Heart and Aqua

優しい時間~ゆっくりしていってください。

おカネと働くことと生きること

2010-01-15 | Book
今日はまたまた雪が積もりました。
やっぱり今年は雪が多いような気がします。

山々も家の屋根も白く染まって、絵のようで、
ほんとうにきれいでした。
カメラを持っていなかったのが、とっても残念です。



『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 西原 理恵子 (著)を読みました。

西原理恵子さんの自伝を基にしたお話です。
タイトルに惹かれて読みましたが、お金の話と言うよりは
仕事とは、人生とは、ということを考えさせられる、とても中身の濃い内容でした。

普段、お金の話というのをあまりしないですよね。
お金がほしくない人はいないし、お金に興味のない人もあまりいないのではないかと思いますが、
お金の話をあまり大きな声でしてはいけない、というような
暗黙の了解のようなものが、日本人にはあるのかもしれません。

この本には、お金について考える事は人間関係・仕事関係、
つまり自分と世界との関わりにつながっていくと書いてあります。



西原さんは高知に生まれたそうですが、
故郷での貧しさゆえの八方ふさがりの生活から脱出し、
東京に出てきて学校に通いながら、
自分の絵を出版社に持ち込んで、自ら仕事を得るための努力をします。

ひとえに、自分が自分のチカラで生活していくためですが、
とても大変なことだったろうと思いますが、ものすごいパワーを感じました。

西原さんは言います。

 才能なんて天賦のものではなくて、ほとんど後からもらったものだと思う。
 自分がそれをできるかどうかなんて、やってみなければわからない。
 場数を踏んでいるうちに慣れてくるし、自分の得意不得意だってわかってくる。

また、

 よく「自分に向いてる仕事がない」という人がいるけれど
 食わず嫌いしてることもあるんじゃないかな。
 やってみなきゃわからない、そういうことって世の中にはいっぱいある。
 自分のことをやる前から過大評価しているとせっかくのチャンスを逃してしまうこともある。

と。。

今は、自分に何がむいているのかわからない、何がしたいのかわからない、といって
悩んでいる人がたくさんいます。
そうではなくって、とにかく与えられた仕事をやってみよう、
とにかく動いてみよう、その中からきっと見つかるものがある、と言っているのだと思います。
働けることの幸せ、働く場所があるこのありがたさについて、考えましょう、と
言っているんですよね。



著者は、アジアを旅して、貧しい家庭の子供たちをたくさん見てきたのだそうです。

スモーキーマウンテン(ごみの山)から、お金になるようなものを必死で探して、
夜中中そうして、有害物質の発生しているごみの山にいて、得られるお金は200円だそうです。
その200円が、家族の朝ごはん代に消え、また夜になったら
200円のために、スモーキーマウンテンに行くのだそうです。

こういう貧困の底では、希望を持つことすらもつらくなって、
その劣悪な環境をあきらめて受け入れてしまうのだそうです。
考えることをあきらめるのは、人が人であることをあきらめるのに等しいけれど、
それは、あまりにも過酷な環境をしのいでいくための唯一の教えでもあるのだそうです。

小さい子どもたちが、ごみの山で必死に働いている光景を想像するだけで胸が痛みます。



仕事については、本当にたくさんかかれてあって、
ステキな言葉がいっぱいあったので、引用します。



いくら頑張ってもどうにもならない、ということを知る事はとても大切、
あまりにも疲れてしまっているのなら、ちゃんと休むこと。
心と体を休めて、じゃあ、これからどうしたらいいんだろうって、
自分とゆっくり向き合う。
自分の中のだめなところを恥じることはない。
肝心なのは、だめになったら、そこからどう切り返すか、
どうやったら、そこで「自分なりの次の一手」を打てるかが大事。



あんまりストレスが大きい仕事は、報酬がよくてもいつしか心と体を壊してしまう。
かといって、ただ生活していくため、食べていくためだけで精一杯の仕事では、
人はやりがいや充実感を感じにくい。
自分がやりたいことがわからないという人は、闇雲の手さぐりするよりも
この二つの「あいだ」に自分の落としどころを探したらどうだろう。
「カネとストレス」「カネとやりがい」の真ん中に、
自分にとっての「バランス」がいいところを探す事が大事なんじゃないかな。



今、自分がいる場所が気に入らなくて、辛い思いをしてる子だって
そのいやだという気持ちが、いつか必ず、きっと自分のチカラになる。
マイナスを味方につけなさい。

プラスばかりだからっていい人生になるとは限らない。
マイナスがいいとはいわないけれど、
たまたま配られた札が全部マイナスだったら
それをいつまでも嘆いてもしょうがない。
ひっくり返してプラスにすることを考えよう。



どこかに自分にしっくりくる世界がきっとある。
もしないとしたら、自分でつくちゃえばいい。
働くっていうのはつまりそういうことでもあるんじゃないかな。
仕事っていうのは、そうやって壁にぶつかりながらも
であった人たちのチカラを借りて、自分の居場所を作っていくことでもある。

競争社会から落ちこぼれたっていい。
いまいるところがあまりにも苦しいのであれば
そこから逃げちゃえ。



仕事や働くことに対するイメージがぼんやりするなら
人に喜ばれる、と言う視点で考えるといい。
人の役に立つことはうれしいし、人が喜んでくれる仕事は長持ちする。
自分が稼いだこのお金は、誰かに喜んでもらえたことの報酬なんだと
実感することができたら、それはきっと一生の仕事にだってできる。



生きていくならお金を稼ぎましょう。
どんなに煮詰まって辛いときも、大好きな人に裏切られて落ち込んでいても
働いていれば、そのうちどうにか出口は見える。
どんなときでも、働くこと、働き続けることが「希望」になる。
時には休んでもいい。
でも、自分から外に出て、手足を動かして、
心で感じることだけはあきらめないで。

人が人であることをやめないために、人は働くんだよ。
働くことが生きることなんだよ。
どうかそれを忘れないで。



読んでいると、胸が詰まってくるような、
ほんとうにチカラ強いエールばかりです。

ひとつでもココロにとまる言葉があるとうれしいです。

おカネがすべてではない、確かにそうなのだけれど、
でも、自分が誰かに喜んでもらえるために必死で働いて
働くことが自分の生きる希望になり、その報酬がお金というものだとしたら
やっぱりお金は大切なものなのだと思います。

次の一歩に悩んで立ち止まったとき、お勧めの1冊です。




今日のよかったこと

 きれいな雪景色を見ることができました~ 
 電車で出勤、渋滞にあわずに出勤できました~





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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (中年の星)
2010-01-15 10:36:06
aquaさま
「やってみなきゃわからない」
私もそう思って今まで生きてきました。
お金は大切です。
きちんと向き合わなければならない
と思っています。
返信する
考えさせられます~ (ゆり)
2010-01-15 20:29:49
お金はかなり大事ですけど
お金にしばられる生き方は嫌ですね
そしていろいろ嫌なこととかも人生おこりますが
どう自分がポジティブに考えるかもありますね

私もすぐ怒ったりしてしまいますので
もう少し前向きになりたいと思います~
返信する
めちゃんこ寒いです! (ふくやぎ)
2010-01-16 13:32:50
雪ですか!?
今冬は暖冬だって言ってませんでしたか??
もうコタツに入ると抜けられませんね。
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中年の星さんへ (aqua)
2010-01-17 23:28:10
中年の星さん、コメントありがとうございます!

考えさせられる本でした。
生きるためにはお金は必要です。
もちろんそれだけではありませんが。。。。

やるべきことをちゃんとやり、その中でいろんなことを考えながら。。。。

でもまずは、動くことですよね!!!!

ありがとうございます!
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ゆりさんへ (aqua)
2010-01-17 23:29:58
ゆりさん、コメントありがとうございます!

お金、大切ですよね、でもほんと、縛られたくはないですよね。その兼ね合いが難しいんですよね~

私もすぐに怒ってしまうので、穏やかでありたいです~
ありがとうございます~
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ふくやぎさんへ (aqua)
2010-01-17 23:31:07
ふくやぎさん、コメントありがとうございます!

寒いですよ~今年は雪が多いように思います。
ほんっと、一度コタツに入ると、出られません!
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