんは毎日、勉強もピアノもきちんと1時間ずつやってるそうよ。その上親の言うことをよく聞き、お手伝いをよくし・・・」と よく親から引き合いに出されていた私は、「けっ、はた迷惑なやつだブー」と 何の罪もないT子ちゃんを 内心ちょっぴりウザく思っていました。
親は重ねて言いました。
「T子ちゃんはね、ピアノのレッスンに行って 自信があった曲が合格しなかったら、家に帰っても玄関を入らず、ドアの外でくやし泣きしてるんだって」 
ちぇっ、重ね重ね迷惑な行動をブー 大体、生徒のくせに自分で合格レベル決めていくなんてゴーマンじゃん・・・と私は思いました。
もちろん低学年ですから、「傲慢」などという単語が浮かんだわけではないのですが、子ども心にも「力まかせにバリバリ弾きゃいいってもんじゃない」ということが言いたかったのさ。(ほんとだよ)

今 大人になって(先生になって)、あの頃の ナマケモノで身勝手な私の気持ちを 百歩譲って代弁するとすれば(『ドロボウにも三分の理』ですから)、
「ピアノは『根性論』で解決するもんじゃない」ということだったと思います。
「がむしゃらに訓練を繰り返し、速く・正確に・力強く指がまわっても、それは「音楽」とは別の次元のこと。もっと感動する曲なら、私だってがんばって弾いちゃうんだけどな~ ヘイヘイヘイ~」などと、都合のよいことを考えていました。

で、思い出話から一気に現在へとタイムスリップし、今はY子ちゃんが「進歩」を弾いています。
弾いてみると、そこまでつまらない曲でもないのです。スリリングなシンコペーションの掛け合いもあるし。
でも、タイトルが「進歩」じゃ、身もフタもない。色気もビジュアルもあったもんじゃない・・・

そのとき、私の頭に 電光のようにいきなりひらめいたビジュアルがありました。
「ねえ、これ、2匹の子猫が遊んでるみたいじゃない
私は Y子ちゃんに言いました。
「右手は、黒い子猫。そして左手は、白い子猫。 2匹は、ピッタリ並んで いっしょにオモチャをくわえたまま、すごい勢いでダダダダーッと駆け出していってるよ」
「それから、黒い子猫が白い子猫の方を向いて、『こんなことできるんだぞー』。そしたら、白い子猫も負けずに、『ボクだって!』と同じようにやってみせてる」
「それからまた、2匹いっしょにダダダダーッとダッシュ!」
「うん、そんな感じ!
Y子ちゃんも猫を飼っているので、子猫の遊び方も その情景も、よくわかります。
「前半の最後は、今度は2匹、逆の方向へ走って行った!」
「後半では、また、かわるがわるにどこかへ登ってみたり、それをまねしたり、珍しいものをさわってみたり、同じようにやってるね。それから、2匹の冒険は、もっとスリリングになって、代わる代わるのピッチも1小節交代→ついには半拍交代に。そしてまた、冒険に満足した子猫たちは、新しい遊びを見つけに、2匹いっしょにダダダーッと駆けだしていくのよ・・・ねっ、どう?この、子猫たちの冒険っていうの
「うん、よくわかる。」Y子ちゃんもニコニコして、いたずらな子猫たちの姿が 目の前に見えているかのようです。
「じゃ、これで仕上げてきてね!」
「はーい

よかったよかった。
突如として、この「黒い子猫と白い子猫」のイメージが 天使のように舞い降りてきてくれたおかげで、私はとうとう、世紀をこえてT子ちゃんとさよならできそうです。

T子ちゃんの名誉のために言っておきますが、彼女は決して「ぶりっこ」じゃなく、ひ弱な優等生、というわけでもなく、大らかで優しい、しっかりした女の子でしたよ。
今ごろ、どうしてるのかなあ・・・



同じくやりなおし~☆

2010年01月27日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小5):
M3ちゃんと交代して、譜面代にブルクミュラーを拡げると、脇からM3ちゃんが
「Mちゃんね、練習してないよ」と言っています。
「うるさい!M3!」
「1回も練習してないんだよ~」
「だまれ!うるさいうるさいうるさい!!!わ~~~っ」
できる限りの大声で、M3ちゃんの声をかき消すMちゃん。
そうか。ほんとに練習できてないんだ。そして、それを自分で恥じ入ってるんだ。
ということが、よくわかりました。

Mちゃんは、うんと小さい保育園児のころから、「恥を知る」子どもでした。
わすれものをしたり、ちゃんとできなかったりすると、小さい子どもとは思えないような「深く恥じ入っています」という表情を 全身に表わしていたものです。
今、それを思い出しました。
いつもは、ちゃんと一人で練習してきてるMちゃんなのですから、練習しなかったことは、先生からとやかく言われなくても 充分自分で反省し、恥じている様子です。
ま、一応、ブルクミュラーを聞いてみましたが、なるほど、「これからやってみます」状態の完成度でした。
これからやってみてください。

Mちゃんもまた、M3ちゃんの楽譜を借りて「明日の記憶」を ちょっぴり弾かせてもらいました。
こういう、「はやっている曲」などは、クラシックやスタンダードナンバーなどの いわゆる「純音楽」に比べて「大衆音楽」というジャンルになるでしょうか。
芸術性が低い、とか短命である、とかいう向きもあるかと思いますが、生徒たちが「好きだ」と思い、「弾いてみたい」と思う曲は、そのことだけとっても、大変価値の高いものです。
知っている曲、いつも歌っている曲が、楽譜になるとどんな譜面になるのか。
すごく難しいリズム割り、見たこともないような高い音や低い音、そういう楽譜を、弾きたい一心で苦労して読んでみたら、ああ、あのフレーズになるのか!といった驚きと喜び。
そして、耳馴染んだ音楽を、自分の手で再現する満足感。
そういった喜びの数々は、みな 彼らの音楽を形成する、大きな原動力です。
みんなには、どんどん好きな曲に体当たりしてもらいたいと思っています。

M&Mコンビは、今日は仲良くそろって「やりなおし~☆」でした。
来週をお楽しみに。 To be continured...