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映画感想ブログです。3周年を迎えました♪
相変わらず、日本映画と香港映画が好きです。

それでもボクはやってない

2007-01-25 14:17:50 | 映画(さ行)
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加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、役所広司、光石研出演。周防正行監督作品。

フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、会社の面接に向かうため通勤ラッシュの電車に乗っていた。そして、乗換えの駅でホームに降り立った彼は女子中学生から痴漢行為を問いただされる。そのまま駅員によって駅事務所へ連れて行かれた徹平は、やがて警察へと引き渡される。警察署、そして検察庁での取り調べでも徹平は一貫して“何もやっていない”と訴え続けるが、そんな主張をまともに聞いてくれる者はいなかった。そして、徹平は具体的な証拠もないまま、ついに起訴され、法廷で全面的に争うことになるのだが…。(allcinema onlineより)

公式サイト

“十人の真犯人を逃すとも 一人の無辜を罰するなかれ”

満員の劇場で観て来ました。周防監督作品の割には上映している劇場がちょっとマイナーなような・・・初日じゃないのに劇場が満員だった事なんて、今迄観た映画であったかな?(笑)あ、「ゆれる」が満員だったかな・・・
周防監督の今迄の作風とはちょっと違う大真面目な社会派ドラマでした。凄く面白かった。2時間半くらいの長い映画でしたが、全然ダレずに集中して観れました。
私が凄く面白かった、と思ったのは、私は裁判について、裁判制度について、無知だったからというのも大きいと思います。しかし、キャッチコピーのように『知りませんでした、ではすみません』です。『明日、裁かれるのはあなたかもしれない』ひぃー。心底、恐ろしいです。起訴されたら99.9%は有罪になるなんて・・・
裁判所は真実を明らかにする所だと思ってました。マジで。ドラマの見過ぎでしょうか(爆)。
決定的な証拠がなければ、無罪になると思ってました。それってただの理想だったのですね。裁判所という所は、被告が無罪か有罪かを決めるところでした・・・。

映画は徹平が痴漢の疑いをかけられる所から始まり、地方裁判所で判決が出る所までを丁寧に描いていました。裁判制度のいろいろな問題や刑事、検察、裁判官、そして弁護士を描き、被告を描いてました。
この映画を観て、痴漢の疑いをかけられたら、やってなくても認めてしまうのでは?と思いますね(笑)。私がその立場になったら・・・死ぬほど悔しいけど、認めるかもしれない。無実でも無罪になる可能性が0.1%かもしれないのだから。
2009年から裁判員制度が始まりますね。人を裁く事の恐ろしさを改めて感じました。人の人生を狂わせてしまうかもしれない。でも知らないより知ってよかったです。まぁ、内容からして、裁判所が国民にオススメするとは思えない映画ですけどね(苦笑)。

ところで、満員電車に乗ったことがある女性なら1度や2度は痴漢にあったことがあると思います。(もちろんあったことない人もいるでしょうけど)
かくゆう私も初めて痴漢にあったのは中3の時でした。しかも受験の日(笑)。初めて乗った線だったんですよ。高校には合格しましたが、行きませんでした(笑)。もともとすべり止めに受けた高校でしたが。あの時、勇気があれば、手を痴漢の手をつかんでたかなぁ・・・
しかし、つかんだだけじゃダメです。映画に出てくる女子中学生、勇気を持って手をつかむまでは頑張ったけど、それだけじゃ甘いですね。
手をつかむと同時に、爪をたてて引っ掻き、手の皮を削りとらなければダメです(爆)。これなら手を引っ込められても証拠がありますね(笑)。友人はいつもそうしてました。男友達は満員電車に乗ったときは、疑われないように両手を上にあげておく、と言ってました。涙ぐましい努力をしている方もいます(苦笑)。

加瀬亮さんは、いい演技してましたね。裁判官に「最後に言いたい事はありますか?」と言われ、話した時に涙声になってましたが、すごく自然でした。
瀬戸朝香さんは、演技に首をひねることがよくあるんですが(ファンの方ごめんなさい)、弁護士役は似合ってるような気がします。リコベンの影響か?(笑)。最初は「ほんとにやってないの?」と被告を疑ってましたが(笑)、ほんとに本気で闘っている様子が伝わってきました。役所さんは当然のように安定した演技。もたいまさこさん、主人公の母役でしたが、息子が似てませんねぇ(笑)。

実はそんなに興味なかった映画でしたが、観てよかったです。裁判には興味あるけど、よく分からない、という人にオススメ。というか、知っておくべきだな。うん。