Leon Fleisher plays Beethoven and Brahms Concertos
Georg Szell Cleveland Orchestra
SONY Classical 5CD
Tower Recordsで1800円弱で購入。安いですね。
1956年~1962年のステレオ最初期のエッピックの録音。ベートーヴェン ピアノ協奏曲 1~5番、 ブラームス ピアノ協奏曲 1~2番の全集に モーツアルト ピアノ協奏曲 25番、ブラームスのヘンデルの主題による変奏曲とフーガ変ロ長調 と ワルツ集が収録されています。
レオン・フライシャーは今回初めての購入です。活躍期間が短く、このためリリーしたアルバムも少ないこと、さらにレコード会社の扱いも上位ではなかったことがあり、今まで聴いたことがなかったです。
今回、セル指揮クリーブランド管弦楽団とのベートーベンとブラームスの協奏曲全集が廉価版で発売されて初めての対面となりました。
1曲目のベートーヴェン 協奏曲第1番でセルがフライシャーを好んだ理由がすぐに分かりました。ストイックなセルとクリーヴランド管弦楽団の音色にぴったりと調和する、贅肉の無い引き締まったフライシャーのピアノは、これ以上あり得ないと思うほどのマッチング。フライシャーには失礼かもしれませんが、ピアノがクリーヴランド管弦楽団のひとつの楽器のように音色が合っています。
0.1mmのロットリングによる精密画のようなセルとクリーヴランドの演奏、これに勝るとも劣らない濁り成分の全くないフライシャーのピアノ。こんなに絞りきった音楽芸術は他にはありません。当時コロムビアはバーンスタインとニューヨーク・フィル、オーマンディとフィラデルフィア、そしてセルとクリーヴランドの3本柱を所有していました。この中でフライシャーにぴたりとはまるのはセルとクリーヴランドです。他のオケは考えられません。
この全集の中では、ベートーヴェンの1番、2番が好きですね。このコンビの面目躍如です。
この演奏と反対の方向で少し豊潤な音になっているブラームスの2番も美しい演奏です。
ただし、この演奏が好きかと聞かれると・・・、半導体の設計図のように誤差のない精密な演奏は素晴らしいですが、遊びがないと楽しめない、時によっては息が詰まってしまいます。デッドな録音による影響もありますが、音色も薄味過ぎ。やはり、この対極にあるグラマーな演奏が好きです。
CD 1枚以下の価格で5枚組全集が買えます。最近の流行とは毛色が異なっていますが、大変味わい深い演奏です。ストイックな演奏がお好みのお方にはお薦めです。
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